毎日の暑さに閉口しています。
お元気にお過ごしでしょうか?外に出ると危険を感じる毎日です。
今日も遠くで少し雷の音を聞いただけで、雨は全く降りません。
運動(たかが3000歩く)ことすら実行できない日を過ごしています。
幸い住まいの建物に図書館があるので、時々出かけて息抜きをしています。
先日借りてきた本の1冊です。
明治時代の大逆事件に連座して刑死した医師の大石誠之助(1867~1911)が主人公。
埋もれた歴史や現代日本にも通じる国家権力の危うさに光を当てた物語。
日露戦争まっただ中の1904年、紀州・新宮に一軒の食堂「太平洋食堂」が開店した。主人は「ドクトル(毒取る)」と地元の人に慕われた大石誠之助。米国留学の経験があり、非戦論や公娼(こうしょう)廃止を唱え、貧しい人を無料で診察するかたわら新聞などに寄稿した。リアリストである誠之助は、幸徳秋水、堺利彦らと交流を深めたことで、「主義者」として国家に監視されるようになる。
誠之助は国家権力によるでっち上げで死んだ。
適用されたのは、当時の刑法にあった大逆罪。
柳さんは、2017年施行の「共謀罪」法との類似点を指摘する。
「刑法は過去に起きたものに対して適用されるはずなのに、未来形の段階で罪に踏み込むとどうなるのか。
エンタメ小説を読んだ副産物として、考えてもらえれば」
作中、「大逆事件」という言葉は使っていない。事件関係者とラベルを貼ることで、特殊な世界に見えてしまう懸念からだ。誠之助は、目の前の飢えた母子を真っ先に考え、意見し続けた。その姿は哲学者のソクラテスと「似ている」と柳さん。両者とも若者たちに持論を説き、国家の転覆や革命を志していなかったにもかかわらず処刑された。そんな誠之助を「ヒーロー像として提示したかった」と語った。(宮田裕介)=朝日新聞2020年2月12日掲載
社会主義、国家、共謀罪…などむつかしいことは分からないままに、夢中で読んでしまう大石誠之助の新宮での人とのかかわり方、子供たちとのかかわりのユーモアがあって分かりやすい生き方にひかれた。
歴史で学んだ人たちの名前、幅の広い交流、難しいところは居眠りをしながら読み進むが、大きな発見があった。
誠之助は若いころアメリカに長くいたため語学は堪能である。そのうえもともと耳が良い。語学や音楽の才能は音感が関係するらしい。
・・・ というところで改めて自分自身を振り返り妙に納得したことがある。そうなん!自分には音感がない、音痴だということは自他ともに認めているが、遊び半分ながら中国語に長くかかわってきた…なのに
そのことを正当化するわけではないが、ピンイン(4声発音)が苦手だ!
なるほど~
この本には読み過ぎた個所にもこんな同じようなことが書いてあった。
新宮には敬語がない…ここにも生まれ育った大阪泉州の、どちらかというと、和歌山に近い地方の言葉使いがなつかしかった。
気軽く手にした1冊を借りてきたのだが…フムフム~
楽しく読み進むうちに主義の話が出てきて、難しかったが、あまり選ばないジャンルの本で、ある意味楽しく読んだ1冊だ。
過ぎた時代の話として読み過ごすのではなく、知っておく必要のある話として暑い日中を読んで過ごす日々だ。
それと、近頃知り合いになった宇治のお茶つくりの方とのつながりで、
『お抹茶のすべて』という1冊も借りてきました。
耳慣れない碾茶というお茶を知ったこと、お茶の歴史にも思いをはせて
暑い夏を過ごしている日々です。
抹茶にひく前の茶葉を手摘みで摘み、手間暇かけて抹茶となるのは
わずか5パーセント…いろんな世界を知ることができた夏です。