コイズミ劇場と呼ばれたあの熱狂的な選挙で
55年体制への支持を改めて選択したひとびとは
その結果として
生活の質を落とさざるを得なくなっていくこととなり
困窮する日々の暮らしに耐えながら
切羽詰まった状況へと追いやられいった
この四年間におきた変化のなりゆきを
ひとり静かに 噛みしめているのではなかろうか
あのファナティックなまでの盛り上がりは
マスメディアの行った脚色が
もののみごとに功を奏したものであった
熱狂から醒め
冴えた意識を取り戻したひとびとは
アンシャン・レジームへの回帰は
幻影に過ぎなかった
ということを既に悟っている
当時扇動役を果たしていた報道する側のメッセージを
受け容れたことで生じたさまざまな変化は
次の選挙では反転する
振り子が行って戻ってくるのと
それは同じことである
国民にハイブリッド内閣を受け容れさせた
あの
時の勢いというものが
最終的に
大きな不幸を国民にもたらした
ということができるだろう
米政府の慫慂に従い
外資を導入する政策を素直に実施したことにより
一次的に流動性の厚みを増やすことに成功したのだったが
それは
貧困へと至る道の門をあけるためのカギに過なかった
国際金融資本(ドル資本ということもある)が
本国で計上した収益の巨大さは
そっくりそのまま
日本をはじめとする諸外国の
極めて善良な国民が失ってきた得べかりし利益と
アメリカへと移転させたそのボリュームの大きさとを
等式で結ぶための単純な図式を構成するが如きものになっていた
全体で100となっている系では
一方の増加は他方の減少を意味する
日本の経済成長率がバブル期のように
ドル資本の調達金利よりも十分に高いものであれば
富の大量漏出はおきなかった
大部分の資本は本国へと還流することなく
そのまま再投資へと向かっていくからである
ところが
低い経済成長率のまま
外資を導入し続けていると
投資家への利益還元を実行しなければならないドル資本は
日本市場で獲得した収益の総てを回収せざるを得なくなるのだ
このようにして日本経済のダイナミズムは
流動性の厚みを見掛け上増やしつつ
実際には
カネの回らない枯れた市場となることを強制されていたのだった
その結果
労働環境の劣化が真っ先に現象として発生したのだが
それに伴って
出生率の低下も後追いで起きるようになっていったのである
ドル資本が収益を本国へ還流させるときには
円が高くなっていた方がより多くのドルが得られるので有利なのだ
その反対に
利益を投資家へと還元したあとで
日本市場へ新たな資本を押しつけるときには
ドルが高くなっていた方が資本効率はより高まる
ドルの通貨価値を安くするのをドル安政策というのだが
これは
ドルの発行権をもつアメリカには簡単にできる技なのだ
ドル通貨の需要を高めてやりさえすれば
ドルの価値を引き上げながら
ドル紙幣を新規に追加発行することができる
その手段として
ドルで決済する原油相場を制御するシステムが作られた
原油価格が五年に亘って
延々と
引き揚げられていたという不自然な経過が記録には残されている
イラク戦争で必要な戦費を増税なしで調達するためである
どんどん高くなっていった原油相場は
アメリカにドルの追加発行を合法的に実施させる結果をもたらした
ドルの発行量を増やさないと
ドルの価値は必要以上に高められ
極端なドル高状態が延々と続くようになる
その対策として
発行し過ぎて余らせたドルを速やかに回収し
それを先進諸国に売りつける仕組みが85年に作られた
当初はG5の参加国がそれぞれの公的資金で市場介入し
高くなりすぎたドルの価値を
共同で引き下げることが合意されたのだった
その後
過剰流動性をより高めたドルを円滑に回収する方法が考案され
それをファンダメンタルズの結果であるとして
ことあるごとに
米政府に責任のあることではない
とするコメントを大統領を通じて頻繁に公表してきたのだった
その後組織化されて巨大化したドル資本が
高められたドルとその価値を手段とすることによって
特定の外貨を買い占めるようになっていったのである
ドル安政策とは
その対象が日本であった場合
余ったドルの過剰流動性を消し去りながら
対円でおおきなドル安効果を引き出すためのものなのだ
ドル安と円高はイコールであるため
ドル資本によって勝手に高められた円の価値を
政府日銀は元の水準へと引き下げなければならなくなった
そこで為替市場へと頻々と介入する事態となり
大量の円を売ってドルを買いつづけ
市場の力学作用を装って引き下げられたドルの価値を
公的資金(財務省発行の短期証券)を用いて
それを元の水準へと戻さなければならなくなっていったのである
この強制された状況へと追い詰められていった結果の総額を
外貨準備高と呼ぶのである
その総額は
邦貨換算で100兆円の大台を超える規模に上っている
この市場介入したことによって得たドルは
その90%がアメリカの公債へと化けている
ドル安政策とは
ドルの発行権を最大化すると同時に
米国債などのドル建ての債券を諸外国に率先して買わせるよう仕向け
しかも
その債務負担をドルの価値を自ら引き下げることによって
時の経過とともに大きく軽減させる
というアメリカにとってまことに都合のよい戦略になっていた
ドルが下がっているうちは
ドル建ての債権を売っても
元の外貨へとそれを戻すことはできない
損失を確定させてしまうことになるだけなのだから
このようにして富のアメリカへの一極集中が拡大し
世界は温暖化と貧困化の十字砲火を浴びることとなったのである
55年体制は
アメリカの戦略を実行するための機関に堕していたのだったが
それを国民に悟らせなかったのは
核の傘による安全保障が必要だと
国民の多くが信じ込んでいたからであった
報道機関の姿勢そのものが偏った状態になっていたことから
国民が真実を知る機会は長く失われることとなったのだが
その不幸な期間は四年を経て漸く終わることになるだろう
バブルを潰してデフレ経済を生み出し
回復過程でドル資本の跳梁を率先して許してきた
55年体制とそれを強化したコイズミの罪は
極めて重い
生活を困窮させることとなった国民は
その原因となったものを体験から学んだことにより
政権選択の機会を今や遅しと待ち構えていた
この間の事情に疎い極端に米国よりの牢乎たる政権は
情勢に押されるがまま
避け続けていた解散総選挙を
やむなく実施せざるを得なくなっていったのだった
この経過のもつ意味をみれば
結果はおのずから明らかとなるだろう
寛容な国民の健全な思いを裏切ると
その結末は原因を生み出した者のところに
報いとなって現れるのだ
※怜悧な観察者には、四年前の時点でこの結果が既に判っていたはずである。
法則を知る者は判断を誤ることがない。
身の不幸は、当時の安易な熱狂の結果であった。
愚かさを嘆いてはならない。ものには必要なプロセスというものがあるのだ。
学習したことを生かすときが、近い将来やってくるだろう。
55年体制への支持を改めて選択したひとびとは
その結果として
生活の質を落とさざるを得なくなっていくこととなり
困窮する日々の暮らしに耐えながら
切羽詰まった状況へと追いやられいった
この四年間におきた変化のなりゆきを
ひとり静かに 噛みしめているのではなかろうか
あのファナティックなまでの盛り上がりは
マスメディアの行った脚色が
もののみごとに功を奏したものであった
熱狂から醒め
冴えた意識を取り戻したひとびとは
アンシャン・レジームへの回帰は
幻影に過ぎなかった
ということを既に悟っている
当時扇動役を果たしていた報道する側のメッセージを
受け容れたことで生じたさまざまな変化は
次の選挙では反転する
振り子が行って戻ってくるのと
それは同じことである
国民にハイブリッド内閣を受け容れさせた
あの
時の勢いというものが
最終的に
大きな不幸を国民にもたらした
ということができるだろう
米政府の慫慂に従い
外資を導入する政策を素直に実施したことにより
一次的に流動性の厚みを増やすことに成功したのだったが
それは
貧困へと至る道の門をあけるためのカギに過なかった
国際金融資本(ドル資本ということもある)が
本国で計上した収益の巨大さは
そっくりそのまま
日本をはじめとする諸外国の
極めて善良な国民が失ってきた得べかりし利益と
アメリカへと移転させたそのボリュームの大きさとを
等式で結ぶための単純な図式を構成するが如きものになっていた
全体で100となっている系では
一方の増加は他方の減少を意味する
日本の経済成長率がバブル期のように
ドル資本の調達金利よりも十分に高いものであれば
富の大量漏出はおきなかった
大部分の資本は本国へと還流することなく
そのまま再投資へと向かっていくからである
ところが
低い経済成長率のまま
外資を導入し続けていると
投資家への利益還元を実行しなければならないドル資本は
日本市場で獲得した収益の総てを回収せざるを得なくなるのだ
このようにして日本経済のダイナミズムは
流動性の厚みを見掛け上増やしつつ
実際には
カネの回らない枯れた市場となることを強制されていたのだった
その結果
労働環境の劣化が真っ先に現象として発生したのだが
それに伴って
出生率の低下も後追いで起きるようになっていったのである
ドル資本が収益を本国へ還流させるときには
円が高くなっていた方がより多くのドルが得られるので有利なのだ
その反対に
利益を投資家へと還元したあとで
日本市場へ新たな資本を押しつけるときには
ドルが高くなっていた方が資本効率はより高まる
ドルの通貨価値を安くするのをドル安政策というのだが
これは
ドルの発行権をもつアメリカには簡単にできる技なのだ
ドル通貨の需要を高めてやりさえすれば
ドルの価値を引き上げながら
ドル紙幣を新規に追加発行することができる
その手段として
ドルで決済する原油相場を制御するシステムが作られた
原油価格が五年に亘って
延々と
引き揚げられていたという不自然な経過が記録には残されている
イラク戦争で必要な戦費を増税なしで調達するためである
どんどん高くなっていった原油相場は
アメリカにドルの追加発行を合法的に実施させる結果をもたらした
ドルの発行量を増やさないと
ドルの価値は必要以上に高められ
極端なドル高状態が延々と続くようになる
その対策として
発行し過ぎて余らせたドルを速やかに回収し
それを先進諸国に売りつける仕組みが85年に作られた
当初はG5の参加国がそれぞれの公的資金で市場介入し
高くなりすぎたドルの価値を
共同で引き下げることが合意されたのだった
その後
過剰流動性をより高めたドルを円滑に回収する方法が考案され
それをファンダメンタルズの結果であるとして
ことあるごとに
米政府に責任のあることではない
とするコメントを大統領を通じて頻繁に公表してきたのだった
その後組織化されて巨大化したドル資本が
高められたドルとその価値を手段とすることによって
特定の外貨を買い占めるようになっていったのである
ドル安政策とは
その対象が日本であった場合
余ったドルの過剰流動性を消し去りながら
対円でおおきなドル安効果を引き出すためのものなのだ
ドル安と円高はイコールであるため
ドル資本によって勝手に高められた円の価値を
政府日銀は元の水準へと引き下げなければならなくなった
そこで為替市場へと頻々と介入する事態となり
大量の円を売ってドルを買いつづけ
市場の力学作用を装って引き下げられたドルの価値を
公的資金(財務省発行の短期証券)を用いて
それを元の水準へと戻さなければならなくなっていったのである
この強制された状況へと追い詰められていった結果の総額を
外貨準備高と呼ぶのである
その総額は
邦貨換算で100兆円の大台を超える規模に上っている
この市場介入したことによって得たドルは
その90%がアメリカの公債へと化けている
ドル安政策とは
ドルの発行権を最大化すると同時に
米国債などのドル建ての債券を諸外国に率先して買わせるよう仕向け
しかも
その債務負担をドルの価値を自ら引き下げることによって
時の経過とともに大きく軽減させる
というアメリカにとってまことに都合のよい戦略になっていた
ドルが下がっているうちは
ドル建ての債権を売っても
元の外貨へとそれを戻すことはできない
損失を確定させてしまうことになるだけなのだから
このようにして富のアメリカへの一極集中が拡大し
世界は温暖化と貧困化の十字砲火を浴びることとなったのである
55年体制は
アメリカの戦略を実行するための機関に堕していたのだったが
それを国民に悟らせなかったのは
核の傘による安全保障が必要だと
国民の多くが信じ込んでいたからであった
報道機関の姿勢そのものが偏った状態になっていたことから
国民が真実を知る機会は長く失われることとなったのだが
その不幸な期間は四年を経て漸く終わることになるだろう
バブルを潰してデフレ経済を生み出し
回復過程でドル資本の跳梁を率先して許してきた
55年体制とそれを強化したコイズミの罪は
極めて重い
生活を困窮させることとなった国民は
その原因となったものを体験から学んだことにより
政権選択の機会を今や遅しと待ち構えていた
この間の事情に疎い極端に米国よりの牢乎たる政権は
情勢に押されるがまま
避け続けていた解散総選挙を
やむなく実施せざるを得なくなっていったのだった
この経過のもつ意味をみれば
結果はおのずから明らかとなるだろう
寛容な国民の健全な思いを裏切ると
その結末は原因を生み出した者のところに
報いとなって現れるのだ
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※怜悧な観察者には、四年前の時点でこの結果が既に判っていたはずである。
法則を知る者は判断を誤ることがない。
身の不幸は、当時の安易な熱狂の結果であった。
愚かさを嘆いてはならない。ものには必要なプロセスというものがあるのだ。
学習したことを生かすときが、近い将来やってくるだろう。
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