博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『大宋少年志』その5

2019年12月06日 | 中国歴史ドラマ
『大宋少年志』第25~30話まで見ました。

偽郡主の正体は雲霓の侍女の小花でした。開封の街中に逃亡した郡主でしたが、なぜか味方のはずの霍宇光率いる大遼暗兵処(遼の特務機関)からも追われることに。助けに入った元仲辛ともども彼らに矢で体を射貫かれてしまいますが、命に別状ないとなると、予定通り宋の皇后の前で踊りを披露すると言いだします。それどう考えても鴻門宴的なやつですよね?と思ったら案の定、宋の皇后殺害をミッションとして課されていた模様…… 小花が彼女を捕縛して郡主に成り代わっていたのは、自分がかわりに危険な仕事を引き受ける心づもりだったとのこと。


で、郡主の実家の雲安親王家が遼国の中で立場を悪くしていたのは、予想通りこの人、韓先生こと韓断章の画策というオチ。

そして王寛に自分の身の上を語る小景。渤海の遺民として生まれた彼女ですが、元々遼国で暮らしていたところを父母の代に宋に亡命してきたとのこと。そこを陸掌院に目を付けられ、遼国内の渤海の遺民たちと連携し、騒擾を起こさせるための要員として秘閣への入学を許されたという次第。彼女が秘閣に入学する以前から政治的な道具として利用されてきたと知り、王寛は掌院に「渤海の遺民であっても宋に住んでいる限りは宋の民であり、出自の違いによって不当な扱いをしてはいけない」と厳重に抗議します。このドラマ、こういうマイノリティの扱いに対して良心を感じさせる描写があるのがとても良いです。


しかし掌院の陸観年は、実は韓断章と裏で手を組んでいたのでした…… ドラマの序盤で元仲辛・趙簡らに捕らえられ、以後秘閣に密かに監禁されていたはずの彼ですが、時折陸観年に釈放されて暗躍していた模様。二人はどうやら遼宋間の戦争を煽りたいようですが、陸観年が「我々の大いなる目的」みたいなことを口にし出してイヤな予感しかしません。


王寛らは密かに老臣の呂簡に呼び出され、陸観年の謀略を阻止するよう求められます。かつての重臣で現在も隠居の身ながら皇帝の顧問官として隠然たる力を持つ彼も、陸観年の動きに危険なものを感じ取っているようです。

一方、郡主暗殺を図った大遼暗兵処の霍宇光は韓断章に追われ、元仲辛と趙簡に救われます。七斎の面々は霍宇光とともに遼宋間の戦争勃発を阻止するべく動くことに。郡主は韓断章の手下に兄を人質に取られており、彼の命を救うために計画通り皇后の誕生日の宴で舞を披露し、暗殺を実行しようとしますが、元仲辛らは郡主をたばかり、小景を身代わりに仕立てて舞を披露させ、事なきを得ます。

七斎の面々は郡主一行と霍宇光を無事帰国させるために護送することになりますが、途中の旅籠で霍宇光は何者かによって暗殺されてしまいます。そこへ劉生率いる秘閣の第五斎の面々が乗り込んできて、元仲辛が殺害容疑者であるということで身柄を取り押さえ、郡主一行も彼らによって開封に引き替えさせられることになります。霍宇光の殺害犯は五斎の斎長劉生だと主張する郡主に対し、彼が犯人ではないと睨んだ元仲辛は、劉生と相談のうえ、開封で敢えて彼を容疑者として収監させて真犯人の出方を見ようとします。

しかし劉生は獄中で何者かによって殺害され、郡主の侍女小花も暗殺されてしまい、双方の現場で第一発見者となった王寛もやはり殺害容疑者として追われる身に…… そして掌院と韓断章の結託に気付いてしまった趙簡は密かに秘閣に幽閉されることとなります。陸観年は彼女に、「私は宋のためにならないことはしない。これは遼に内乱を起こさせるための計画なのだ」と口にしますが…… ということで謀略に次ぐ謀略という展開になってまいりました。



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする