下調べもなく受講したので講演前に御本人に
イラストレーターですかと聞いてしまった
「画家です版画もやってます」「銅板です」と ごく普通に応えてくれた
銅版画のことも詳しく話してくれた
ささめやさんの講演が始まった 自慢話は何もない
やりたくないけどやった 断われないので引き受けた
辞めたくないけどやめた など小心で気弱な話が楽しかった
貧乏は楽しい 何もないから些細なことでも大きく喜べる
通勤電車の窓から見える風景に魅せられ絵を描いた
ほかの趣味もないので続けられたと画家になった動機を語った
何を描くか決まっていなくても とりあえず描いてみる
それを消したり描いたりしていくうちに何かが見えてくる
ご自分の生き方も成り行き任せだといい苦労話は何もなく
ぼそぼそと今にも枯れそうに話す風貌が私の好みだった
たぶん相当な努力はしているだろうが それを感じさせない
ささめやさんを存じ上げていないかったが 有名人だった
絵は若い女性に人気があり 絵本なども多数発行されている
会場からT内百合子さんが質問した「奥さんはどんな人ですか」
「この服は家内の手作りです」「家内も貧乏は楽しかったといってます」
壇上から「他に質問ないですかそこの方どうですか」と私のほうにふった
私は「ささめやさんの絵は高いですか」と値段を聞きたかったが躊躇した