第11章 宋遼比武(後編)
勅書を受け取ると、八姐と九妹が走り寄って来て尋ねます。「兄上、今回の出征に私たち姉妹も着いて行っていいでしょう?」楊六郎は二人の妹の武芸が優れているのを知っていますので、すぐさま承諾します。
当日、楊家の兄妹三人は兵を率いて晋陽へと赴き、ほどなく双方が腕比べを行う陣前に到着しました。遼将の招吉は槍法では自分の右に出る者はいないと思い込んでおり、槍を突き出して陣前で挑戦を呼びかけます。突然宋の陣営から一騎が飛び出してきましたので、みなが見てみたところ、まさに女将の楊八姐です。彼女は突撃して招吉と打ち合いを始め、数合もしないうちに、赤く細長い巾を放り投げ、招吉に絡ませて落馬させてしまいました。宋軍がすぐさま駆けつけて招吉を生け捕りにします。寇準は大喜びし、「誠にさすがは武門の娘ですな!」と褒め称えました。
この時、遼将の慶吉がまた挑戦にやって来ました。九妹はこれを見ると、大刀を振り回して陣から出撃し、慶吉と渡り合います。ただ二十数合戦っただけで、九妹は慶吉を一刀のもとに切り捨てました。九妹が陣に戻ると、寇準は続けざまに褒め称えます。「楊家にあなた方のような女傑がおられたとは、誠に朝廷にとってはめでたい限りですな!」
遼軍は続けざまに二人の大将を失ってしまい、総大将の土金秀は面目が丸つぶれとなり、馬を鞭打って出陣し、叫びます。「私と弓比べをする者はおらんか?」この時、楊六郎が槍を引っさげ馬を走らせて出陣してきました。六郎が笑って言いますには、「お前の弓術など大したことはなかろうに、どうして私の前で大口を叩くのか?」言い終わると、強弓を引いて三発の矢を連射し、すべてが的の中心を射貫き、兵士たちが一斉に喝采します。
六郎は弓を土金秀に渡して言いました。「私と弓比べをしたいというなら、まず私のこの弓を引いてみよ!」土金秀は弓を受け取ると、歯を食い縛って目をいからせ、死にもの狂いで力を出し尽くしましたが、弓の弦はびくとも動きません。土金秀は驚いて言いました。「このような強弓を引くことができるとは、本当に神のような人だ!」
宋軍では歓呼の声が響き渡り、土金秀はすっかり恥じ入ってしまい、遼兵を率いてしょげ返って幽州へと引き返して行きました。
勅書を受け取ると、八姐と九妹が走り寄って来て尋ねます。「兄上、今回の出征に私たち姉妹も着いて行っていいでしょう?」楊六郎は二人の妹の武芸が優れているのを知っていますので、すぐさま承諾します。
当日、楊家の兄妹三人は兵を率いて晋陽へと赴き、ほどなく双方が腕比べを行う陣前に到着しました。遼将の招吉は槍法では自分の右に出る者はいないと思い込んでおり、槍を突き出して陣前で挑戦を呼びかけます。突然宋の陣営から一騎が飛び出してきましたので、みなが見てみたところ、まさに女将の楊八姐です。彼女は突撃して招吉と打ち合いを始め、数合もしないうちに、赤く細長い巾を放り投げ、招吉に絡ませて落馬させてしまいました。宋軍がすぐさま駆けつけて招吉を生け捕りにします。寇準は大喜びし、「誠にさすがは武門の娘ですな!」と褒め称えました。
この時、遼将の慶吉がまた挑戦にやって来ました。九妹はこれを見ると、大刀を振り回して陣から出撃し、慶吉と渡り合います。ただ二十数合戦っただけで、九妹は慶吉を一刀のもとに切り捨てました。九妹が陣に戻ると、寇準は続けざまに褒め称えます。「楊家にあなた方のような女傑がおられたとは、誠に朝廷にとってはめでたい限りですな!」
遼軍は続けざまに二人の大将を失ってしまい、総大将の土金秀は面目が丸つぶれとなり、馬を鞭打って出陣し、叫びます。「私と弓比べをする者はおらんか?」この時、楊六郎が槍を引っさげ馬を走らせて出陣してきました。六郎が笑って言いますには、「お前の弓術など大したことはなかろうに、どうして私の前で大口を叩くのか?」言い終わると、強弓を引いて三発の矢を連射し、すべてが的の中心を射貫き、兵士たちが一斉に喝采します。
六郎は弓を土金秀に渡して言いました。「私と弓比べをしたいというなら、まず私のこの弓を引いてみよ!」土金秀は弓を受け取ると、歯を食い縛って目をいからせ、死にもの狂いで力を出し尽くしましたが、弓の弦はびくとも動きません。土金秀は驚いて言いました。「このような強弓を引くことができるとは、本当に神のような人だ!」
宋軍では歓呼の声が響き渡り、土金秀はすっかり恥じ入ってしまい、遼兵を率いてしょげ返って幽州へと引き返して行きました。

※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます