博客 金烏工房

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『趙氏孤児案』その6

2016年09月21日 | 中国古典小説ドラマ
『趙氏孤児案』第30~35話まで見ました。

石言の遺児湘霊ですが、実は屠岸賈のスパイというか工作員であったことが判明。


屠岸賈は彼女を石言のもとに送り込み、3年ほど仕えさせて彼に関する事情をすべて把握させたとのこと。実に手が込んでますw 程家に送り込まれた主目的は、大業が趙朔の遺児であるかどうかを調べあげることなのですが……

その大業ですが、湘霊から趙朔の死について吹き込まれ、屠岸賈のコネで宮廷の書庫で趙氏に関する資料を漁ったりしております。そして旧趙府で出会った荘姫から、程嬰が赤子の自分を助けるために趙武を犠牲にしたことを知らされ、父親に幻滅して湘霊を連れて家出を敢行。荘姫と大業は実の母子にあたるわけですが、お互いにまだそのことは知るよしもありません。

大業に興味を持った荘姫は、彼が程嬰の子だと知ると、程家を探訪して大業の部屋から、彼が宮廷の書庫より持ち出した趙氏関連の竹簡を持ち去ります。その中に趙氏の祖先神話の一節を記した「女脩織、玄鳥隕卵、女脩吞之、生子大業」という竹簡があり、最後の「子 大業を生む」の部分に注目し、大業が趙武なのではないかという疑いを持ち始めます。実はこの竹簡は程嬰が紛れ込ませたものなのですが…… なお、この一節は漢代の司馬遷の『史記』秦本紀に出てくるものなので、春秋時代を舞台にしたこのドラマで登場すると、何となく座りが悪いような気がしてくるのですが (^_^;)

そうこうしているうちに屠岸賈の子無姜が凱旋。大業の家出を知り、彼の定宿で家に戻るように諭します。その宿の酒場で、少女講釈師の草児と遭遇。


彼女の十八番は「換嬰計」という物語なのですが、これは「趙氏孤児」を題材としたもので、19年前に屠岸賈の子として生まれたのは女児であったが、男児を欲しがった彼は同じ日に生まれた趙朔の男児とすり替えたうえで趙氏を滅ぼしてしまい、男児を自分の子として養育したという内容。それでいくと趙朔の子ということになるはずの無姜は動揺し、父親に事実を問いただしたり、当時を知る、出産に当たった医師や産婆を訪問し、生まれたのが女児だったのか男児だったのかを確認しようとしますが、なぜか彼が訪問するタイミングで2人とも何者かによって殺害。(後に遺体は別人で、2人とも生きていたことが判明しますが)この一件により父親に不審を感じた無姜も屠岸府から家出してしまいます。

実はこの草児も程嬰の仕込みであるようですが、竹簡の件と合わせて、荘姫と大業が互いに母子であると認めさせるのが主目的の模様。自分の出生に疑問を持った無姜ですが、出生の秘密があるのは彼じゃないというのが面白いところ。

そして大業は屠岸賈の計らいにより「執訊令」に任命され、「趙氏孤児案」の捜査に当たることに。これで「換嬰計」が悪質なデマであることを明らかにさせ、無姜を連れ戻させようという腹なのですが、大業に捉えられた草児は屠岸賈の前で、自分こそが無姜とすり替えられた女児、すなわち屠岸賈の実の娘であると称し、なおかつ自害を敢行。これによって屠岸賈と無姜の父子を離間させようということなのですが……

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