2023/08/30
宮崎駿作品『君たちはどう生きるか』を
見てから1ヶ月ほど経ちました。
その後作品の評価はどうなっているのでしょうね。
宮崎監督は今も何も語っていないですね。
内田樹氏のサイトを見たら
映画の感想が載っていました。
それがかなり興味深かったのです。
それで少し引用させていただきます。
↑ 詳しくはこちらをお読みください。
もうネタバレも大丈夫ですね。
以下は内田氏の文章からの引用です。
〈 〉内は引用
〈物語のあらすじを大雑把に言うと、「少年が母を探しに黄泉の国に行って、さまざまな〈母の代理表象〉たちと出会い、彼女らと共に黄泉の国を冒険した後、母を断念して、現実世界に帰還する」ということになる。〉
〈少年が母を探して「黄泉の国」を旅するという物語はたぶん世界中の神話にある。それは世界中のすべての集団に少年のための「通過儀礼」があるからである。 〉
〈宮崎駿は「出来合いの説話原形」を棄てて、ストレートで、救いのない「母探し」と「母との出会いの失敗」の物語を生涯最後の作品の主題に選んだ。〉
・・・・・・・
私自身は、前にも書いたように
主人公の少年は冒険のはてに
母への諦めがついたのだと感じたのです。
母への諦めがついたのだと感じたのです。
受け入れがたかった現実を受け入れて
生きていくのだと決めたのだと解釈したのですが。
(それが成長ということだ)
(画像はネットよりお借りしました)
〈宮崎作品は子どもでも楽しめて、エンドマークが出たときに小学生でも「ああ、面白かった」と笑いはじけるような作品をめざしてきたはずである〉
こうすれば観客は喜ぶというやり方を
宮崎監督は知っていたはずなのに
今回はそれを封印した、とあります。
「トトロ」や「ポニョ」のように
夏休みに子どもが見に行くような作品ではない。
誰でも楽しめる作品というわけではないですね。
誰でも楽しめる作品というわけではないですね。
監督は「これが最後の映画」と
過去に何度も言っているけれど
ほんとうにこれが最後のつもりなのか
走馬灯のように
今までの作品を彷彿とさせるものが
出てきましたね。
答えの容易に分からない映画を作ったことで
次の世代に引導を渡したと思うのですよ。
君たちはそれぞれのやり方を決めなさい。
それで生きていきなさいと。
〈どうして、「こうすれば観客は喜ぶ」仕掛けをあえて封印したのか、それについては宮崎駿自身の言葉を私は聴きたいと思う。そして、それを読んで「ああ、なるほど、そうだったのか! こんな皮相な解釈をして、オレはあさはかだった・・・」と髪をかきむしるという経験をぜひしたい。ほんとうに。〉
と書いて内田氏は締めくくっています。
私もね、的外れかもしれないなあ
と思いながら
宮崎作品のテーマについて
ああでもない、こうでもないと
考えるのが好きなんですよ。