博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『武媚娘伝奇』その7

2015年07月10日 | 読書メーター
『武媚娘伝奇』第35~40話まで見ました。

太子李承乾と侯君集による逼宮(皇帝に退位を迫るクーデタ)の動きは太宗によってあえなく鎮圧され、太子の一党ということで媚娘も掖庭獄に投獄。何としても彼女を助けたい雉奴こと晋王李治は、投獄される寸前の彼女の入れ知恵により、雨の中父皇の宮殿の前で跪いて兄太子の助命を嘆願。同じような雨の中での嘆願の場面は『宮廷女官若曦』でもありましたが、宮廷物ってこういうシチュエーションがよくありますよね…… ともかく太宗は李承乾の太子廃位を決定し、また晋王を次の太子候補として意識するようになります。

一方、韋貴妃はこの機会に媚娘を亡き者にしようと掖庭獄に刺客を送りますが、楊淑妃の方は彼女を獄中より救いだそうと、彼女の幼馴染み李牧を派遣。


李牧を演じるのは、媚娘の中の人范冰冰と交際中の李晨。劇中では李孝常の謀反に巻き込まれ、その一党として処刑されるところを楊淑妃の思し召しで救出され、身分と名前を偽って宮廷に入り込んだという設定。

間一髪で刺客の魔の手より救われた媚娘ですが、太宗の裁定により獄中より出ることは許されたものの才人の称号を剥奪され、一宮女へと降格。ここで晋王に対し、「廃太子と魏王李泰・呉王李恪との兄弟間の後継者争いを終わらせるには、あなたが太子になるしかありません」と焚き付けております。で、段々とその気になっていく晋王。父皇や群臣の面前で北方の対外政策について見事な見識を披露したりしております。その見識は無論媚娘の指導というか入れ知恵によるものなんですが、二人のこの関係が後年まで続いていくことになるんでしょうね。

その頃、太宗の子を身ごもったものの叔母韋貴妃の陰謀により生命の危機にさらされていた蕭薔は、徐慧の入れ知恵により五行草を服用して流産に見せかけ、自ら堕胎し、更に気が触れたふりをして韋貴妃が五行草の薬湯を飲ませて堕胎させたと太宗に告発。これにより韋貴妃は掖庭獄に投獄され、媚娘への復讐(と言っても堕胎の一件ら媚娘が絡んでいるわけではないのですが)を魏王李泰に託して獄中で自害。

韋貴妃一派が排除され、自分の推す晋王が次第に太宗に認められていき、媚娘的にはすべてが順調に進んでいるかと思いきや、ダークサイドに落ちた徐慧の画策により、衛兵として宮中に留まっていた李牧の身分が怪しいと太宗に目を付けられてしまいます。媚娘は謀反人を告発する奏書から李牧に関する文書を抜き取ったりと色々小細工を試みますが、当の李牧も媚娘への思いや、謀反人の身内ということで家族にも過酷な仕打ちを強いた太宗への復讐を諦めきれないようで、媚娘は事を収めるには自分自身が李牧とともに宮中より出るしかないと思い詰め……
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