阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

『厚仁の夢プロジェクト』として絵本を読む会を実施

2019年05月14日 10時19分10秒 | ボランティア

 日曜日は『厚仁の夢プロジェクト』の一環として、3月にカンボジアで出版した絵本『中田厚仁物語-夢は世界を平和にすること』の朗読会を午前、午後と二つの会場で行いました。

 最初に私がカンボジアの現代史や経済、政治状況、さらに国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)での活動についてお話しし、絵本の朗読の後は、現在の政治状況、そして中田厚仁さんが殺害された場所にできた『ナカタアツヒト学校(アツスクール)』の現状についてお話ししました。

 絵本セラピストの方が感極まって泣き出すほど感情を込めて読んでくださったこともあり、参加者の方々もとても熱心に参加して下さり、50冊以上用意した絵本も完売でした。

 まずはリクエストがあった教科書が買えない子どもたちへのサポートや文字の判別が難しいほど古くなった各教室の黒板をホワイトボードに替えるなどの資金に使わせて頂きます。絵本は1冊1000円(送料は10冊まで360円)で販売させて頂いています。ご希望の方は阪口直人(sakaguchi-naoto@nifty.com)までご連絡ください。

午後の会場では、お疲れ様でしたと参加者からカーネーションの花束を頂きました。母の日にカーネーションをもらったのは初めてです!

 明日15日には岐阜市でも同様の機会を作りました。吉野克弘氏が行っている心理学勉強会の中でお話しさせて頂きます。


 日時:5月15日(水) 10:30~12:00

 場所:岐阜市琴塚2-8-5 高畑建設敷地内(4つある建物の中の右奥の建物です)

 移動式建物になっており、高畑建設の駐車場の駐車可能です。















『原発の是非を問う国民投票』を野党の共通政策に!

2019年05月03日 16時25分32秒 | 政治

 このGWは、政策の勉強として、数多くの本を読むことにしています。『原発国民投票をしよう!-原発再稼働と憲法改正(飯田泰士著 えにし書房)』という本を読んでいたら、安倍総理に対して原発の是非を問う諮問型国民投票の実施について問いかけた衆議院予算委員会での私の質疑(2014 年2月3日)が詳しく引用され、この本はまさに私の質疑をベースに国民投票の在り方や、安倍総理の答弁の矛盾点について法学的な原則を踏まえた検証がされていることがわかりました。思いがけず自分の名前が出てきたので驚きましたが、興味深く読み終えました。

 私自身は、東日本大震災に伴う原発事故の被災地に何度も入ってヒアリングやボランティア活動を続けた結果、私たちが原発を完全に制御する術を持たない以上、原発に依存したエネルギー政策は改めるべきとの考えに立ちます。そして、全国民の生命、そして未来を大きく左右する原発政策については、国民ひとりひとりが熟考し、それぞれの場合のメリットとデメリットを理解した上で、自ら一票を投じて未来を選択する。このような機会を作る政治の挑戦があっても良いのではと考え、原発の是非を問う国民投票の実施について提案をしました。人を選ぶ選挙とは異なり、ひとつの政策について様々な角度から検討し、議論し、自らの判断で投票する国民投票は、国民の政治参加の意識を高め、民主主義を鍛える効果があることが、諸外国においても実証されているからです。

 ところが安倍総理は、国民に選ばれた国会議員が政策の決定を国民投票に委ねることは、自らの責任を放棄する危険性につながるとの答弁でした。エネルギー政策については、専門的知識や深い洞察が必要であり、各選挙区で国民によって選ばれた議員が、国会において議論をしながら判断していくべきというのが、予算委員会で示された安倍総理の基本的な考え方です。

 国民の代表として、たゆまぬ自己研鑽によってより深い知識と洞察力を磨き、国会での議論によって政策をより良いものにしていくのが議員の責任であることには異論はありません。しかし、本当に、専門的な知識と洞察だけが判断基準なのか?電力会社から多額の政治献金を得ている国会議員も沢山います。私が質問した日の朝日新聞1面には、原発を抱える各電力会社は、2006年以降、原発再稼働を主導する甘利明経済再生相のパーティー券を水面下で分担して購入してきたことが分かったと報道されていました。平均的な年間購入額は数百万円とみられ、各社の1回あたりの購入額を政治資金規正法上の報告義務がない20万円以下に抑えるという法律の抜け道を利用し、資金源の表面化を防ぐ狡猾な方法です。

 また、憲法改正は国民投票によって決まりますが、安倍総理が言うように国民はエネルギー政策については専門知識や洞察は持っていないとした場合、では、憲法については専門知識や洞察力を持っているのか?何を根拠にそのように判断し得るのか?という矛盾が露呈することになります。

 民主主義が完璧な制度とは思いませんが、自分たちの未来を自分たちで真剣に考え、議論することは、民主主義の可能性を引き出すことにつながります。私は、情報が十分に開示され、権力によって不当な圧力をかけられたり情報操作されることがなければ、日本国民はより良い判断をする知性を持っていると考える立場を取ります。

 私は、民主党政権下でこそ、原発の是非を問う国民投票を行うべきであり、その実現のために自分に何ができるかを考え続けていました。当時の民主党政権は、国民への約束であるマニフェストの実現が十分にできていないこと、政権交代時には触れていなかった消費税増税を行う方向であること、また震災時の原発事故対応などについて大きな批判を受けていました。そうならざるを得ない困難な事情もありましたが、「政権交代に期待した国民の声が伝わっていない」という厳しい声が多く寄せられていました。当時、報道各社の調査では原発の未来を国民投票で問うことについては過半数を大きく超える支持が示されていました。
 
 原発の是非を問う国民投票という国民が望む政策を、文字通り国民参加型で行うことで、政権交代に期待した人々の思いに応える可能性を見出せるのではと考えました。

 従って私は、まずはこの方向で全力投球すると宣言し、首相を選ぶ民主党の代表選では私の提案を受け入れてくれる候補者を応援することを決め、2012年の代表選を前にした9月には、国会内で代表選挙の候補者の方々にも参加してもらって中高生を招いての討論会を行いました。代表選挙の結果、民主党政権では実現できないことがわかったので、当時、脱原発の急先鋒であった橋下徹代表が率い、大阪都構想を住民投票により実現することを目指していた日本維新の会と民主党が連携して実施できないものかと新たな可能性を探りました。
 
 再び自民党政権になり、チャンスが遠のいたかに見えましたが、細川護熙元首相と小泉純一郎元首相が脱原発を掲げて臨んだ東京都知事選挙が行われていたこの機を逃してはならないとの思いで予算委員会での質問になったのでした。その後、日本維新の会は原発輸出に関する考え方の違いで分裂。私も議席を失いましたが、次の国政選挙では、野党勢力の共通の公約として、原発の是非を問う国民投票の実施を掲げ、国民とともにストーリーを描いていく戦略で臨んで欲しいと思います。特に立憲民主党には期待しています。

 これまでにブログなどで発信していた原発の是非を問う国民投票実現に向けての私の取り組みについて、添付しておきます。

予算委員会で原発政策などについて安倍総理に質問
2014年02月03日
https://blog.goo.ne.jp/xday0321/e/5319b8b7442bb47971359adf8b274539

① 民主党代表選挙-『国民投票』実施を約束してくれた候補を支援
2012年09月12日 23時52分00秒 | 政治
https://blog.goo.ne.jp/xday0321/e/0cdd4261de51a181bb4c7aac44418793

② 大切なことは国民投票で決めていいのか!?中高生ディスカッション

2012年09月01日 23時57分05秒 | 政治
https://blog.goo.ne.jp/xday0321/m/201209

④ 大切なことは『国民投票』で決めよう!-原発、そして日本の未来について中高生が国会で議論します
2012年08月23日 13時53分11秒 | 政治

https://blog.goo.ne.jp/xday0321/e/80e6d7e648894d32369bca7881ba1229

⑤ 原発の在り方を問う「国民投票」を!
2012年07月15日 01時29分10秒 | 政治

https://blog.goo.ne.jp/xday0321/e/6e201a08d599e2f216ff793ec63ff2e5

⑥ 未来のエネルギー政策における原発の在り方を問う「国民投票」を
2012年05月31日 19時11分09秒 | 政治

https://blog.goo.ne.jp/xday0321/m/201205









衆議院議員・阪口直人が主人公の小説『大接近2020』が出版されました

2019年05月01日 22時59分39秒 | 政治

 今日から令和が始まりました。GWはできる限り読書をしたいと考えていますが、衆議院議員・阪口直人が主人公の小説『大接近2020』がアマゾンから電子出版されました。

 人類滅亡の危機が迫った時、政治に何ができるのか?政治家はどのような心構えで未曽有の難局に立ち向かうべきなのか?そんな問いを自分自身に投げかけながら、あっという間に読んでしまいました。

 人類を脅かす太陽系の惑星ニビルの接近によって、甚大な自然災害が頻発する地球。情報を独占し、我先にと逃げ出そうとする権力者や大国の指導者に対して、日本が進むべき道はどうあるべきかという問いに、痛快なラストの展開は明確にあるべき方向性を示しているように思います。

 宇宙規模に展開するストーリー。ダイナミックな発想力で読者を惹きつける筆力は圧巻です。火星に巨大な宇宙船を作って移住し、人類の絶滅を防ぐという大義で自分たちだけは助かろうとする米国大統領の目論見は無惨な結末を迎えます。一方、自分たちは地球にとどまり、より多くの普通の日本人や、世界中の、特に発展途上国の人々が身を守れる方法を考え出し、産業界も巻き込んで奔走した主人公、そして仲間が人類の未来への可能性を切り拓いていくというラストにも希望を感じます。

 政治家というのは本来、無私の心で、人種や貧富の差に関係なくみんなの未来を守るのがそのミッション。そして、より弱い側に寄り添い、声なき声を聞く共感力が特に重要だと思います。主人公の阪口直人衆議院議員は、そのような優れた資質と人間性を持った人物として、あるべき政治家像を示しているようにも思います。

 …とここまで書いていて、大変面映ゆく思うのは、気鋭の小説家でもある作者の瀬比亜零氏は、実は小学校時代の友人で、このストーリーはどうやら私をモデルに書いたものだからです。このストーリーは2年前、41年ぶりに再会した時に着想したとのこと。思い出話に花を咲かせただけの飲み会がこのような果実を生み出すことになりました。

 私自身がモデルに相応しいかどうかは、これからの人生、そして政治活動において答を出していかねばと少なからずプレッシャーも感じています。一方、地球の救世主になれるか否かという活躍をする割には、友人たちに引き摺られるように関西のおっちゃん然としたキャラクターとして描かれています。自分たちだけが助かろうとする権力者たちが独占していた情報を知ってしまったゆえに陰謀に巻き込まれ、2度にわたって襲撃を受けて一度は女性のボディガードに助けてもらうなど、颯爽としたカリスマ政治家からは程遠いキャラクターです。個人的には納得できないところではありますが、信念を貫く粘り強さなど、この主人公から学ぶことは多々ありました。

 瀬比亜零氏は2014年に『ブレークダウン』という作品を出版しています。巨大彗星の襲来とオゾン層の破壊によって地球が滅亡する危機に立ち向かう主人公は、坂口直友という内閣総理大臣。自転車に乗って人々と対話を続けるスタイルを含め、彼も私にとても良く似たキャラクターです。地球の危機に指導力を発揮する総理大臣の姿を通して、人としての真価が問われる局面での生き方について問題提起する小説です。経済発展至上主義がもたらす代償は未来の世代が払わなくてはならないと現実に警鐘を鳴らしているこの作品は、『大接近2020』とは姉妹作品として読むことも可能です。

 『ブレークダウン』を書いている時点では40年近く瀬比氏とは接点がなかったのですが、彼は私のブログや著作を読み込んだ上で、役作りをしてくれたようです。全く取材を受けたわけではなく、内容について事前に知らされていたわけではないので、こちらも瀬比亜零氏の創作です。

 どうやら、今後の作品にも私をモデルとしたキャラクターを登場させるべく、構想を練っていくようです。「次はもっとカッコ良く書いてね」と言う言葉を呑み込み、新たに想像力、構想力をインスパイアする政治家にならねばと自分を奮い立たせているところです。次回は、私の専門分野である平和構築や人道支援などの分野にもフィールドを広げるとのこと。楽しみに待つことにしましょう。

 『大接近2020』には、主人公が人類全体を救いたいとの考えを持つに至った経験として、私の著書『心にかける橋(学陽書房)』の文章が数多く引用されています。1992~1993年にかけて国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)において、実質は内戦状態だったカンボジアで平和構築に奔走した当時の仲間も沢山登場します。活動中に襲撃を受けて亡くなった中田厚仁氏、私の通訳だったソバーン氏も登場します。ソバーン氏は、現在は災害対策委員会というカンボジア政府機関の高官になっていて、まさに、カンボジア人の生活を災害から守るために活躍しています。

 現実の人間の営みと、地球規模、宇宙規模の世界がダイナミックに交錯する世界を描く気鋭の作家・瀬比亜零氏からは今後も目が離せそうもありません。








下記は『大接近2020』に登場する実在の人物の写真です。

国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)の一員としてカンボジア・ラタナキリ州で活動する阪口直人


阪口直人の通訳だったソバーン


UNTACでの活動中に銃撃を受け殉職した中田厚仁


クメール語の先生だったポーリン


23歳の校長先生、キャサリン