博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『失われた年表を求めて ―夏商周年代確定プロジェクト』

2008年07月03日 | TVドキュメンタリー
VCDパッケージには『四千年前的叙事 遠古年輪』とありますが、『尋找失落的年表 ―夏商周断代工程』が元々のタイトルのようです。

中身は中華人民共和国建国50周年記念プロジェクトとして進められた夏商周断代工程の記録フィルムです。全3集で、第1集がプロジェクトのあらましと夏~殷代の二里頭遺跡・鄭州商城・偃師商城などの紹介、第2集が殷の武丁の在位年数の検討や、西周期の晋侯墓地の紹介など、第3集が殷周革命の年代の検討を取り上げています。

全体的に岳南の『夏王朝は幻ではなかった』に書いてあるようなことをザーッとなぞったような番組でした。第2集で故人の鄒衡とか馬承源のインタビューが収録されているのですが、この番組はいつ制作されたものなんでしょうか(^^;) 

内容的に面白いのもこれらのインタビューで、周囲の人々に墓泥棒に襲われるのではないかと心配されながら、鄒衡一人晋侯墓地の近辺で寝泊まりしていた話とか、燕の瑠璃河遺跡で出土した卜甲に最初に日本人の留学生が文字が刻まれているのを発見した話とか、上海博物館が購入した晋侯蘇鐘は、当初台北故宮や日本人も購入を検討していたが、鐘の表面にタガネで銘文を線刻してあるのが偽物臭いということであきらめたというような話が紹介されていました。

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