5日(水)午前7時前に明科駅前を出発して、最初に利根川水系砂防事務所浅間山出張所へ視察に行きました。
浅間山は有史以降数多くの噴火記録があり、甚大な被害が発生しています。天明3年(1783年)の大噴火では、火砕流に伴う泥流の発生により、嬬恋村(旧鎌原村)では1村約150戸が飲み込まれ、483名が死亡した他、群馬県下では1,400名を超す犠牲者を出しました。
△ 利根川水系砂防事務所神野所長さんから事業概要等の説明をお聞きしました。
浅間山の火山砂防事業は「火山噴火緊急減災対策」として、噴火活動に応じた機動的な対策を行うため、「平常時」と「緊急時」に分けた施設整備を実施していました。
「平常時」として、3t/個のコンクリートブロックを今年度中に22,000個ほど備蓄するなどの「平常時対策工」を行っており、ソフト面でも平成19年度からロールプレイング方式の防災訓練等を実施していました。
また、「緊急時」として、今年度は噴火活動に応じた機動的な工事の掘削・除石・コンクリートブロックによる砂防堰堤の構築等のために工事用道路に着手するとのことでした。
△ 3t/個のコンクリートブロックの製作及び備蓄等について説明を受けました。
午後は、八ッ場ダムの事業概要と工事の視察を行いました。八ッ場ダムは、吾妻川の中流に建設する多目的ダムで、利根川水系の上流ダム郡とあいまって下流部の洪水被害を軽減するものです。また、水資源の有効利用として群馬県及び下流都県の新規都市用水として開発するとともに、農業用水の合理化により行われるかんがい期の用水確保をするもので、治水及び利水上極めて重要な施設になるとのことでした。
△ 八ッ場ダム工事事務所一場広報室長さんから事業内容等を聞いているところです。
△ 不動大橋から撮った八ッ場大橋(湖面1号橋)
事業概要は、用地取得は456ha、家屋移転は470世帯、5地区で代替地を造成し、10月1日に開通した吾妻線は10.4kmを付替し、国道・県道の付け替えは22.8km等の規模で工事がそれぞれ進捗していました。
△ ダム計画地点の仮締切工事風景
△ 川原畑代替地と八ッ場大橋(湖面1号橋)
2日目は、譲原防災センターと譲原地すべり対策事業を視察しました。この事業の指定地面積は約100haで幅が約2,000m、奥行きが約800m、すべり面深度が最大で約50m、移動土砂量は約2,000万㎥と大変大きな規模で驚きました。この対策事業により、人家や田畑、国道などの大きな被害を防ぐとともに、神流川の河道閉塞や下流域の利根川の氾濫等の災害も防ぐための工事であるとのことでした。
△ 利根川水系砂防事務所竹本副所長さん等から説明を聞いているところです。
△ 排水トンネル内の上部から撮った集水井
譲原地すべりの対策工として、地すべりの原因となる地下水を取り除く、「横ボーリング工」「排水トンネル工」「集水井工」で、地すべりの動きを抑える工法と、抑止工だけでは満足な効果が得られない場合に抗やアンカーなどで強制的に地すべりを止める「アンカー工」「抗工」が施されていました。
△ 排水トンネル内で集水の様子等について説明を受けました、
午後は、今年6月に「富岡製糸場と絹産業遺産群」は、重要な文化遺産として顕著な普遍的価値が認められ、世界遺産一覧表へ記載された「富岡製糸場」を視察しました。
ボランティアのガイドさんから、明治5年に全国初となる官営模範製糸場が創設されてから現在までの歴史や、東繭倉庫、検査人館、女工館、ブリュナ館など建物構造や関係した方々の説明、操糸場では器械製糸技術や工女のことなどを詳しく説明していただきました。その中で、長野県と関係する事柄も多く、片倉工業(株)が昭和62年に操業停止して平成17年10月1日に富岡市に管理が移されるまで、1年間に約1億円も投じて維持管理をされて来られたことに感銘を受けました。
△ 多くの皆さんが東繭倉庫の造りなどをボランティアのガイドさん説明を聞いています。
△ 操糸場の中は観光客で大変混雑していました。
△ 富岡製糸場の視察を終えて入口で記念撮影です。
利根川水系砂防事務所の神野所長さんをはじめ職員及び工事関係者の皆さんには大変お世話になり感謝申し上げます。
今回の視察研修でも、多様化する大災害に対して、防災・減災の対策としての砂防事業の重要さを勉強できました。やはり平時から危機管理体制強化に努めていくソフト面と砂防事業等による防災・減災対策のハード面の両方から、安全・安心な生活を守っていかなければと痛感した有意義な視察研修となりました。
デジブック 『治水砂防協会犀川支部』
浅間山は有史以降数多くの噴火記録があり、甚大な被害が発生しています。天明3年(1783年)の大噴火では、火砕流に伴う泥流の発生により、嬬恋村(旧鎌原村)では1村約150戸が飲み込まれ、483名が死亡した他、群馬県下では1,400名を超す犠牲者を出しました。
△ 利根川水系砂防事務所神野所長さんから事業概要等の説明をお聞きしました。
浅間山の火山砂防事業は「火山噴火緊急減災対策」として、噴火活動に応じた機動的な対策を行うため、「平常時」と「緊急時」に分けた施設整備を実施していました。
「平常時」として、3t/個のコンクリートブロックを今年度中に22,000個ほど備蓄するなどの「平常時対策工」を行っており、ソフト面でも平成19年度からロールプレイング方式の防災訓練等を実施していました。
また、「緊急時」として、今年度は噴火活動に応じた機動的な工事の掘削・除石・コンクリートブロックによる砂防堰堤の構築等のために工事用道路に着手するとのことでした。
△ 3t/個のコンクリートブロックの製作及び備蓄等について説明を受けました。
午後は、八ッ場ダムの事業概要と工事の視察を行いました。八ッ場ダムは、吾妻川の中流に建設する多目的ダムで、利根川水系の上流ダム郡とあいまって下流部の洪水被害を軽減するものです。また、水資源の有効利用として群馬県及び下流都県の新規都市用水として開発するとともに、農業用水の合理化により行われるかんがい期の用水確保をするもので、治水及び利水上極めて重要な施設になるとのことでした。
△ 八ッ場ダム工事事務所一場広報室長さんから事業内容等を聞いているところです。
△ 不動大橋から撮った八ッ場大橋(湖面1号橋)
事業概要は、用地取得は456ha、家屋移転は470世帯、5地区で代替地を造成し、10月1日に開通した吾妻線は10.4kmを付替し、国道・県道の付け替えは22.8km等の規模で工事がそれぞれ進捗していました。
△ ダム計画地点の仮締切工事風景
△ 川原畑代替地と八ッ場大橋(湖面1号橋)
2日目は、譲原防災センターと譲原地すべり対策事業を視察しました。この事業の指定地面積は約100haで幅が約2,000m、奥行きが約800m、すべり面深度が最大で約50m、移動土砂量は約2,000万㎥と大変大きな規模で驚きました。この対策事業により、人家や田畑、国道などの大きな被害を防ぐとともに、神流川の河道閉塞や下流域の利根川の氾濫等の災害も防ぐための工事であるとのことでした。
△ 利根川水系砂防事務所竹本副所長さん等から説明を聞いているところです。
△ 排水トンネル内の上部から撮った集水井
譲原地すべりの対策工として、地すべりの原因となる地下水を取り除く、「横ボーリング工」「排水トンネル工」「集水井工」で、地すべりの動きを抑える工法と、抑止工だけでは満足な効果が得られない場合に抗やアンカーなどで強制的に地すべりを止める「アンカー工」「抗工」が施されていました。
△ 排水トンネル内で集水の様子等について説明を受けました、
午後は、今年6月に「富岡製糸場と絹産業遺産群」は、重要な文化遺産として顕著な普遍的価値が認められ、世界遺産一覧表へ記載された「富岡製糸場」を視察しました。
ボランティアのガイドさんから、明治5年に全国初となる官営模範製糸場が創設されてから現在までの歴史や、東繭倉庫、検査人館、女工館、ブリュナ館など建物構造や関係した方々の説明、操糸場では器械製糸技術や工女のことなどを詳しく説明していただきました。その中で、長野県と関係する事柄も多く、片倉工業(株)が昭和62年に操業停止して平成17年10月1日に富岡市に管理が移されるまで、1年間に約1億円も投じて維持管理をされて来られたことに感銘を受けました。
△ 多くの皆さんが東繭倉庫の造りなどをボランティアのガイドさん説明を聞いています。
△ 操糸場の中は観光客で大変混雑していました。
△ 富岡製糸場の視察を終えて入口で記念撮影です。
利根川水系砂防事務所の神野所長さんをはじめ職員及び工事関係者の皆さんには大変お世話になり感謝申し上げます。
今回の視察研修でも、多様化する大災害に対して、防災・減災の対策としての砂防事業の重要さを勉強できました。やはり平時から危機管理体制強化に努めていくソフト面と砂防事業等による防災・減災対策のハード面の両方から、安全・安心な生活を守っていかなければと痛感した有意義な視察研修となりました。
デジブック 『治水砂防協会犀川支部』