博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『成化十四年』その2

2020年07月12日 | 武侠ドラマ
『成化十四年』第7~12話まで見ました。

刑死者が不自然に多いという告発を承けて江西吉安府に視察に来た隋州。知府の黄景隆はかつては模範的な官吏でしたが、自分の裁きで刑に服した犯罪者に家族を殺されたという過去があり、「軽微な犯罪だからといって見逃せば将来大きな犯罪をなす」というダメな割れ窓理論みたいなのの信奉者になった模様。しかもこれを問題視した隋州が黄景隆によって偽の錦衣衛ということにされてしまい、投獄されてしまいます。

順天府の唐泛は、隋州から寄せられた密書の暗号を読み解き、彼のピンチを察知します。で、隋州の部下の薛凌とともに吉安に赴き、牢内で隋州に接見。しかし自分の力では彼を救い出せません。救い出させる力があるのは汪植のみですが、彼は今成化帝の命令により、遼東に出張中。


ということで順天府に戻った彼は、旧知のオイラート人の少女朶児拉と従者の巨漢・烏雲布拉格から馬を借り、ともに遼東に向かいます。


遼東では汪植が現地のオイラート人・女真族による馬市を監督することになっていましたが、馬市に出される予定の馬が大量に盗まれるという事件が発生し、頭を痛めておりました。ということで成化十四年の女真族です (^_^;) このドラマに出てくるオイラートや女真族、本当にモンゴル語や満洲語なのかどうかはよくわかりませんが、取り敢えず通訳ができる人物以外は漢語を話しておりません。

「ここに唐泛がいれば……」と思っていたところに当の本人がやって来たということで、彼の手であっという間に真相を解明。汪植は吉安で彼にそっくりの偽物と会ったという唐泛の言葉にも惹かれ、今度は海路で吉安へ。北に行ったり南に行ったりと忙しいですが、遼東行きは陸路で馬、江西行きは海路で船ということで、「南船北馬」という言葉を連想させます。しかしこの遼東の話と江西の話が全くつながらないんですよねえ…… 黄景隆が遼東のオイラートと密貿易をしていて……なんて話もありません。単にスタッフが草原でロケをしたかっただけなのかもしれません。

で、黄景隆は牢獄に放火して囚人ごと燃やし尽くし、証拠隠滅を図ろうとしたり、汪植の偽物を使ってやり過ごそうとしますが、結局はお縄に。黄景隆に大明律法への遵法を主張する隋州に対し、「情」でもって犯罪者に酷薄な扱いをした黄景隆は「いずれお前もワシと同じ境地に至るだろう」と不気味な予言を残します。

ここから次の事件へ。順天府では吏部侍郎の息子が攫われるという事件が発生。その子は捜索の末に無事保護されますが、ここ数年順天府では子供が攫われる事件が頻発していることが発覚。エライ人の身内に被害者が出たことでようやく大事として認知されるというのは現代でも割とあるあるなんじゃないでしょうか……

捜査に当たる汪植は冬児をおとりに使いますが、まんまと相手に隙を突かれて彼女を攫われてしまいます。そして人攫いの黒幕の商人銭泰は錦衣衛のボス万大人と結託しているようで…… というあたりで次回へ。この前後に唐泛の姉と甥が登場したり、謎の篤志家朱大善人が出てきたりしますが、今のところこのエピソードとは深い関わりはないようです。こういう本筋に関係ない要素を積極的に盛り込んでくるスタイルは嫌いではないですw
コメント
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