渡邉義浩『三国志 演義から正史、そして史実へ』(中公新書、2011年3月)
歴史の人が書いてるのに演義を全面に出している、しかも正史から演義じゃなくて演義から正史へと流れを追っているという点に不安を感じていましたが、実際に読んでみると、著者は文学方面についてもそれなりに勉強しており、しかも演義→正史という流れもそれなりにハマっているということで、安心しました。読んでてこのレベルの本が20年前(要するに私が『三国志』にハマってた頃)に出てたら良かったなとは思いましたが……
歴史方面の話は、この著者の研究ではお馴染みの「名士」論や「儒教国家」論が中心です。一般書では少し前に出た『儒教と中国』(講談社選書メチエ)と内容的に結構被ってますね。
また本書では、著者が日本語版を監修しているドラマ『三国』についても言及されています。今回のドラマでは魯粛の知謀が描かれていると評価しているのですが、ドラマを全話見た立場から言わせてもらうと、ああいうのを知謀と言うのかどうか首をかしげざるを得ません(´・ω・`) 著者の言う所の「魯粛の知謀」については、本ブログの『三国』その8を参照のこと。
歴史の人が書いてるのに演義を全面に出している、しかも正史から演義じゃなくて演義から正史へと流れを追っているという点に不安を感じていましたが、実際に読んでみると、著者は文学方面についてもそれなりに勉強しており、しかも演義→正史という流れもそれなりにハマっているということで、安心しました。読んでてこのレベルの本が20年前(要するに私が『三国志』にハマってた頃)に出てたら良かったなとは思いましたが……
歴史方面の話は、この著者の研究ではお馴染みの「名士」論や「儒教国家」論が中心です。一般書では少し前に出た『儒教と中国』(講談社選書メチエ)と内容的に結構被ってますね。
また本書では、著者が日本語版を監修しているドラマ『三国』についても言及されています。今回のドラマでは魯粛の知謀が描かれていると評価しているのですが、ドラマを全話見た立場から言わせてもらうと、ああいうのを知謀と言うのかどうか首をかしげざるを得ません(´・ω・`) 著者の言う所の「魯粛の知謀」については、本ブログの『三国』その8を参照のこと。