こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

調 和 の 効

2015-10-11 08:54:42 | Weblog
利益の拡大を手段とする

古典的な

資本の論理

というものは

これまでのところ

経済成長の原動力となることが

問題はあるにせよ

辛うじてできていた


利益の量的拡大が飽和する時代を経て

質的向上へと

そのベクトルだったものは

方向性を失って

やがて

スカラーへと

切り替わる


ドル余り現象を緩和させようとして

過剰流動性を北米大陸へと呼び戻すために

公定歩合の引き揚げ

が予てから上程されているのだが

実施に踏み切ることは

一再ならず先送りされてきた


低利の資本が金融メカニズムの上に乗り

世界中を借金漬け

の状態となるよう仕向けててきた

外国資本からの融資

を呼び込んで成り立ってきた

新興国の経済形態は

資本の本国への回収

を意味する

還流のうねりと

それによる抗いがたい流出

とに見舞われて

たちまち立ち竦む

ということになるだろう


新興国の経済は

市場で余ったドルを活用する目的で

投資勢力による過剰融資の果て



世界規模でほぼ一斉に発生した

新たな信用経済のトレンドに乗じて

経済規模をドルショック以降

偶発的に拡大させる

軌道上を突進し続けてきた


ドル金利の上昇は

もはや避けがたい

事態


実施時期を調節することしかできないFRBにとって

世界市場に出回っている大量のドル

を引き揚げる効果を持つ

金融政策の変更とその実施とは

国際経済の在り方に

重大な影響を及ぼす


経済成長が成り立っているからこそ

外資による市場の育成が意味を持つ

成長を期待できなくなった市場経済は

資本の流入を

流出へと切り替える


その経過は

経済から活性を奪い

マイナス成長する経済を

国際展開するものとなる


収益の拡大を期待できなくなったとき

コストを圧縮して

埋め合わせをする必要が出来する

経済成長が見込めなくなった以上

利幅の拡大とその充実

を目指すことしか

残された道はない


原油相場の下落でコストダウンは実現したが

エネルギー資源を買い急ぐ必要がなくなり

需給は却って緩んだ

先安観が相場を下押しする圧力

となり

取引価格の上昇基調に

強い制動を

一年前からかけている


これと同じ経過が

90年代の日本でも観測されていた


この年の四月一日に施行された

不動産融資の総量規制というものが

アメリカ全部を買うことができるほどの資産価値を

日本経済から奪い去った

一つしかないその理由


バブル経済を産み落としたメカニズムに

破れが生じ

不動産価格は絶対に下がらない

とされていた土地神話を

呆気なく打ち砕き

資産だったものを

債務へと短い時間で

一斉に振り替えた

その経緯のありように於いて

まさに瓜二つ

の相を成す変化が

エネルギー市場でも起きている


将来の需要増大という見通しが

土地投機を成り立たせたいたのだったが

業界が行っていた先行投資を

政府によって実施された総量規制が

円滑に進めなくした

ということが

蟻の一穴となって

堤防を破壊したということが

市場参加者の総てに損失を与え

高値誘導してきた価値の漏出

を逆に急がせた


手持ちの不動産を処分してからでなければ

新規の融資が受けられない

という事態に直面し

新たな仕込みをすることができなくなった

業界が仮の需要を失ったということが

実需に甚大な影響を及ぼした

という経緯が経済史へとこうして残された


これがバブル経済崩壊の機序のすべて

その後の経済対策を間違え続けてきた内閣が

失われた10年を倍の20年へと引き伸ばし

更に30年へと推し広げようと今努めている

経済に関する認識能力の不在

という事態が

国民に遅れて祟る

とするその典型的な事例が

日本経済を未だに長期間苦しめている


日本が抱え込むこととなった拙い現況は

政治の失敗の連鎖がもたらした

その結果

以外の何物でもない


仮の需要を投資勢力が誘導し

値上がりを見込んだ先行投資を

強化する

というサイクルがバブル経済の生みの親


資本供給が断たれた途端

膨張する経済は

破裂した

その事実にすら気づけなかった阿呆どもが

不作為の三年と

その後のデフレ経済を連れてきた


経済認識能力のない政治指導者たちが

バブル崩壊という事態にいつまでも気づかず

手を打つまでに丸五年

の歳月を要した

という事実が記録に残されている


バブル崩壊後

最初の経済対策が施行されたのは

96年度の予算執行まで

待たなければならなかった事実は

雄弁


その対策事自体も実に旧弊なものであり続け

公共投資に特化した

見慣れたものであったことから

有効性のない

つまり真水ではない

飲むことのできない濁った水

ばかりで占められていた

これが有効需要の創出を阻む

最大の壁

となっている


国が負った債務の膨張は

この愚かな時代が

そのきっかけとなって

産み落としたもの


需給が緩むと買い急ぐ必要性は消え

不動産価格が低迷しただけでなく

現在の原油相場さえもが

買い控えの対象とされているほど

事実が教えるその意味は濃い


最大の要因が

シェールオイルとガスの強制的な採掘法の確立にあり

その変化が導いたエネルギー資源を巡る

ヘゲモニーの争奪戦が

さまざまな変化を意図せずに生み出した


アメリカが仕掛けた市場戦略が

原油相場を下落させ

ドルの需要水準を大きく引き下げて

ドル余り現象に輪をかけた

という皮肉な経過に

世界中がやがて総毛立つことになる


地下資源を大量生産しながら

現地で大量消費している

そのアメリカで

ミレニアム規模の集中豪雨が先月発生し

大規模な洪水の被害が

いま

北米大陸の一部で

既に起きている


地下資源は炭化水素でできており

これを燃やせば酸化作用で

二酸化炭素と水が派生するのは

ものの道理


シェールガスを燃やせば

温室効果ガスが増えるだけでなく

その二倍に当たる水分子が

大気中へと放出される

メタンを燃やす行為は

気候の変動を激烈化させる

という原因と結果とを

同時に生むものとなっている


富の量的拡大が

貧困を蔓延させた

それが飽和するようになったとき

経済成長が失われ

世界規模のリセッションが

地表へと厳かに訪れる


経済成長を牽引してきた先進諸国が

真っ先に経済減速に苦しむようになり

対策として

増税と赤字国債の増発を繰り返して

世界市場から持続可能性を自ら削いでいる

だが

この歴史的手法はもう

限界領域へと近づいている


困難な時代を乗り切る明敏な判断力と

果断に実行する行動力とを併せもつ国が

未実現の時間に於ける

国際経済の枠組みを規定する

中軸となるだろう


ピンチはチャンスの予兆を兼ねる

環境負荷のない

未来型のエネルギー大系を

文明はほどなく

見つけだすだろう


教育投資を有効化するために

量から質

への転換を実現する

パラダイムシフト

というものが

絶対的に必要なのだ


資本を操ってきた僅か1%の勢力が

文明の未来を方向づけている

主導権をもつこれらの組織がもつ

自覚

の有無が

滅亡と繁栄の境

を決定づけることになっている


過剰流動性を手段とする

過大な投資行為が

経済の持続可能性を左右する局面で

強欲な投資家が

成熟した経済成長のサイクルを

自らの手で

破戒する

その愚かさが

文明の終わりを告げる


進化とはこのようなサイクル

が成り立たせている相の断面

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