はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

交通整理員

2017年09月15日 | 日々の出来事
2017/09/16

新聞の投書欄に、炎天下の交通整理員が心配だという投書があった。
私と同じことを考えている人がいると思った。
私も彼らが気になっていた。

最近、やや涼しくなったものの、まだ一日中、日の当たるアスファルトに立っているのは
さぞかし暑いだろう、連日で体は大丈夫なのだろうか。

7月前半は、東京でも35度以上の猛暑が続いていた。
そんなとき、うちの近くの道でその老人を見た。

小柄な老人で、道路工事の交通整理員だった。
猛暑の中、長袖、長ズボン、ヘルメット姿。
工事の場所から少し離れ、その老人は交通誘導をしているようには見えなかった。
そばの電柱に手をついて、それを支えにかろうじて立っているようだった。
具合が悪いのではないかしら、大丈夫だろうかと気になった。

もうかなりの歳で背も曲がっていた。
こんな歳の人でも、仕事に出ないと生活していけないのだろうか。

その人は仲間たちから仕事をはずされ、その場所にいるよう言われたのかもしれない。
その場所はあたりで唯一の木陰だった。

ちょうど踏み切りだったので、止まったとき、気になって老人を見ていた。

その場を通り過ぎ、帰り道にまた同じ所を通ると、
その老人はまだ電柱に手をついて立っていた。

3時間前と同じ姿勢だったが、老人が座っていないことに驚いた。
仕事中だから、座らないと決めていたのだろうか。

私だったら1時間も立っていられないほどの暑さだった。
心配なような悲しいような気持ちで、私は通り過ぎた。

その後、その場所の工事は続いていたが、もう老人はいなかった。

もう、仕事に出られなくなってしまったのかもしれない、
いや、亡くなってしまったのかもしれないなどと考えたりした。

それから2ヶ月たった数日前、同じ場所を通ると、また道路工事をしていた。
そして、あの老人がいた!

確かにあの老人だった。
あのときより元気そうに見えた。
「あ!生きてたのね。」と思った。

何だかほっとした。
それだけのことである。


コメント
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