2021/04/02
こんなニュースがありました。
〈米アップルが音声アシスタント機能のSiri(シリ)」について、女性の声をデフォルトとすることを取りやめることがわかった。 アップルは3月31日、アシスタント機能は利用者に対し、設定する際にさまざまな声の中から選択するよう求めると明らかにした。
利用者は現在、声を男性のものと女性のものから選べるほか、アクセントも米国や英国、インドなど6種類から選択できる。
しかし、米国では女性の声がデフォルトとなっている。英国など一部の国では男性の声がデフォルトとなっている。〉 サンフランシスコ(CNN Business)
https://www.cnn.co.jp/tech/35168691.html
これは興味深いことだなあと思いました。私はSiriの声の性別について考えたことがなかったのです。
アメリカでは女性の声、英国では男性の声になっているのですね。英国で男性の声というのは、執事の文化でしょうか。
〈Siriやアマゾンの「アレクサ」など音声アシスタントにおける男女をめぐる固定観念は長い間、懸念材料となっている。国連は2019年に発表した報告書で、音声アシスタントが、女性は愛想がよく、従順で、心を込めてもてなす助力者であり、ボタンひとつや、ぶっきらぼうな声による命令で利用できるという考えを固定化させると警告していた。〉
なるほど~
この記事のコメント欄を読むと、これがまた興味深く、女性の声のほうが高くて聴き取りやすいという意見が多かった。(上記リンク記事にはコメント欄は出ていません)
私自身についていえば、女性の声のほうが聴き取りやすいという感覚はないのです。男性でも、女性でも、聴き取りやすい人は聴き取りやすい。
アナウンサー、俳優、声優など話す訓練をしている人は、みんな聴き取りやすい。
赤ちゃんや幼い子は高い女性の声を好むと言われていて、NHKの歌のお姉さんは、かなり高い声の人がいつも選ばれますよね。
いっぽう、女性アナウンサーでは低い声のほうが落ち着いて聴こえるというので、NHKの渡辺あゆみさんなどは意識して低い声で話すときいたことがあります。
だから、Siriの声は国連の報告書がいうように、男性、女性のどちらにものを頼みやすいか、という無意識の性別役割観に基づくのではないのかと、私も思います。
例えば私自身、知らない男性と女性がいるとして、「ちょっと、テレビつけて」とどちらに頼むだろうかと考えると、やはり素直に動いてくれそうなのが女性と考えて、女性に頼むような気がします。
Siriの声ひとつにも、無意識に刷り込まれた役割意識があるんだなあと気づかされたことでした。
蛇足ですが、深みのあるいい声(イケボ)だったら、私は女性・男性どちらも歓迎です。