今夜は前原誠司外務大臣を含む外務省の政務三役(副大臣、政務官)と民主党外務委員の懇親会がありました。ここでは書けないことも含め、様々な問題提起がされた有意義なひとときでした。
前原大臣は先日の外務部門会議では「経済外交」の推進を明言しました。人口減少、少子高齢化、膨大な財政赤字という制約がある中、国力以上の外交はできません。従って、より自由な貿易体制の構築や資源の確保、また、アジア諸国をはじめとする外国への官民一体となったインフラ輸出に取り組み、国力を増強することを目標により攻めの外交に取り組む決意を述べました。アジアにはこの先20年で8兆ドルのインフラ需要があると試算されています。水道や道路、新幹線など日本の得意分野の海外輸出は、今の経済状況における大きな光明です。
また、前原大臣は議員外交の推進を図り、できる限りのバックアップをしていくとのこと。心強い言葉です。そんな背景もあり、10月10日に行われたキルギス議会選挙の監視活動に参加しました。8月にキルギスを訪問した際、オトゥンバエワ大統領に日本の国会議員による選挙監視チーム受け入れをお願いしたところ、衆議院宛てに招待状を頂きました。従って横路衆議院議長からの親書を携え、議員外交として、民主党、そして外務省にも協力を頂く形で訪問することができました。
今朝、戻ってきたところですが、下記のような意義があったと思います。
1.「大統領制から議院内閣制」に移行するプロセスが世界的注目を集めている。4月の政変、6月の騒乱を経て行われる選挙を監視、報告することで、キルギス共和国の民主化支援の一環とする
2.キルギスを含む中央アジアはレアアースを含む地下資源が豊富であり、現政権、および新政権関係者にパイプを構築することは日本の国益につながる
従って、国境を接する中国(新疆ウイグル自治区)に多く住むウイグル系住民や、ドゥンガン系(回族)、さらに6月騒乱のターゲットになったウズベク系、さらにクルド系やグルジア系、朝鮮系、ドイツ系などキルギスにおける少数民族が住み、選挙を実施する上での不安定要因が多いとされる地域を中心に監視活動を行いました。これらの地域は土地を巡る争いがあり、また、貧富の差が激しいため、住民の不満が破壊行動などにエスカレートする可能性があったからです。
実際には、私たちが訪問した投票所は極めて平穏で、過激な行動や混乱はありませんでした。しかし、一部の政党掲示板が燃やされた形跡があるなど、激しい選挙戦の余韻を随所で感じました。
現地での活動中、中国の民主活動家・劉暁波氏のノーベル平和賞受賞が決まりました。この衝撃的なニュースは、民主化を求めるウイグル系やドゥンガン人の人々を大変勇気づけたようです。多元化する社会の利害や関心を統合し、個の自由や尊厳を守る民主的な政治システムの構築は隣国の中国にも求められていることを強く意識させられた活動になりました。
写真:市民による「社会コントロール」を行う現地NGOの方々、および首藤信彦衆議院議員と。1ヶ月間、地域で選挙キャンペーンなどの監視を行った社会コントロールボランティアとは連動して活動しました。
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