人権と国家: 理念の力と国際政治の現実 (岩波新書 新赤版 1912)の
感想例え守る気がなくとも他国への内政干渉のためなど他の意図があっても、国家が一旦人権に関する条約を結んでしまえば、それが状況改善を迫る足がかりになるという話が面白い。安倍政権の「人権外交」もそのブーメランが返ってきているようだ。また本書全体として理念、理想の大切さを強調している。読了日:03月05日 著者:
筒井 清輝
ものがたり戦後史 ――「歴史総合」入門講義 (ちくま新書)の
感想日本と世界の政治外交、経済史。内容的に要所を押さえてよくまとまっている。コラムとして各章末に当時の世相と関連した著者のライフヒストリーがあるのが良い。読了日:03月12日 著者:
富田 武
古代中国の日常生活:24の仕事と生活でたどる1日の
感想柿沼陽平『古代中国の24時間』と主旨は似通っているが、こちらはテーマごとの短編小説風の語り口で、職掌に重点を置いた作りになっており、受ける印象はかなり異なる。こちらも読まれてほしい一冊。読了日:03月17日 著者:
荘 奕傑
源氏の血脈 武家の棟梁への道 (講談社学術文庫)の
感想源為義は粗暴なだけの無能者だったか?頼朝の他を圧倒する貴種性、義経の意外なバックボーンの太さなど、河内源氏三世代四人の再評価を行う。頼朝の政権を王権と評価できるかという考察が面白い。読了日:03月21日 著者:
野口実
漢文の学び方 (志学社選書, 007)の
感想なるべく説明が省略して書かれることを指して「漢文は符合語、暗号語」と言っているが、現代中国語や日本語にもそういう所があるのではないかと、やや疑問に思う。また「漢文は現代語とは全く異なる」というのも異論がないではない。ただ「所」を関係代名詞の「which」に相当するなど、英文法との比較を中心に漢文法を解説しているのはわかりやすい。読了日:03月23日 著者:
魚返善雄
世界史の考え方 (岩波新書, 新赤版 1917)の
感想新設科目「歴史総合」を教えるにあたって、従来の各国史の並列、用語の暗記に終わらない学びにするにはどうしたらよいか、また日本と世界の近世、フランス革命と明治維新、日本と世界各国の「植民地責任」の問題、「オイルショック」という用語の問題性などの検討を通じて世界史と日本の近現代史との統合、そして現代の情勢とのつながりといった諸問題を、編者と各地域史の研究者との対話を通じて探る。「教育」という視点が従来の歴史本とは違った印象を持たせている。読了日:03月27日 著者:
小川 幸司,成田 龍一
漢字ハカセ,研究者になる (岩波ジュニア新書 950)の
感想国字などの研究で知られる笹原宏之氏の自伝。「漢字博士」だった少年時代から研究者に脱皮していく過程を、氏の主要な研究成果を交えつつ振り返る。マニアが研究者になっていく様子、そして研究者の歩むキャリアの一典型がうかがえる。読了日:03月29日 著者:
笹原 宏之
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