27日(木)は今年度の区長会視察研修が行われ、3年ぶりに県外への視察研修を企画し、生坂村を朝7時頃に出発し、岐阜県高山市の「NPO法人活エネルギーアカデミー」に10時30分頃に着きました。
NPO法人活エネルギーアカデミーの山崎理事長さんと事務局の澤さん達に視察対応をしていただきました。
当法人は、大自然の恵みをエネルギーとして活用することで、地域を活性化し、豊かな暮らしに貢献したいという思いを持ち2014年4月に設立し、最初は3人で始めたとのことでした。
水曜日と木曜日の午前中に作業をされているということで、近くの作業現場を視察させていただきました。殆どの方が山崎理事長さんより年上で、様々な役職を経験された方や仕事をされている方が力を合わせて取り組まれていました。
間伐材の利活用等の日々の活動は、地域通貨Enepo(1枚500円)の発行により運営にされていて、いつもは17~18名が4個所に分かれて作業をし、安全確保のために段取りをしっかりとして、一気に無理して作業をしてはいけないとのことでした。
鬱蒼としていた森林は間伐作業の結果、日が差し込み植物や動物が蘇り、採集した間伐材や未利用材等の地域資源を有効に活用するために、製材した材を乾燥もして、色々な用途に使われていて驚きました。
箱の中に黒土を入れ、黒土の中のバクテリアの働きで生ゴミを分解する仕組みになっている「高山間伐材キエーロ」により、ゴミの減量化にも取り組まれていました。
昼食後は、事務局の澤さんからスライドを使って説明をしていただきました。
高山市は東京都とほぼ同じ面積の日本一大きい市ですが、その92%が山林を占め、その豊富な森林資源が放ったらかしで、同市では灯油購入のために毎年24億円ものお金が海外へ流出しているという現実がありました。
また、間伐施業で搬出される森林資源を、行政との協働による定期物流トラックが、毎週1回市内13カ所の集積場(木の駅)を周回し、集まった間伐材を市内各事業所へ届ける仕組みになっていました。
この森の恵みは根本から葉先まで余すところなく、木質燃料・炭・薪・家具・建材、葉はアロマや土壌改良剤まで可能な限り利活用されていました。
出荷売上を地域通貨Enepoとして参加者へ還元して、地元飛騨地域で使用できる仕組みとなっていて、地元の飛騨信用組合で現金決済をしていただき、また、デジタル地域通貨「さるぼぼコイン」とも連携していて、森林資源が地元経済を潤していました。
森林の環境保全と里山の暮らしを次世代に継承することを目的とし、地域循環型経済システムの実践活動で、採集した間伐材や未利用材等の地域資源を有効に運搬・利活用するための定期物流便を構築し、その対価を地域通貨として発行、参加者へ還元することで、地域資源による経済圏を形成していました。
その活動が評価され、NPO法人活エネルギーアカデミーが実践している日々の活動である「間伐材の利活用のための定期物流システムと地域通貨Enepoの発行運営による循環型経済モデル」が、2021年度グッドデザイン賞を受賞された他、農林水産省「ディスカバー農山漁村の宝」、・第20回中部の未来創造大賞優秀賞なども受賞されていました。
また、小学生向けの自然エネルギーイベント「子ども大学たかやま」を毎年の夏と冬に開催して、環境教育やゴミ削減プロジェクトなど暮らしをより良くするための試みも行っていて、地域の絆により多くの取組をされていることに感銘を受けました。
本日は大変お忙しい中、NPO法人活エネルギーアカデミーの山崎理事長さんと事務局の澤さん達には、ご丁寧に詳細にご説明をいただき感謝申し上げます。区長さん方は、当村の課題であります森林の保全や活用等に関して、分かり易い説明に納得され、とても良い研修ができたと感じました。
午後4時頃からは、高山市の街並みを見学しながら、有志で高山陣屋も視察しました。
江戸幕府が飛騨国を直轄領とした元禄5年から慶応4年に至るまでの176年間、高山陣屋において、25代の代官・郡代が幕府による飛騨支配のための執務を行いました。
幕末には全国に60数ヶ所あったと言われている代官・郡代所の中で、当時の主要建物が残っているのは、この高山陣屋のみです。
昭和4年には、国史跡に指定され、高山陣屋は明治以降も飛騨の行政の中枢であり続け、昭和44年まで県事務所として建物が利用されました。
そして、県事務所が移転したのを機に、高山陣屋を江戸時代の姿に復元し一般公開するための整備事業が行われ、平成8年、26年あまりの歳月を経て江戸時代の姿が再現されました。
年始をはじめとした重要な年中行事などで使用された書院造りの部屋で、49畳敷の3部屋続きで、高山陣屋内で最大の広さでした。縁側を通して季節ごとに変わる庭の景色も、手入れされていてとても素晴らしかったです。
▽ 毎朝恒例の写真は、朝霧が立ち込めている中、生坂ダム湖畔から木々が色付いていた風景を撮影しました。
生坂ダム湖上空からの風景
その他生坂村では、なのはなでお祝い御膳昼食会などが行われました。