博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『十月囲城』その1

2014年08月06日 | 中国近現代ドラマ
『孫文の義士団』(原題『十月囲城』)のドラマ版『十月囲城』を見始めました。今回は第1~6話まで鑑賞。

1909年10月、中国同盟会13省代表者会議の開催地香港に孫文が到来し、彼を捕らえようと新任の広州将軍兼欽差大臣の鉄山が香港中に警備網を敷きます。孫文のシンパである中国日報社の秦少白は彼の影武者となって鉄山らの目を惹きつけ、その隙に孫文を香港から脱出させようと図り、本作の主人公車引きの阿四を雇いますが、孫文の機密秘書でイギリス帰りの李重光が勝手に秦少白に成り代わり、孫文の影武者として阿四の人力車に乗り込み、鉄山らをおびき寄せ、鉄山に弓矢で射殺されてしまいます。

と、この第2話まででおおむね映画版でのストーリーは終了し、以下、ドラマ版のオリジナルストーリーが始まります。まあ、全60話かけて映画版と同じくちんたら孫文の影武者護衛団の仲間集めとか、彼らのサイドストーリーが語られても困るんですが(^^;) ここで主要人物の紹介をば。


主役の王阿四。婚約者で盲目の阿純の目の治療費を稼ぐために秦少白に雇われたりと危ない話を渡ります。李重光と瓜二つ。というか鍾漢良(ウォレス・チョン)が李重光と1人2役で演じてます。


孫文ら革命党を追う清朝の軍人鉄山。新版『水滸伝』の林冲役などでお馴染み胡東が演じてます。


たぶん本作のヒロイン区(おう)舒雲。広東巡撫区肇新の娘で、秦少白と恋仲。その縁で革命党のシンパとなる。

重光の父親で広東の豪商李玉堂は、老太太(彼の老母)が今際の際に最愛の孫重光に会いたがっているということで、重光の死を隠し、彼と瓜二つの阿四を大金で雇って重光に仕立て上げて広東の李家に帯同。老太太がもうあと数日しかもたないということで契約に応じた阿四ですが、案に相違して孫の顔を見てて小康状態にまで回復してしまう老太太。

更に鉄山も孫文の香港脱出に李重光や区舒雲が関与していると突き止め、彼らの父親である李玉堂と広東巡撫区肇新(周星馳映画でお馴染み呉孟達が演じてます)を追い詰めるべく広東に到来。広東の地方高官や商紳が集まる公開の場で李家・区家と秦少白との関係(秦の父親がかつて広東の地方高官で、その縁で秦少白が区舒雲の家庭教師を務めたり、李玉堂が彼の新聞社に資金援助していたりしたらしい)を問い詰められ、答えに窮した区肇新は、中国日報社で李重光と区舒雲が逢い引きしていたということにし、帳尻合わせのために2人の婚約をまとめてしまいます。

しかし区舒雲については、李重光の従兄(李玉堂の亡兄の子)で区肇新のお気に入りの部下李重甲も叔父や上司に彼女との婚約を申し出ていたのでした。李家の長孫とはいえ父親のいない彼の立場は微妙なものがあり、彼は舒雲との婚姻によって自分の立場を強めようとしていたのです。重光と彼女との婚約を知り、悲嘆に暮れる重甲ですが…… 一方、阿四も阿純の存在をよそに勝手に婚約をまとめられて困惑し……

ということで『孫文の義士団』のドラマ版だということを気にしなければ、今のところ割と出来のいい作品ではないかと思います。第2話で繰り広げられるアクションシーンのほか、登場人物同士のやりとりもなかなか見せるものがあります。あとは60話までこの調子が続くかどうかですが……
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