藤井省三『魯迅 東アジアを生きる文学』(岩波新書、2011年3月)
中国近現代文学の研究者であり、光文社古典新訳文庫で魯迅作品の翻訳を手掛けている藤井省三氏による魯迅の評伝。
元生徒で二人目の妻となった許広平とのラブレターをまとめたというふれこみで『両地書』を刊行し、その売り上げで生活費をまかなう魯迅先生、中国映画を全力でスルーして、ターザン物などハリウッド映画にハマる魯迅先生、「国民党の検閲の酷さは日本以上」とdisる魯迅先生……等々、今まで知られていなかった魯迅の姿を活写しています。
本書の読みどころは第1章「私と魯迅」と第9章「魯迅と現代中国」です。第1章では、魯迅の故郷である紹興が急激に横店化していくさまが著者撮影の写真にまざまざと現れています(^^;) 第9章では、毛沢東が魯迅を革命の聖人として祭り上げたことにより、国語教育で散々魯迅を押しつけられた若者が着実に魯迅アレルギーになっているさまが述べられていますが、政治的に頌揚されるというのは、文学者にとってはある意味罰ゲームなのだなと思った次第。
本書によると、毛沢東が「魯迅がもし今生きていたらどうなっていたと思いますか?」と文化人から問われて、「牢屋に閉じ込められながらもなお書こうとしているか、大勢を知って沈黙しているかのどちらかだろう」と答えたということですが……
中国近現代文学の研究者であり、光文社古典新訳文庫で魯迅作品の翻訳を手掛けている藤井省三氏による魯迅の評伝。
元生徒で二人目の妻となった許広平とのラブレターをまとめたというふれこみで『両地書』を刊行し、その売り上げで生活費をまかなう魯迅先生、中国映画を全力でスルーして、ターザン物などハリウッド映画にハマる魯迅先生、「国民党の検閲の酷さは日本以上」とdisる魯迅先生……等々、今まで知られていなかった魯迅の姿を活写しています。
本書の読みどころは第1章「私と魯迅」と第9章「魯迅と現代中国」です。第1章では、魯迅の故郷である紹興が急激に横店化していくさまが著者撮影の写真にまざまざと現れています(^^;) 第9章では、毛沢東が魯迅を革命の聖人として祭り上げたことにより、国語教育で散々魯迅を押しつけられた若者が着実に魯迅アレルギーになっているさまが述べられていますが、政治的に頌揚されるというのは、文学者にとってはある意味罰ゲームなのだなと思った次第。
本書によると、毛沢東が「魯迅がもし今生きていたらどうなっていたと思いますか?」と文化人から問われて、「牢屋に閉じ込められながらもなお書こうとしているか、大勢を知って沈黙しているかのどちらかだろう」と答えたということですが……