ウィリアムのいたずらの、まちあるき、たべあるき

ウィリアムのいたずらが、街歩き、食べ物、音楽等の個人的見解を主に書くブログです(たま~にコンピューター関係も)

トップダウン開発でうまく行くのか?ボトムアップが流れなのか?

2013-02-04 19:06:55 | トピックス
前にやっていた

シリーズ化してしまいつつある

情報処理における学会と産業界というのは、かなり距離がある。
したがって、2つの間に関連性がありながら、
学界的に「それは違う」と排除してしまい、
産業界的にも、学界的にも、豊かな研究分野・実践を
踏みにじってしまうことがある。


って話、久々につづき。

前回の最後にこう書いた。

実は、大学のソフトウェア工学の教育方法と
現場との違いは、根本的な相違点がある。
それは、

パターンっていうのは、計算機工学の考え方の基本なんだよ!
http://blog.goo.ne.jp/xmldtp/e/0cf44129a90e47cefa3ac5d3d7a04f75

に書いたことでもあるんだけど、

ダック・タイピングを認めるか否か

が決定的な違いになる。大学の教育は、抽象から演繹的に落としていき、具体になっていく。
それに対し、現在の開発は、ダッグタイピングを認め、帰納的、ないしはアブダクションによって意思決定していくことが多い(たぶん、演繹的に考えるより多い)


今日は、それについて




■大学の教え方は、トップダウンで、途中、切れる

大学の教え方は、トップダウンである。

まず、開発工程全体に触れ
その工程をどのようにこなすかについて説明する
・ウォーターフォール
・スパイラル
などなど。

その後、各工程について詳細化していく
・要求
・(外部・詳細)設計
・実装
・テスト

そして、ソフトウェア工学の授業で、
 要求・設計・テストを中心に行う(テストは大学によっては触れないかも)

 要求仕様は、機能要件抽出方法として、ユースケースについて

 設計方法としては、
   オブジェクト指向分析と構造化手法分析
   構造化手法では
     DFDとER図
   オブジェクト指向では
     UMLのクラス図と状態図、シーケンス図
     (なぜか、アクティビティ図はそんなに人気ない)

 で、なぜか、実装はプログラミングの授業が別に有り

 テストをやる学校は、テストについて教わる。

 このように、トップダウンに詳細化していくので、
 当然クラスは、継承を使って、詳細化していく。

 で、気づいただろうか・・・
 画面とかDBの話には結び付かない。これらは。直接。

 だから、大学の授業では、トップから詳細化していくけど、
 画面とかDBの設計にまでは降りてこない(アクティビティ図もないし)
 で、いきなり、プログラミングの授業でプログラムする。




■最近の開発は、ボトムアップ

 実際の開発では、仕事の流れが重視される。
 そして、画面設計がされ、画面がきまると、フレームワークによって、
 ある程度の開発方針が立つ。

 データに関しては極論すると、画面や帳票で必要なデータをDBに入れればよい
 ということになり、画面や帳票から設計することも可能である。

 まさに、ユーザー主導のボトムアップ開発

 したがって、継承は、個々の要素の共通部分を抽象化し、その抽象化されたものから
 継承する形になる。

 抽象化されたものの中にさらに抽象化できるものがあれば、さらに継承
 と、ボトムアップ、帰納的になってくる。

 このように、継承をボトムアップにつくるとなると、トップダウンで継承はできないから、
 ダッグタイピングのような、継承を回避できるテクニックは、だいじなわけだ。





つまり、トップダウンとボトムダウンがmeetするポイントは、

「画面」「帳票」といった、UI等

になるのだが、

大学の授業はトップから始めて、そこまで降りてこない。
企業の開発は、そこから始まり、あまり抽象度を上げない(上げる必要がない)

っていうことで、ギャップができてしまうのだ・・・


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企業で流行るのは3年~5年か?でもキャズムがあるから、全て流行るわけではない

2013-02-04 15:22:07 | Twitter
チャコさんのこのツイート


チャコ @Chakopetit

5年前くらいに同じセリフを聞いた気が…w アジャイル同様、企業レベルになるのに5年かかるのね。“@nikkeibpITpro: [関数型言語のトレンド]国内でも採用企業が増加(Javaはもう古い!次の主流は「関数型」) nkbp.jp/Uikrc2 #itprojp”


あ~たしかに、なんか先端技術と話題になってから、普及し「はじめるまで」(=ハイプサイクルの反動期(幻滅期)を超えて、普及しはじめる直前のとき)は、黎明期から数えて3~5年の気がしますね。今、2007~2008年のものが、復活してくるときかも知れません。でもキャズムがあるから、全て流行るわけではない。

ただ、scalaのような関数型言語に関しては、今が流行期直前の気がします。
もうちょっとたったら、雑誌がいっせいに叩いてきますよ。きっと。
まだ、叩くには、早すぎる。

一方、Rubyやアジャイルは、もう幻滅期からは脱出して、キャズムを超えたと
考えて良いか・・・微妙かなあ・・・まあ、超えたな。超えたことにしよう(^^)

ちなみに、ビッグデータがたぶんこれから「まっさかさまに落ちてDESIRE」の幻滅期
で、これから雑誌が本格的にたたき出すと見ています。
・・・ビッグデータは、叩きやすいんだよね・・ワキが甘いから・・

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セキュリティ市場は確かに広がるけど、分野によってはそれほどでもない

2013-02-04 12:05:16 | トピックス
最近Javaの脆弱性で脚光を浴びる?セキュリティ市場だけど、


平成23 年度企業・個人の情報セキュリティ対策促進事業
(情報セキュリティの市場調査)調査報告書
http://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/downloadfiles/23FY_ISmarket_research_report.pdf

を見ると、
たしかに、大きく成長する(7.1%予想)けど、
分野によっては、それほどでもないらしい。

コンサルとかは、意外と減っていくようだ・・・

以下、上記報告書からの引用によるまとめ
(以下太字は、この調査からの引用)


3.国内の情報セキュリティ市場の規模及び動向予測
3.1概観
国内のセキュリティ市場
・IT投資が低いにもかかわらず、情報セキュリティへの投資は継続
・クラウドやスマートフォンで2010年以降影響を与える要因が

3.1.1市場規模と推移
(1)全体日本の情報セキュリティ市場:5136億(2010年)
   年平均成長7.1%が見込まれる

  うち
   セキュリティツール 1253億円 平均成長率8.1%(予測:2010~2015)
   セキュリティサービス3883億円 平均成長率6.0%(予測:2010~2015)

  セキュリティ対策している:88.2%
  1社平均情報セキュリティ対策費用はほぼ前年並み
  費用を増加させる企業は落ち込んだが、下げ止まった?

(2)詳細(ツール)
  「個人向け」は年平均11.5%で成長予測→スマートフォン・タブレットのため
  「プラットフォーム」は、変平均2.9%で成長予測:それほどでもない
  「Web アクセス管理」「アプライアンス-e メールセキュリティ」は縮小予測

  「対策の状況を表す指数」が低い項目は、
     「情報セキュリティ事故発生時への備え」、
     「データの暗号化等の保護策」、
     「情報資産のレベル分けによる適切な管理」など

   情報漏えいの対策に不安を抱えている
     「情報資産のレベル分けによる適切な管理」
     「USB メモリ/CD-ROM 等の書き出し・持ち出しの制限」
     「データの暗号化等の保護策」

   情報セキュリティに関する実施体制が整備されていない実情
     「情報セキュリティ教育の実施」
     「情報セキュリティ事故発生時への備え」

   不安点対策強化予定→情報漏えい対策にIT を活用して防止する意識の現われ
     「情報セキュリティ教育の実施」、
     「ネットワーク監視等内部コンピュータ犯罪(ウィニィ等含む)への対策」
     「PC 持ち出し等利用者の情報管理への対策」
     「データの暗号化等の保護策」、
     「ID の適切な管理と利用者の認証」、
     「個別データへのアクセス可否及び関与レベル(参照・編集・削除等)管理」

(3)詳細(サービス)
  「IT マネジメント」の成長率が高くなっている
     標的攻撃などによりセキュリティの脅威が高まった
      →セキュリティ監視などの専門的ノウハウを有するMSSPにアウトソースする企業が増加
        MSSP:マネージド・セキュリティ・サービスプロバイダ

  「コンサルティング」の市場は、縮小すると予測
     個人情報保護法に伴う、セキュリティ監査の実施が一巡したため
       →JIPDEC 発表によるとISMS 認証取得組織数は2010 年以降減少している
     2010 年以降、コンサルティングの市場は減少している。

  「実施率」をみると、全般的に上昇
     <技術的対策の実施>が+2.2 ポイントの83.5%、
     <組織的対策の実施>が+3.9 ポイントの69.4%、
     <監視体制    >が+3.9 ポイントの61.1%、
     <評価の実施   >が+4.4 ポイントの43.3%

  上昇幅が大きかった対策は
     「セキュリティポリシーに基づく対策の検討」、
     「セキュリティポリシーの策定」、
     「(重要な)コンピュータ室への入退室管理」

 「対策の状況を表す指数」が高い項目→システム監査の実施項目が多い:不安ない
     「物理施設での入退出管理」、
     「社内の情報管理規定の確立」、
     「ID の適切な管理と利用者の認証」

  セキュリティ向上に寄与した対策:種類ごと
     「ISO/IEC15408 認証取得製品導入」、
     「内部統制の整備強化」、
     「情報セキュリティ報告書の作成」

 「コンプライアンス教育体制の確立」が不安 
     3割→2割へ:コンプライアンス進んでいる

  MSSPの利用
     標的攻撃などが需要を高めている
     クラウド技術の利用
     複雑化、巧妙化するサイバー攻撃の脅威

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