博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

張紀中版『西遊記』その9

2012年06月13日 | 中国古典小説ドラマ
張紀中版『西遊記』第49~54話まで見ました。

比丘国の一件が解決した後、山林でいつものごとく妖怪の化けた美女が生き埋めにされているのを、これまたいつものごとく唐僧が悟空の忠告を無視して救出。付近の寺まで同行させます。彼女の正体は鼠の精の地湧夫人。小坊主が寺の鐘を撞くのが気に食わないらしく、寺では夜な夜な鐘撞き係の小坊主が相次いで殺害されるという事件が発生。

それを地湧夫人の仕業と察した孫悟空が彼女を追い詰めようとしますが、逆に出し抜かれて唐僧を攫われてしまいます。彼女はもともと仏祖のいる大雷音寺の鼠で、唐僧の前世の金蝉子(すなわち仏祖の二番弟子)から油を恵んでもらったことがあって彼に惚れてしまい、下界にくだって唐僧との結婚を機会を狙っていたのでした。彼女に「ねえ、前世のこと覚えてる?」と聞かれて「そう言えば……」と何となく思い出してしまう唐僧もさすがです(^^;)

しかし天上から彼女の義父にあたる托塔天王と義兄の哪が駆けつけ、泣く泣く唐僧を解放することに…… その後は国王が1万人の仏僧を殺害するという願掛けをしている滅法国へ。宿屋の女将が八戒を見て「キャー!和尚よっ」と叫んでますが、そこは「キャー!妖怪よっ」が正しい反応ではないでしょうか。今までだとみんなそういう反応でしたし……

ここで以前に滅法国王妃が仏僧と浮気していたのが国王にバレ、仏僧が処刑されたのに絶望した王妃が「国王はいずれ大唐からやって来る高僧によって和尚にされてしまうだろう」という呪いの言葉を吐いて自害するというオリジナルエピソードが挿入されてますが、元の話とあんまりうまく繋がっていない感じです。

その後は唐僧が南山大王に攫われるという話を差し挟みつつ、一行は3年もの間旱魃に見舞われているという鳳仙郡へ。「雨を降らせるなんてたやすいものよ!」とばかりに四海龍王や玉帝のもとに雨乞いに向かう悟空ですが、そこで3年前に鳳仙郡の太守が無礼をはたらいたことに激怒した玉帝の命により鳳仙郡への降雨が停止されているという驚愕の事実が発覚。玉帝の大人げのなさに泣ける(´;ω;`)
コメント (2)
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