阪口直人の「心にかける橋」

衆議院議員としての政治活動や、専門分野の平和構築活動、また、趣味や日常生活についてもメッセージを発信します。

国民の不安に向き合うのが政治の役割ー不都合な事実から目を背けるな

2019年06月20日 22時58分23秒 | 政治

 明日は立憲民主党枝野幸男代表を岐阜県に招いての演説会を行います。今日は明日の告知を目的に、梅村慎一参議院候補予定者とともに街頭演説を行いました。

 日時:6月21日(金) 開演:18時45分
 場所:岐阜市文化センター 小劇場

 私は2007年の第一次安倍政権での5000万件もの『消えた年金』を例に挙げ、野党であっても政策を実現できることをお話ししました。安倍政権は12年前も「国民を不安にさせる」ことを理由に情報開示を拒みましたが、国民の激しい怒りが当時の民主党を後押しし、参議院選挙で勝たせて頂きました。与野党を超えてこの問題に取り組む状況を作り出し、3000万件余りが明らかになった結果、2兆6000億円もの年金を本来受け取るべき方々にお支払いすることができました。

 国民生活の実態を見ようとしない安倍政権。国民の不安と向き合う政治に変えさせるためにも、国会でまっとうな議論が成り立つ議席を得られるように頑張らなくてはなりません。

 先日路上で聞いたのは子どもたちの間では『スタンスが異なるので受け取らない』という言葉が流行っているらしいということです。誰だって自分のスタンスと異なる方針で悪い点数をつけられた成績表は受け取りたくないし、自分のスタンスと異なる人だからと借金の支払いを拒否できたら、こんな楽なことはありません。

 公的年金以外に2000万円の蓄えが必要とする金融庁の報告を、政府のスタンスと違うと受け取らない政府の対応に国民が不安を感じるのは当然です。しかし、私は、この問題の本質は、安倍政権が国民の不安の本質を見ようとしないこと、不都合な真実でもなかったことにすれば、それで事が済むと考える傲慢さだと思っています。

 そもそも年金制度が実質破綻しているのはとっくの昔にわかっていること。だからこそ、その事実に正面から立ち向かい、解決のために与野党を超えて知恵を絞る政治に変えていきましょう。








草の根民主主義のグローバルな連携を-香港200万人デモの衝撃

2019年06月20日 22時27分38秒 | 政治

『逃亡犯条例』改正案に対して200万人(主催者発表)の香港市民が反対の声をあげている。刑事事件の容疑者を中国本土に引き渡すことを可能にするこの条例は、香港返還時に中国が約束した高度な自治と一国二制度をないがしろにするものだ。

中国は国中に張り巡らせた監視カメラで、顔認証技術を使って国民を監視している。デモに参加するのは命懸けの行為でもあるが、その中で工夫を凝らし勇気ある行動を続ける香港市民には連帯の気持ちを伝えたいと思う。

香港のデモについては、台湾のひまわり学生運動、5年前の雨傘運動からの流れとして注目してきた。この条例は中国本土のみならず、台湾、香港におよぶ支配体制を作ろうとする試みだからだ。2014年3月、台湾と中国の経済自由化を促進するための『両岸サービス貿易協定』に反対する台湾のひまわり学生運動に参加した時は、市民と一体になってのモラルの高い運動に感銘を受けた。何より驚いたのは学生たちのモラルの高さ。人々に埋め尽くされた路上にはゴミ一つなく、あちこちで分別を呼び掛ける学生たちによって、路上はデモの前以上にきれいに清掃されていた。座り込みをしながらも一生懸命本を読む学生も多く、私がインタビューした学生の中には医学書を読む医大生のグループもいた。「台湾を救うためにここにいるのだ」との高揚感が伝わってきた。

https://blog.goo.ne.jp/xday0321/e/7036e99fc01e223c5793a2a34c8716ed(『若いハートが変える社会ー台湾のひまわり学生運動から改めて学ぶ』)

市民による草の根運動は国際的に相互に連携し、様々な学びを得てきた。人口約750万人の香港の人口のうち200万人が参加している事実は重い。アメリカやEUなどが懸念を表明する一方で、日本は沈黙を守ったままなのも情けない限りだ。

林鄭月娥行政長官は市民の理解が得られない限り改正作業を再開しないと表明したが撤回しない限り市民は納得しないだろう。しかし、行政長官自身には撤回も辞任もする権限もないのが現実だ。市民が実質的に中国の政治を動かす様子を見られるとすれば画期的なことだし、まさに草の根民主主義の勝利である。私たちも市民の力を信じ、草の根民主主義を掲げる世界各国の勢力とも連携し合って理想の社会を目指していきたい。

写真はJorge Silva/Reuters(最初の1枚)、South China Morning Post(2枚目、3枚目)から引用