朝6時45分、キャンプ場のある川の流れを見ながら和定食の朝食。
7時30分出発。
今日は今回の大目玉、穴禅定体験ができる別格3番慈眼寺から始まる。
上勝町正木の集落より山道を登った石灰岩質の山腹にある。
上勝町はひな祭りで有名な町だそうで、日本全国から集められたお雛様を、
百段飾りやピラミットがたに飾る会館があり、2月~3月はにぎわうそうだ。
会館のほかにも各個人の家にもいろんなお雛様が飾られ、主人はこの時期
仕事を休んで見物客の接待に励むとか…
そんな話を聞きながら30分ばかりバスで走り、慈眼寺着。
慈眼寺は岩山の山頂近くに建てられており、本堂の裏手に岩山の絶壁が迫り、
いかにも厳しい修行の寺と言った風情である。
この岩山の山中に弘法大師が零示を受け発見したと言う鍾乳洞があり、
そこでの穴禅定と言う修行があり、今日の最大の体験場所。
本堂からさらに15分ほど歩き、世界一狭い通り道…といわれる鍾乳洞に入る。
荷物は一切持たず、寺で借りた白衣を着、その紐でさえ前で結ぶと
通れないから横で結ぶようにという特別の先達さんの注意がある。
以前、うっかりだろうが携帯を持って入った人がいて、そこが閊えて
出るまでに2時間以上かかった人があるという。
我がツアーの一人も厚着をしていて2枚脱ぐように注意された(^_-)-☆
いよいよ鉄柵の扉をくぐり洞内へ。
入口の置き時計が8時55分を示している。ここで眼鏡も外すように言われる。
蝋燭1本ずつ左手に持ち(進行方向に持つ)先達のおばさんの言うとおりに
身体を動かす。
「頭を出して腰をひく」「腹ばいになる」「右足をあげて左足を抜く」…などなど
身体を柔らかくリラックスさせないと閊えてしまうし、後ろの人が動けなくなる。
所々でおばさんが一人ずつに停まって注意しながら誘導してくれる。
蝋燭も時々消えて後ろか前の人の火を貰うこともたびたび(^_-)-☆
寺伝によれば平安時代初期の延暦年間(782年 - 805年)四国を巡錫中の
空海が、邪気の漂う不思議な鍾乳洞を発見し、洞窟の入口で数日間、
加持祈祷を行ったところ悪龍が洞窟より出て空海を襲った。
空海は法力で悪龍を洞窟の壁に封じ込めた。
その伝えどうりに洞窟の終点には龍の爪型や、牙らしき鍾乳石もあり、
壇上には19歳の空海の像が祭られている。
そこで個人の蝋燭は消し、祈願の灯明を上げると何とも言えない
荘厳な景色になる。
一同でお経をあげるのだが、経本を持たないで入っているから口パクで
付いて行く。
来た道を引っ返すが、途中1ヶ所行きに通った所の下を四つん這いになって
くぐる所もある。
足元には丸太が敷かれて整備されており、この通路を作ってくれた先人の
苦労はいかばかりと感謝の気持ちがおのずと湧く。
約1時間30分後にお堂の外に… 洞内の気温は13度で外に出ると
空気が冷たい。
何とも不思議な貴重な世界を体験したという達成感を味わう<m(__)m>
もちろん写真など1枚もなし…
寺からしばらくバスで戻ると灌頂の滝がある。
岩山の頂上付近から細い一条の滝が100m以上の高さで落下している。
水量が少なく落下の途中で霧となり霧散してい、少し歩いて登ると
霧雨の中を歩いているようだった。
ちなみに禅定、灌頂(かんじょう)ともに仏教用語で、禅定は心を静めて
1つの対象に集中する宗教的な瞑想、またはその心の状態とあり、
灌頂は頭に水を注ぐこととある。
頭から水を注いでもらって、ふもとの清水を頂いて11時半バスに戻る。
ここから勝浦町のふれあいの里までバスで約30分。
ここで思わぬハプニングが…
小さなトンネルが途中にあり、高さ制限が3.1メートル。
中型ながらバスの後部が高くなっており、すれすれみたいで添乗員さんが
バスから降り、微妙な高さを確認しながらソロリソロリと無事に通過。
思わずバスの中に拍手が起こる(^_-)-☆
急な坂を下り廃校跡のふれあいの里へ…辺りは棚田があちこちに…
写真はお借りしました。この坂本小学校は、明治7年に創立された
歴史ある学校だが、その歴史に幕を下ろしたのは平成11年のことだそうだ。
そして平成14年3月3日に「ふれあいの里 さかもと」新たなスタート。
運営にあたっているのは、地元有志17人とか…
玄関をはいるとからすうりの実がぶら下がったクリスマスツリーが!
ここのお母さんたちが作ってくださった素朴な田舎料理、山菜川魚、蒟蒻など…
美味しかったな~うつわも懐かしい感じの器でね!
食後のコーヒーまで頂いて、20番鶴林寺へ…
深山の古刹。山門の仁王さんは運慶作とか。
空海が修行中、2羽の鶴が金の地蔵像をはこんできたという寺。
2時にバスに乗り15分後、水井橋という那珂川に架かる橋へ到着。
ここから約4、2キロの山道を21番太龍寺まで歩く。
結構な斜度の坂が緩む事無く続く。やがて山頂稜線が見えだし、
丁石の数字を楽しんだリ、恨んだりしながら登って行く。
出発して約2時間、太龍寺の山門が見え、早くも本堂には灯りが
ともってなおさら荘厳な気配。
夕べのお勤めも兼ねて今年最後のお経をあげ、皆で今年の無事を感謝して
ロープウェイで山を下りる。
太龍寺から高低差508m、全長2775mを結ぶ西日本屈指のロープウェイ。
101人乗りのゴンドラで、日が沈みかけた360度の大パノラマをみながら
急斜面をドンと滑り降りるスリルも迫力。山の稜線が綺麗!
遍路3回目、今年最後の遍路で来年は2月末の4回目まで、
しばらくみんなとご無沙汰のお別れをして帰路へ。渋滞もあり10時前の帰宅。