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エゴは独り歩き

2008-06-09 12:48:53 | Weblog
ただ電気を消しても、それをエコとは呼べない。事実を誤って解釈するのは、人間のエゴ。確かめないのは怠慢。
環境省がまとめた分野別のCO2排出のランクでは、電力会社がダントツのトップ。これは当然のことなのだ。なぜなら、火力発電所の多くが蒸気の力で発電機を回しているのだから。

水は100℃で沸騰する。この程度の低い温度では、あの重いタービンを回すことはできない。そこで蒸気を圧縮することによって熱を高め、発電機を安定的に回す力にかえている。蒸気機関車が止まっていても煙を吐いているのは、蒸気圧を高い状態に保っていなければならないから。

消費者が電気を消しても、発電所の燃焼炉では火を落とすことができない。それは蒸気発電という方法を選択したからだった。国が、発電で消費した化石燃料の量から、1kwhを発電した際に生み出したCO2の量を割り出し、節電した時間とその単位を単純に掛け合わせて削減した数値として定めた。 科学的根拠は蚊帳の外。だって、燃焼炉は動きつづけてイタのだから。

名目だけの数字を積み上げて満足していたところへ、実際に二酸化炭素が増えていたという動かぬ証拠を突きつけられ、電力会社と経産省はこれから明確な対応を迫られる。
国が世界に呼び掛けているセクター別の集計に、コトの真相が表しだされるようになったから。問題の所在が明らかになれば、有効な対策を立てることはすぐできる。いままでは、節電すればそれがエコ。メディアによって国民が騙されていた。報道機関から判断能力とチェック機能が失われて、すでに久しい。ココカラ、ナオシテいかナケレバ・・・

マスメディアがいうエコとは、根拠と効果のないうわべだけのもの。この事実を知っていれば、国が膨大な予算を投じて温暖化対策を推進していながら、二酸化炭素が却って増えていた本当の理由を知ることができる。
京都議定書は日本に1990年度の実績を基準として、2012年までに6%の削減を義務付けた。これまでの経過をみると、二年前のデータでは12%以上を期限までに削減しなければならない。この間に増加していると思われるCO2を加算すると、数字はもっと大きなものになる。

現実を正しく認識していないと、善と信じて不善を為す。当事者には見えていないことであっても、真実を知る者の目からみればその正体はあきらか。根拠なくエコを振りかざすのは、エゴ。間接情報を確かめず鵜呑みにするのは、デマに盲動する集団心理。己を知れば、百戦アヤウカラズ。
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