博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『建国大業』

2009年10月25日 | 映画
『建国大業』

中華人民共和国建国60周年記念映画ということで先月から公開されている本作、見たい見たいと思いつつやっとこさDVDを入手しました。日中戦争終結直後から1949年10月1日の建国宣言までを描いてますが、全体としては大河ドラマのダイジェストを見ているような感じでしたね。

注目されるのは豪華キャスト陣。近年毛沢東専業役者として多くの近現代史物に出演している唐国強、蒋介石役の張国立をはじめとして、私が確認できただけで許晴・陳坤・李連杰・孫紅雷・陳凱歌・黄聖依・陳好・黄暁明・アンディさん・ドニーさん・胡軍・陳道明・劉・佟大為・章子怡といった錚々たるメンバーが出演してます。しかしその多くが兵士Aとか婦人代表Bみたいな端役で出演しているので、うっかりよそ見すると見逃してしまいそうです。

こんな具合に、北京五輪の時と同様、今回の国策映画に動員というか奉仕させられているメンバーを茶でも飲みながら逐一チェックしてニヤつくというのが本作の正しい鑑賞の仕方なのかもしれません(^^;)

これ以外に気がついたことをピックアップすると、中国民主同盟など共産党・国民党以外の第三勢力の動きにかなり間尺を割いていますね。まあ要するに「多様な勢力に支持される共産党」というのを強調したかったんだろうなあと。これに関連して、中国民主同盟のメンバーで国民党側に暗殺された聞一多先生も登場してます。専門柄古史研究者・詩人というイメージが強かったのですが、文人学者である前に政治運動家だったわけですね……

これも広い意味では第三勢力に入るのかもしれませんが、許晴演じる宋慶齡も別格の扱いですね。作中では毛沢東のことを字で「潤之」と呼んでいましたが、当時本当にこんな風に呼んでいたのでしょうか?ちなみに他の人は「主席」とか遠慮気味に「潤公」などと呼んでました。あと、台湾に引っ込む際に蒋介石が「南北朝の再現を望まない」という旨の発言をするのも気になったところ。

この辺の時代に詳しい人ならご飯3杯分ぐらいは軽くツッコめる作品ではないかと。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『白銀帝国』

2009年09月26日 | 映画
先月北京の地下鉄のモニターで宣伝を見て以来気になってた『白銀帝国』ですが、やっとこさDVDを入手。

時は義和団の乱の真っただ中、(ただし義和団の乱や八カ国連合軍進駐自体は直接は描かれません)舞台となるのは山西省の銀商の総元締め「天成元」ですが、戦乱の中にあっても実入りの良い商売を営んでいます。「天成元」の当主康老爺(これを張鉄林が演じてます)には四人の男子がありましたが、まず四男坊が娶ったばかりの嫁を誘拐・殺害されて発狂。後継者候補として最有力であった次男はこの四男の嫁を捜索中に事故によって不具の身となり、康家に一気に不幸が押し寄せます。

で、残った男子のうち長男は元々聾唖の身で家を継げず、結局遊蕩三昧の三男康三爺(これを郭富城(アーロン・クォック)が演じてます)が後継者として指名されることに。

この康三爺、実は父親が後添えとして娶った杜筠清(郝蕾が演じてます)とかつて恋仲であり、彼女との結婚が果たせなかったことが原因で身を持ち崩していたのでありました。「天成元」の次期当主となった彼は心を入れ替え、新しい時代に合った商売を展開しようとしますが、そんな彼にも時代の荒波が容赦なく襲いかかり……

この作品、成一の『白銀谷』という小説が原作で、ドラマ版も制作されているとのこと。ドラマ版の概要についてはサイト『古装劇場』のレビューが丁寧にまとめているので、そちらを参照していただくと……

『白銀谷』:『古装劇場』 

何か思いっ切りドラマ版の方が面白そうなんですが(^^;) 映画の方は……主人公が何だかよく分からない事情でゴビ砂漠をうろついたりしているのが良くなかったのかなあと。あの辺を削って康家の様子とか商売の話に力を入れて描写していたらもっと重厚な話になったと思うのですが。

あとは康三爺が愛国を叫んで民衆を動員するというようなシーンが無くて安心しました(^^;) 宣伝を見た限りはそういう雰囲気の作品だったんで……
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『大内密探霊霊狗』

2009年09月06日 | 映画
『大内密探霊霊狗』

王晶(バリー・ウォン)の新作映画で、宮廷007物です。宮廷007物というのは、周星馳の『008 皇帝ミッション』とか『決戦紫禁城』とか、その類の作品ですね。

内容の方はと言えば、宮廷で皇帝の1人娘彩雲公主の婿をめぐって比武招親が行われることになり、4人の外国の王子が婿候補のはずが、なぜか古天楽(ルイス・クー)演じる御前侍衛の霊霊狗と佟大為演じる霊霊虎(御前侍衛は全部で12人いて、それぞれ十二支にちなんだコードネームがついている。)も参加することになります。

で、この比武招親に皇位簒奪を企む寵姫・西宮娘娘の一族や、倭寇と結託してやっぱり皇帝暗殺を企む太監の曹仁超(これを樊少皇が演じています。)、更にその曹仁超を仇と付け狙う袁若男らの思惑が絡んできて……と、王晶お得意の筋が入り組んでいるようで実は入り組んでないハチャメチャストーリーに仕上がっています。

主役の霊霊狗は武術よりも発明が得意という設定で、気球やら軟猬甲やらロボットやら様々な珍兵器を発明しますが、この辺はマンマ『008 皇帝ミッション』だなあと…… あと、それなりにバリューがあるはずのヒロイン役徐熙媛(バービー・スー)がちゃんとお笑いシーンを演じているのがすばらしい(^^;)

『雪山飛狐』以来ドラマ作品がパッとしない状態が続いていた王晶ですが、映画ではこういう普通に楽しめるお笑い大作を撮っているのを見ると、もう一度映画に専念した方がいいんじゃないかと思ってしまいます。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ラスト、コーション』

2009年07月25日 | 映画
今頃は大幇会で盛り上がってる頃でしょうか。こちらは前に書いた通り明日朝から予定が入っているので今回は不参加です。申し訳ない!

で、昨日は日帰りで福井に行って来たのですが、その旅行記を書く気力が湧かないので、TSUTAYAで会員カードの更新料と引き替えに借りてきた『ラスト、コーション』(原題『色|戒』)の感想を簡潔に。

実はこの映画の原作となった張愛玲の小説を前に読んだことがあるのですが、たったあれだけの短編をネタにここまで妄想を膨らませるとは、李安監督は変態に違いない、『グリーンデスティニー』も氏の奔放な妄想力の賜物であったのかと納得した次第(^^;)

後はまあ、「抗日のお題目さえ立てておけば何をやっても大陸での公開は問題ないんやね!」と氏が開き直ったとしか。(実際は映像が7分間短縮されたりと、問題大有りだったわけですが……)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『功夫厨神』

2009年07月03日 | 映画
たまたま近所の量販店でDVDをゲットし、『功夫厨神』を鑑賞。日本では『カンフーシェフ』というタイトルで春頃に公開されたようですが、大陸ではこの夏公開とのこと。

甥の黄継祖(樊少皇)が仕掛けた陰謀によって村長の地位と伝説の包丁「龍頭刀」を奪われ、村を追われることになった黄秉義(サモ・ハン)。取り敢えず沈青(応采児)・沈(加護亜依)姉妹が経営するレストラン「四海一品」に身を寄せたところ、たまたま店にやって来た龍健一(ヴァネス・ウー)に料理人としての素質を見出し、弟子として仕込むことに。しかしレストランの経営が軌道に乗りかけたところで黄継祖が手下を送り込み、営業を妨害。「四海一品」の面々は厨神大会に参加し、店の名を挙げて客足を取り戻そうとしますが……

龍健一が卒業した学校というのは武術学校じゃなくて料理学校だったのかよ!とか、「龍頭刀」がまるで『中華一番』の伝説の厨具みたいだとか(下の画像参照)、途中で一瞬だけ出て来た村人たちは一体何だったのかとか、身を切られても気付かずに水槽で泳ぐ魚って、『包丁人味平』かよ!とか、とにかくサモ・ハンの動きが良すぎるだろうとか、様々なツッコミが「細けえことはいいんだよ!」とばかりに驀進する展開に紛れていつの間にか気にならなくなってくる痛快作(^^;)



しかし前回の厨神大会のチャンピオンがこの人↓というのは、ミスキャストのような気が……

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【ネタバレ】『赤壁 下』【上等】

2009年02月22日 | 映画
というわけで今日『赤壁』後編のDVDをゲット。以下思い切りネタバレモードで行きます。

今回は蒋幹が周瑜のもとを訪れる話やら孔明が曹操の軍から十万本の矢をいただく話が挿入され、このシリーズが一応『三国志』の映画であることを思い出させてくれました。しかし苦肉の策の話は黄蓋が一旦周瑜に提案するものの周瑜がこれを却下し、以後この話は無かったことに。一瞬これでいいのかという気になりましたが……

で、事前の予告通り孫尚香が兵士に化けて曹操の陣に潜り込んでスパイ活動に励んだり、小喬が曹操のもとに談判に行ったりと、女性陣が出ばってくるわけであります。孫尚香はうっかり曹操軍の千夫長と仲良くなって対応に困るという、「これって何の花木蘭?」ツッコみたくなる展開になりかけたのに笑いました(^^;) ただ、最後は残念ながらというか当然ながら、彼に正体を明かして結婚するというオチにはならないわけですが……

前半はこんな感じで呉軍の仕込みを中心に話が進み、いよいよ後半の戦争シーンでは戦艦がひたすら燃えて燃えて燃えまくります。ついでにこの時代に無かったはずの火薬もあちこちで炸裂してます。そういやこの間みたアンディ・ラウの『三国志』でも火薬が炸裂してましたなあ……

ラストは呉と劉備軍の面々が曹操を追い詰めるという展開で、華容道の場面は無かったことに…… 個人的に曹操が関羽に追い詰められて泣きべそをかく場面を楽しみにしていたというのに、どうしてくれよう!しかし小喬と周瑜を人質に取って曹操が実にイヤらしい笑みを浮かべるシーンを目にして何だかDVD代のモトを取った気になりました(^^;)

その他のツッコミ所……今回もサッカーの起源ということになっている蹴鞠をプレーしているシーンが。ほんでもってやっぱり今回も割とぞんざいに紙が使われてます。そして小喬がお茶を沸かすシーンが…… 吉川英治以来『三国志』とお茶は切っても切れない関係にあるということなんでしょうか。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『三国之見龍卸甲』

2009年02月15日 | 映画
関西幇会でアンディ・ラウ主演の『三国志』を見て来ました。

長坂陂の戦いで劉備の子を救ったことにより一兵卒から五虎大将の1人へと成り上がり、以後数々の常勝伝説を打ち立てた趙雲。(ここからして元の話と違いますが、ツッコまないで下さい(^^;) ) 老境に至ってなお北伐に従事し、同郷の兄貴分羅平安や配下の芝とともに曹操の孫娘曹嬰率いる大軍と対峙することになりますが……

というわけでアンディ・ラウ演じる趙雲と、彼の活躍の影で苦汁を舐めてきたサモ・ハン演じる羅平安との20年に渡る愛憎を描いていますが、思ったよりしっかりまとまった作品に仕上がっているなあという印象が。さして期待せずに見に行ったので、思わぬ拾い物という感じです。

でもやっぱりツッコミ所はしっかりチェックしてしまうわけです(^^;)

○F4のヴァネス・ウーが出演しているとのことですが、どの役を演じているのか分からず、一緒に見に行った人に確認してみたら、ろくすっぽ出番も無いまま戦死した関興の役とのこと。しかも戦死とは言ってもそういう場面が挿入されるわけでもなく、ただ台詞で語られるだけという有様……

○魏のスパイという設定ですが、スパイとしてさして役に立っているわけでもない羅平安。しかも見栄えのあるアクションシーンが割り当てられているわけではなく、なぜサモ・ハンがキャスティングされたのかよく分かりません……

○敵の大将曹嬰は曹操の孫娘という設定ですが、女性である必然性も孫である必然性も感じられず…… 曹操の娘(あるいは息子)ということでも全く問題なかったのではないかと。あるいは彼女が趙雲にツンデレ状態という設定のはずが、作品中ではツンの状態のみを描いてデレの状態を描き忘れたのではないかという説も(^^;)

○こういう外伝的な内容で『三国志』と邦題をつけるのはかなり問題があると思われ。元々『赤壁』の便乗作品っぽい所があるので、思い切って『レッドクリフ外伝』というタイトルにしても良かったと思います(^^;)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『梅蘭芳』

2009年01月04日 | 映画
こちらで正月映画として公開中の陳凱歌監督作。陳凱歌と言えば中国映画史上に残る珍作『無極』(『PROMISE』)が記憶に新しいところですが、今回はさすがに普通の文芸大作に仕上がっています(^^;)

黎明(レオン・ライ)が梅蘭芳を演じるということで話題になっていますが、それよりも私は孫紅雷演じる彼の支援者邱如白や、安藤政信演じる日本軍少佐の田中隆一の方が気になりました。ただし気になったのは役者さんの演技ではなく、その人生の軌跡であります。

まずは邱如白の人生の歩みから。(以下、思いっ切りネタバレしてます)

元々は西洋帰りの官吏だったが、少年時代の梅蘭芳の芸に惚れ込んで熱烈なファンとなる。

熱烈が高じて仕事を辞めてしまい、梅蘭芳と義兄弟の契りを交わしたうえに彼のマネージャーとなる。(でもこれって要するに「梅蘭芳に公演させたけりゃまず俺に話を通せ」っていうゴロですよね……)

彼と章子怡演じる孟小冬(この映画では新進の京劇の「男形」という役回り。彼女は実在の人物とのこと)との熱愛にやきもきしたり、欧米での公演に消極的な彼を説得して米国公演を按配したりと色々。

日本軍の侵攻に伴って梅蘭芳が芸を封印すると行き場を失い、仕方なく場末の茶館で他の女形の演技を見てはそのヘボさに心を苛つかせる毎日。

梅蘭芳は日本軍の公演要請を拒絶していたが、もう一度彼の舞台を見たいばかりに本人に無断で公演を承諾してしまい、彼を危地に陥れることに。(作品中では邱如白が「梅蘭芳が舞台から下りることは京劇の死を意味する」とか何とか理屈をこねてますが、要するに彼の舞台を見たいだけでは……)

ついで田中隆一少佐の半生。

軍人の父を亡くした直後に梅蘭芳の日本公演舞台を鑑賞。大ファンに。

軍人として中国に赴任。梅蘭芳とツーショットで写真を撮ってもらい、大喜び。

梅蘭芳の舞台を見たいばかりに「梅蘭芳は中国文化の精髄、梅蘭芳を征服すれば中国人の心をつかんだも同然!」と気乗り薄な上官に熱く訴えかけ、上海公演を計画するも、日本軍に利用されることを恐れた梅蘭芳はこれを拒絶。

上記の通り邱如白が無断で公演を承諾するも、梅蘭芳本人の意志と勘違いして公演をセッティング。

梅蘭芳は嫌がらせのように髭を生やして上海公演の記者会見に現れたり(これは実際にあったことらしい)、注射を打って公演当日に重病になったりしてサボタージュ。

上官が梅蘭芳を監禁・訊問。手荒なマネに及ばないかと冷や冷やして見守る。

あくまで梅蘭芳に公演をさせよという上官の命令と梅蘭芳の強い拒絶との間の板挟みとなり、ピストル自殺。

……我々はこの2人の人生の転落ぶりから、芸人に入れ込みすぎると一体どういうことになるかという教訓を読み取るべきなのでしょうか(^^;) ただ、邱如白についてはそんな人生に全く後悔していないようでありますが。
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『葉問』

2009年01月03日 | 映画
近所の量販店で甄子丹(ドニー・イェン)主演の『葉問』と陳凱歌監督の『梅蘭芳』のDVDをゲット。取り敢えず『葉問』から鑑賞。

舞台は1930年代の仏山。黄飛鴻以来の武術のメッカとして知られるこの地にあって葉問は最強のカンフーマスターとして知られていたが、彼は敢えて武術館を開いて弟子を取ろうとはせず、商売で平穏に身を立てようとしていた。しかし日本軍の侵攻はそんな彼の暮らしを一変させることとなり……

ということでドニーさんが詠春拳の達人でブルース・リーの師としても知られる葉問を演じ、彼の伝記映画という体裁になっています。しかし序盤で彼がかわいい奥さんや子供とともにシャレた洋館で幸せに暮らす富豪として描かれているあたり、どこまで信用して良いのやらという気が(^^;) ドニーさん、調子に乗りすぎですよ!

で、日本の将軍で空手の達人の三浦をどういうわけか池内博之が演じております。Wikipediaを見ると一応柔道が特技ということでアクションシーンもそれなりにこなしてますが、この若さで将軍というのはイマイチ説得力がありません。これは千葉真一か倉田保昭あたり年を食った武打星が演じるべき役柄だったのではないかと……

内容については短い間尺でよくまとまっていると思いますが、いつもの香港映画だと終盤で葉問が友人の工場に乗り込んでいる間に妻子が日本軍に殺され、復讐のために彼が三浦のもとに乗り込むという展開になってしかるべきなんですけどね。葉問の遺族が制作に関わっていることもあって、このあたりは自由に変更出来なかったということでしょうか。

また、葉問が武術家の「武徳」を問題にしたり、ドラマ『李小龍伝奇』につながるような要素が見られるのも注目ポイントです。それで彼が仏山から香港に逃れて数十年後、本作ではこんな感じだったのが……



『李小龍伝奇』ではいい具合に老けてこんな感じになっちゃうわけですね(^^;)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『画皮』

2008年10月19日 | 映画
まだ公開中のはずなのでさすがにDVDは出てないかなと思いきや、きっちり売られてました。しかし映画の代金が60元でDVDが15元という価格設定は何か間違ってるよなあ。いや、価格設定がその逆の日本の方が間違ってるのか……

この映画は『聊斎志異』中の同名のエピソードをもとにしているということですが、正直元ネタとあんまり関係ないよなあとツッコミたくなるぐらい設定が変更されており、タイトルも『画皮』にする必然性はあまり感じません(^^;)

物語は陳坤演じる将軍王生が遠征先の西域から一人の美女小唯を連れ帰ったとから始まります。実は周迅演じるこの美女こそ人間の皮をかぶって変身した妖怪なのでありました。小唯は王生を我が物にしようとしますが、趙薇(ヴィッキー・チャオ)演じる王生の妻佩容が小唯の様子に不審を抱き、甄子丹(ドニー・イェン)演じる龐勇に真相を突き止めるよう依頼し……という展開になります。

趙薇は『赤壁』の時より随分ふけて見えますね。実年齢から言うと『赤壁』で孫権の妹を演じている方がおかしいのかもしれませんが(^^;) 

ドニーさん演じる龐勇は王生のかつての上官で、出征中に一念発起して後事を王生に託し、気ままな旅人になったというよく分からない設定になってます(^^;) ちなみに佩容とはかつて恋人同士だったようです。で、孫儷演じる女降魔師夏氷とともに妖怪退治に乗り出すことになるわけですが、正直ドニーさんを降魔師の役にした方が良かったと思いますねえ。

作品自体はホラーアクションの皮をかぶった恋愛物という感じですね。アクションの見所がそれほどあるわけではありませんし。ストーリーは三角関係になっているようでその実成立していないというのがミソです。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする