金曜日、取材が終わったのが16時。急いで晩ごはんをつくる。
鳥そぼろ、たこときゅうりの酢の物、はまぐりのお吸い物・・・という手抜き簡単メニュー。でも、みんな好きだからいいや。
はまぐりは1パック298円だった。ちゃんと国産だよ、小さめだったからかな、あさりより安い。ラッキー。
それに、前日炊いたいわしの梅煮。
そして、今度は新しい柄ワンピにまだ1度しか使っていないバッグを出してきていざ出陣。Bunkamuraオーチャードホールへ。
大好きなキースジャレットのソロコンサートでした。
まさかチケットが取れると思っていなかったのに、3月頃ふっと何かで見かけてまだ残ってました。1月発売だったのに。
悩んだ末、購入。5月のこの時期忙しいのはわかっていたけど、きっといい気分転換になる、と信じて。
渋谷に着いて、金曜日の夕方の人の波に押されながら歩いていると、その波を遮るように真横に駆け抜けていく人あり。
例のごとくぼおっしている私は見事に激突される。
うう、うそっ。目で追うと何事もなかったようにそのまま突き進んでいく人。そして、それに動じない人の波。
私はと言えば、げっ、口の中が切れている。恐ろしい。渋谷はこわい。再認識する・・・。
着きました。そして、始まりました。ちょっとアクシデントあり。後述。
生で聴くの初めてです。息を詰めて聞き入る。うっとりと酔う。
最高のしあわせ。
物音どころか咳払いも絶対立ててはいけない、演奏中止になることもある・・・と何かで読んだので、ものすごく緊迫した空気を想像していたけど、思っていたよりずっとリラックスして楽しい時間を過ごす。
前半終了し、休憩時間。ビュッフェに行く。
いいなあ、こういう感じ。並んでワインなんぞ頼もうかと思ったけど、急激にお腹が減ってきたので後半戦に備えてミックスサンドを頼む。
ワイン・・・はやめておこう。前日の寝不足に加えて、今日はたくさん話した疲れもあるから、回ったり眠くなるかもしれないし。
と、・・・ビールを頼む(^^;)。
いや、のどが渇いていたので。
ふたり連れでワインとチーズや生ハムをつまんで過ごす人が多い中、女ひとり窓際でサンドイッチとビール。
はは。まあいいや、こういう時は堂々とする。グビッと飲んだビールはとってもおいしかった♪
後半も素敵だった。心に染み入る。いや、ことばでは表現できないです。
アンコールは5回もあって、キースは何度も出てきてくれて、大好きな曲2曲も弾いてくれて、涙が止まらなかった。
よかった。思い切ってきてよかった。
終わって渋谷に向かったのですが、今度はふたり連れ。・・・なぜかというとね。
実は開演前のアクシデント。
オーチャードホールは初めてだったのでキョロキョロしていたら、係の人が案内してくれてホッとして座っていたのです。
そしたら、「あの・・・そこ、間違っていませんか」という男性登場。
「え、3階のここですけど」ってチケットを見せる。「係の人に案内してもらったんですけど」って。
そしたら、「あの・・・ここ2階です。」
え・・・うそ。わわわ、ほんとや、どうしよう、間違っている。
慌てて移動しようとしたら「いいですよ。2枚買って余っているので、ここの方がきっといい席だと思いますので、座ってください」とのお言葉。
そう、私が買ったのはS席。座ったのはSS席。6000円も高い。
ひえー、どうしよう・・・と思いつつ、「ではお言葉に甘えて」と、その男性のお隣に座らせ続けてもらったのでした。
1部と2部の間、終演後と、いろいろお話させてもらう。
私より少し?はるかに?若い男性。何回か来ているとのことで、よくご存知なので、いろいろ聞いていて楽しい。
コンサートの間気になったことがあって、曲が終わってしばらくは音の余韻を味わってから拍手ってするもんだと思ってるんだけど、フライングする人が結構いて、かなりイラっとした。
そしたら、彼もおんなじこと考えていたようで、想いを分かち合う。
この日は録音していたので、それを意識しての人もいるんじゃないか、などと言い合う。
だって、昔、ピアノの先生が言ってた。鍵盤を指が離れても、演奏が終わったわけじゃないって。そこまで心や意識をつないでおかないといけないって。
私や子どもの習いごとでもそうだ。まして、キースのコンサートで・・・と思ったから。
そうこうして話しながら気がつくともう渋谷駅。
「ひとりでお互い来ていて、こんな風にお話することがあるなんて思いもしなかったですね」なんて言われる。
「そうですね、ほんとに、ありがとうございました」と、お礼を行って別れる。
あー、親切な人だった。ありがたかった。
でも、ん?もしかしたらあれは新手のナンパか?
いや、きっとちがう。キースのファンの人に限ってそんな人は絶対いない。うん。
よかったなあ。早くまたCDが聴きたい、って思って帰ってきたけど、まだ聴いてません。
耳や心に余韻が残ってる。即興曲の数々は初めてでも懐かしい気持ちになるものがたくさんあった。その気持ちをまだ少し味わっていたい。
音楽は人を豊かにさせる。
心地いいと思うものをこれからもずっと聴いていきたい。
また来年、行きたいな。でも、それはおいといてまだしばらくじわじわと感動にひたろう。