昨日の臨時党大会では菅直人総理が再選を果たしました。この結果を受けた私の決意を書こうと思います。
民主党の場合、自民党のような派閥がありませんが、私は先輩議員も含めた議員同士のネットワークをつくる意味ではグループに参加する意義があると考え、いくつかのグループや勉強会に参加しています。そのひとつが「小沢グループ」のひとつ、「一新会倶楽部」です。政治活動の原点は徹底的に地域を歩き、地元の方々との対話を重ねること-そんな基本を叩き込んで頂きました。一方で、若手中心に政策についての自由闊達な議論を行い、自分たちの中からリーダーを生み出そうとするグループの会にも積極的に参加しています。対極的なグループに属することで、自分自身の政治家としての可能性が広がると考えています。
一方で、このようなスタンスでいると、ひとたび代表選挙になれば立場は大変難しいものになります。義理人情も大切なことですから相当に悩みましたが、熟慮を重ねた上で菅総理を支持することにしました。その理由はすでに書いたので繰り返しませんが、私の中で次第に大きくなったのは、
「ひとりひとりが政治家としての自立を果たすことが民主党を強くする」という確信です。
路上で、畑の中で、またこのブログにおいても小沢さんへの期待を沢山いただきました。
「一遍小沢さんにやってもらいたいんよ」「今こそ、強いリーダーシップを!」「政策も小沢さんの方がずっとええこと言っちゃあらよ」
それ自体は民主党の議員として本当に嬉しいことです。また、菅さんではダメ。小沢さんに投票しないと、次の選挙は応援しないというメールや電話も多数いただきました。
しかし、誰が総理になったとしても、今、日本が直面している問題をすぐに解決できる特効薬などありません。
そんな現状を踏まえ、「剛腕・小沢一郎」に引っ張ってもらうことに期待するのか、それとも、新人議員を含む我々全員が、それぞれの専門性や問題意識に基づいて現状打開への覚悟を持って闘うのか、どちらが日本の未来にとって良いのか判断することが私にとっての選択の基準になっていったような気がします。
「1年生議員の最大の仕事は2年生になることだ!」そんな小沢さんの温情は有難いことだと思います。小沢さんの体制なら、より気兼ねなく、地元活動の時間を取れたかもしれません。しかし私たちは、小選挙区ごとに考えると平均40万人あまりの人口から選ばれた代表ですから、新人もベテランも関係なく最大限仕事をすることが国民への責任の果たし方だと思います。
このブログにも書きましたが、選挙戦の中盤、菅さんを囲んでの会がありました。私は「総理、聞いてください」と切り出し、様々な専門分野を持ち、平均数万軒を歩いて地元の声を聞き、国民の代表として選ばれた新人議員の能力を最大限活かせる体制に変えることこそ国民への責任ですと強く訴えました。鋭い表情で聞いていた菅さんが、自分の新人時代の話-社民連というたった5人の政党で、丸山ワクチンの認可を求める活動などを通して官僚の既得権益に風穴を開けた経験を熱く語り始めました。「そうなんだよ! 俺は首相直轄の100の特命チームを作って400人全員参加でやりたいんだ!」わが意を得たりとばかりパッと輝いた総理の顔は、大変印象深いものでした。
その日以降、菅さんの演説の中に、議員全員の力を最大限活かせる民主党に進化させることを約束した言葉が入るようになりました。
私は、一番機能する集団は「行動する小集団」だと思っています。ピーター・ドラッガーによれば、人類が最初に作った集団は狩りをするための集団だったそうです。獲物を待ち伏せ、追い込み、仕留め、解体する。その作業はそれぞれが役割を責任もって果たし、全員が頭と体をフル回転させ、ひとり三役も四役も果たすことで遥かに大きな集団にも立ち向かうことができるのです。そして、ほとんどの民主党の議員はそんな戦略で選挙を闘い、勝ってきたはずです。
私は、決して反小沢ではありません。小沢一郎という政治家の類まれな先見性や改革者としてのビジョンを評価し、尊敬するひとりです。また、閉塞感の広がる社会ですから、強いリーダーシップで閉塞感を打開できるリーダーに期待する気持ちもよく分かります。しかし、今は、一人一人の国会議員、いや全ての日本人が知恵を出し切り、行動することでしか、私たちが直面している問題は解決できないと思っています。
"Ask not what your country can do for you; ask what you can do for your country."(「国家に何を求めるかではなく、国家のために何ができるかを考えようではないか」)
1961年、J・F・ケネディが米国大統領に就任した際の演説の有名な一節です。これは今、国民一人一人に問われている課題であり、国民の代表である我々国会議員にとっては全員が共有すべき使命だと思います。
日本が置かれた厳しい状況を考えると政権与党・民主党の議員にとって一刻の猶予もありません。400人を超える民主党所属の国会議員全員が参加する政権運営、ひとりひとりがキープレーヤーになる政治を目指し、日本国の運営に関わっていく責任と自覚を持って日々の活動に臨む決意です。
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