こ と の 端

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浅 慮 の 果

2015-11-01 08:22:24 | Weblog
ドル余り現象が

あのリーマンショックを引き起こした

そのたった一つの

原因

となっただけでなく

あの中国をして

経済大国へと短期間で押し上げた末

人民元を基軸通貨にしたい

という強い意向をもつようになった

独裁政権の維持

に執着せずにはいられない共産党政府が

アジアインフラ投資銀行の設立を急ぎつつ

IMFによる信認を近く得て

世界の主要通貨になろうと努めてきたことが

この度

晴れて実現する見込みとなった


世界経済が逼塞しようとする時代に備えて

資本量を十分確保しておきたい立場のIMF



共産党政府との利害関係がたまさか一致した

ということが

SDRの枠を拡大する契機となった


近い将来

主要通貨として認められるその時に備えて

人民元の通貨価値を

予め引き上げることによって

通貨としての人気を

可能な限り

博めておきたい立場の党指導部は

手持ちの外貨準備を減らしてでも

人民元を買い戻して

その価値を一際高める

という愚挙へとひた走る姿を世に晒し

尚一向に恥じないことが

そもそも不可解


価値を高めた人民元は

この措置がとられたことによって

政府自らが主導する通貨価値の変更

を逆手にとる海外投資家の手によって

相対的に価値を引き下げられた状態にあったドルを

効率よく買い戻すことが

これで難なく可能となった


この変化がブーメラン効果で

やがて

己の首を絞めることになってゆく

哀れなものだが

避けることは最早できない


人民元が安くなっていたというのは

ドルによる投資が急激に募り

人民元の通貨価値を

それが集中することで

ひたすら高めていく

という潮流の発生が寄与した

必然の帰結


アメリカが対抗措置をとるよう仕向け

共産党政府は疑いもせずに

人民元を売ってドルを買い続けていた


他に選択の余地はなく

しようことなしに

人民元を大量に売り浴びせて

それより多くのドルを買い取るよう

共産党政府に吹き込んだ


この段階で

通貨価値の将来の調整

が不可欠の条件となったのであり

その後の一連の変化を

生み出す契機となったという次第


ドル安政策に対するカウンター攻撃

をやっていただけ

という単純な行為

と指導部は錯誤し続けるようになっており

思慮を欠いた行動を

疑いもなく

善と信じて行ってきた

中国大陸での常識は

世界にとっては

余りに素朴な非常識


結果として

大量のドルを手に入れてしまうこととなり

米国債を大量に買って

資産へと繰り入れることに

成功しはしたのだったが

取り戻すことのできない不良債権を

積み増しただけのことに過ぎなかった


ドル建ての資産を売却しても

最終的に人民元を買って

大陸へと送金しなければならないため

為替がドル高元安になっていない以上

損失を徒にただ増やすのみ

塩漬けか

損失の甘受か

の二者択一を

米国債を買ったものは

常に迫られる

その先鞭をつけたのが

この日本


外貨準備比率

を高める行為が

公的資金による為替介入の本質成分となっている


人民元の通貨価値を

政府の都合で高値へと誘導する行為は

外貨準備を減らして

信用力を落とすこと


米国債を大量に買ったとしても

それは取り戻すことのできない

資産を積み増す行為とひとしい


中国大陸へと資産を呼び戻そうとすれば

ドル建ての債権を市場で売却し

そこで得たドルを為替市場で売り

自国通貨である人民元を

改めて買い戻さなければならない


この時ドルの価値が

引き下げられた状態にあるのなら

自らの意志で

価値を意図的に高めておいた人民元を

更に買い進める必要に迫られて

為替差損の拡大を

常に許容していなければならない

という実に愚かなことになる


売るに売れない塩漬け資産を大量に抱え込み

米政権が自由に使える資本を

大量に与え続けることに邁進し

外貨準備を高めつづけて

ついに日本のそれを四年前までに

追い抜いた


その後事態の意味を察知して

米国債への投資を減らし

手持ちのドルを

債権から軍事力の拡大へとシフトさせ

欠けていた海軍力を増強させる

という道を選び取り

空母遼寧を買い取った


それがアメリカの警戒心

を呼び覚ますきっかけとなり

中国本土からの資本回収

を急がせる動因形成

へと繋げさせた


資本の流出が加速するようになり

国内市場に外国資本を呼び戻そうとして

株式市場に再投資を促すための

上げ相場を演出し

政府による株高誘導を

集中的に行ったということが

直後の暴落へと中国経済を導いた

まことに自業自得と呼ぶべき

皮肉なことが

経済大国を自認するようになった国に

起きるようになっていた


この演出が世界中の投資家を慎重な姿勢へと変え

資本流出が一層加速するようになって

元は売られて安くなり

ドルの価値は反対に高まった

世界中の投資家が

中国経済への不信感を募らせていったことから

資本の流出を推しとどめようとして

人民元の価値を逆に引き下げて

流出を阻害しようと試みた

元安ドル高になっているとき

ドルを買えば

為替差損を引き寄せるだけ


それが市場経済の枠組みを逸脱する行為

となっていたたことから

中国経済の信用度は地に落ちた


経済はドラスティックな変化を好まない

中国経済の悪化を承知していながら

緩慢な衰弱となるよう

第二当事者の総てが

軟着陸するよう

切実に願っている

ということが

中国経済の成長率に潜むウソ

を敢えて暴かないようにする

という経緯をもたらした



既に後に引けなくなっていた

中国の経済成長率は

目標としていた7%成長から

たった0.1%下がっただけとなり

6.9%の成長率

として一回限りの速報値

となるよう義務付けた

この恣意的な数値操作が

世の不審を一層強めることとなり

資本流出をますます早めさせていく


事態の急変に

焦った共産党政府が

損を承知で

外貨準備を急ぎ取り崩し

大量の人民元を買い戻す

という暴挙でた

ということが

更なる禍を

後に連れてくることになってゆく


人民元の価値が

共産党政府の手によって

高値誘導されたとき

逃げ出したがっていた在留資本が

機を得て一斉に流出の足を早め

その過程で差損だったものが

差益へと変化して追い風となり

共産党政府が資産

として計上していたものの多くが

失われてしまうようになる


不労所得の増加で急拡大した

世界第二の経済大国の命運は

既に先が見えている


AIIBに投資が将来集まってくるのなら

人民元の需要は高まって価値は上昇し

外貨準備を取り崩す理由など

一切消えている状態が訪れる


人民元高という傾斜

を無視した異常事態の出現は

資産の流出を却って急がせ

破局の到来をより速める


経済認識能力というものを育てる機会

を歴史的に奪われていた

中国大陸の為政者たちは

そのためにアメリカが過剰供給して

膨張させたドル余り現象を

始末するための方便として

経済大国としての地位を与えられたのだったが

背景を考慮せずに

実力が上がった結果だと

夜郎自大に錯誤した


この単純な思考回路が

世界のお荷物となり

南シナ海や東シナ海で

無用な軋轢を

ひとり勝手に高めている


重ねがさね

愚かでしかないことに

要らぬ費用を無分別にかけて

飽きないのが摩訶不思議


自らの不明がもたらしたその結果

損失の膨張を加速させながら

経済の収縮を自ら率先して実演する

破目へと陥っていながらも尚

事実関係をみないまま

盲目的に力任せに振る舞っている

姿こそまことにあはれ


心がけの悪さというものが

結果の拙さを連れてくる

という必然的な顛末の到来を

共産党政府と中国人民とは

そう遠くない将来に

甘受せざるを得なくなる


謙虚な姿勢を放棄した為政者は

自らの手で

墓穴を掘るのだ

不毛な結末を

正しく読み込めるようになったとき

中国大陸に

あって然るべきその未来が

改めてやってくる

傲岸な姿勢は強者ではなく

愚か者の証でしかない

産業が育っていない国土で

資本の流出がおきたなら

国家の未来はどうなるのか

そこを考えない姿勢こそ

世界に迷惑の種

を生み散らかしている

その根源


変化の経緯を眺めていると

農業国へと戻ることしか

おそらく

できまい

身の程を知らない成り上がり

が得ることになるのは

喪失のみ


再出発のスタートラインは

多分

そこ


推移をただ眺めているだけで

中国の健全化を助けることになるだろう

利益を獲得しようとして

大陸に関与しようとしてきた企業が

真っ先に損失を計上することになっていく

不要な関与は

事態を却って悪くする

大陸に固有の潜在成長力を引き出す

ということが

中国市場に

地に着いた求心力を与えるための

基礎となる


目先の利益獲得に走って

ドル余り現象を産み落としてきたアメリカの



はまことに深い

問題の本質は

そこにある
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