はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

上間陽子著『海をあげる』

2021年12月21日 | 

2021/12/21

 

今年の「Yahoo!ニュース 本屋大賞2021 ノンフィクション本大賞2021」

を受賞した

上間陽子さんの『海をあげる』を読みました。


  
 

上間さんの本は、『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』から

2冊目ですが、『裸足で逃げる ∼』は

衝撃的な内容と、上間さんの少女たちへのまなざしに

強い印象を与えられた本でした。


 

 

その上間さんの書かれた『海をあげる』が、

本屋大賞を受賞したということなので

ぜひとも読まなくてはと思いました。

 

冒頭の「美味しいごはん」を読み始めたときは

なぜ、これを書くのか・・? 書く意味は?

と疑問が浮かんだのです。

それは前夫と自分の友人との不倫の話でした。


訝りながら読んでいったのです。

しかし

「『あなたにも傷ついた記憶があるのではないですか』と

読者に問いかけたかった」

という上間さんの意図を知って

なぜ書いたかが理解できたのでした。


自分の傷つきを書きながら、自分の心を整理し

誰でもみんな心に傷を持っているはずだからと

痛みを共有する。


もっと傷ついていて

助けを求めている人々のことに思いを馳せること

それが必要なのではないか

と問いかけているのだなと思いました。


 少し引用させていただきます。


美味しいごはんより

ご自分の娘に向けて語る言葉です。

「つらいことがあっても、自分でご飯を作って空腹を満たして、それを乗りこえていけたらいい。
そしてあなたの窮地に駆けつけて美味しいごはんを作ってくれる友だちができたなら、あなたの人生は、たぶん、けっこう、どうにかなります。
そういう友だちと一緒にいながらひとを大事にするやり方を覚えたら、あなたの窮地に駆けつけてくれる友だちは、あなたが生きているかぎりどんどん増えます。」(P.30~31)


ダ・ヴィンチニュースより

 

『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』

の感想を書いたブログ記事もお読みください。

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日本人は世界一座っている国民 | トップ | 明日から、いよいよフィギュ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

」カテゴリの最新記事