博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『成化十四年』その6

2020年08月06日 | 武侠ドラマ
『成化十四年』第31~36話まで見ました。


氷室の一件は無事に解決されましたが、それと前後して朶児拉が探し求めていた男、阿拉斯が再び彼女の前に姿を現します。もともとはオイラートの王子だったようですが、現在は丁満と名乗って成化帝付きの宦官となっています。彼はオイラートの密偵として成化帝の詔勅など明の機密情報を外部に流しております。オイラートの勢力には、また例の李子龍の勢力が絡んでいるようです。


で、その固安郡主の夫である王憲がオイラートの一党に拉致されるという事件が発生します。王憲は生まれつきの自閉症であるようですが、天性のメカニックの才能を買われて宮中の武庫司で新兵器の発明に励んでいます。彼らの目的は王憲の持つ新兵器「蔽日」の設計図なのでした。

固安郡主は成化帝の深謀遠慮により「傻子」の夫をあてがわれたともっぱらの評判ですが、郡主に言わせれば世間の評判は夫の真価を知らない戯言にすぎず、彼はいつか自分の発明によって空を飛ぶという夢を叶えるという大望を秘めているとのこと。ここで王憲が開発中というハングライダーのようなものも出てきます。

捜索に当たっていた唐泛は王憲の身柄を保護。そして阿拉斯=丁満が事件に関わっていることを知り、説得を図るも、3年前の爆発事件から明への不信感を抱いているらしい阿拉斯は聞き入れず。唐泛は取り敢えず彼と朶児拉の乗った馬車を城外へと逃そうとしますが、阿拉斯の持ち込んだ明の秘密兵器「博浪」が爆発してしまい……

そこで話は問題の爆発事件のおこった3年前、成化十一年へと溯ります。唐泛が科挙には登第したものの状元になり損ね、隋州が北方での兵役を終えて錦衣衛に赴任した日、宮中の武庫司で「博浪」の杜撰な取り扱いから、紫禁城だけでなく順天府の半分近くを巻き込む大爆発が発生したのでした。


爆音を聞きつけ、成化帝を守るために武装し娘子軍を率いて駆けつける万貴妃。彼女が宮中で娘子軍を率いることがあったのは史実とのこと。成化帝は被災者の救済に努める一方で、東廠・錦衣衛の捜査能力のなさを憂慮し、西廠を設置して汪植をトップに据えます。そして阿拉斯は爆発に巻き込まれて死んだ同志の巴図に替わって、丁満として宦官となり、紫禁城でスパイ活動に従事することになります。唐泛、隋州、汪植の3人は事件がきっかけで己の進む道や生き方が大きく変わることになりますが、この3人がお互いにそれと知らずにこの時点で出会っていたという演出はなかなか心憎いですw

話は成化十四年の二度目の爆発事件に戻ります。朶児拉が爆死したことで酒浸りとなる唐泛に、自責の念から戦場でのトラウマがフラッシュバックし、食への興味を失ってしまう隋州。成化帝は3年前に研究・開発を停止させたはずの「博浪」が流出していたことを憂慮し、汪植に捜査を命じます。彼は重要参考人として王憲を投獄し、情報を得ようとしますが……
コメント (2)
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