まず、自動組版とか、ワンソースマルチユースを考える場合、3つの機能に分けて考える
・ためる
・配送する
・(メディア)変換する
ためるというのは、データ、つまり素材を保存しておくことで、DB(RDBまたはXMLDB)やファイルが考えられる。
素直に考えれば、RDBが実用的。
そのDBデータ(素材)から、今回必要なデータを取り出し、配送する。
この配送には、後々の変換工程が行いやすい形で配送するのがよく、そう考えるとXMLが向いている。
(絶対ではない。テキストそのもの、EPS、TIFFなどもあり)
そして配送されたデータを出力用にメディア変換して出力するということになる。
このメディア変換において、
・WYSWYG
・バッチ
と2とおりある。WYSWYGは、組体裁をGUIで確認しながら行うケースで、データや図を流し込んだ結果、どうなるか(あふれる枠がでるとか、トリミングが適正かとか)わからないようなとき、DTPソフトなどを使って、データを流し込み、レイアウティングを確認しながら行うもの。
もうひとつのバッチは、ある特定の組体裁でかまわない、あるいは複雑な組版ルールが決まっているような場合、レイアウティングを確認する必要がない場合(請求書、DMなど)、一気にレイアウティングから印刷までを自動的に編集する。
バッチの場合、一気に行くので、逆戻りはない。という意味では、システム開発のウォーターフォールモデルに似ている、一方、WYSWYGですぐに作って確認、小組など部分部分からつくって、大きくしていくのは、アジャイルに似ている。
ただ、ソフトウエア開発において、ウォーターフォール型のCASEツール、つまり全工程を網羅する伽藍型のCASEツールが失敗し、部分部分の自動化、CASEツール化を目指したバザール形CASEツールが成功したように、印刷などでも、伽藍型フルバッチにしてしまうと、融通が利かず、ゲラ刷りまでわからない!という状況になってしまい、自動組版のメリットが生かせないので、バザール型のDTPに読み込ませるデータの自動生成といったようなプラグインによる開発が多く、成功を収めている。
さて、この「ためる」「配送する」「(メディア)変換する」について、今後、全体像を解析していくわけだけど、それは次回。