ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

SS事業、多角化、集約化、のビジネスモデル ④

2017年10月27日 10時01分46秒 | Weblog

いよいよ、冬場の灯油商戦が本格スタート。
なんだかんだ云っても灯油はSSビジネスの基軸商品です。
収益性も、「油外商品」に比較しても勝るようになりました。
これは、「配送コスト」が消費者に転嫁されてきたという事実が大きいわけです。

「宅配」に関する消費者のコスト意識は
アマゾンとヤマト宅配の事例などにより昨年とは大きく変わっており
SS業界としての価格設定、意識改革、WEBビジネスに向けたセンスも問われています。

灯油という身近で安価なホームエネルギーは
SS数の減少やセルフ化などにより配送体制が弱体化しており消費者には購入の利便性が低下しています。
1SS当たりの販売数量は飛躍的に伸ばしている灯油販売業者がふえており注目されます。
我が国全体の灯油販売数量というパイの減少よりも、
配送販売体制を構築したSSの減少による、地域の販売数量集約による販売増加が顕著となっており
「残存者収益」を享受できる環境となってきました。

石油業界では大災害発生時なども想定した1缶運動なども展開中ですが
灯油ビジネスの基本は、必要な時に、必要な数量を必要な場所に届けられるという事です。

各地に「石油配送センター」の設置が進んでいますが
灯油だけでなく、軽油、A重油なども含んだ、通年稼働により地域消費者に対する安定供給体制の構築が急がれています。

これらの業態は、
石油ビジネス全体の業態改革の大きなポイントとなっており、今後はさらに広域展開や
企業全体の業務集約により収益確保の「核」とも位置付けられてきました。

SS部門は非採算であっても、
冬場の「灯油配送」と通年の「パトロール給油」により安定した収益確保が可能であることから
外販配送部門の強化が進んでおり、大手ディーラーでは全国的な展開がスタートしています。

日本の石油ビジネスは
SS店頭販売オペレーションから、次に向けた動きが活発化しています。

石油販売業者が
「油外」という油以外の商品販売でなければ経営が成立しないという矛盾的な現状から脱却し、
みずから、業態改革の努力に取り組みむことで、SSビジネスの未来が見えてくる。
ビジネスの本質を考え直す時代です。

カーライフ関連の油外ビジネスでしたら、
カーディーラーやオートショップを「油外ビジネス」として捉えるという
米国の石油業界と似た動きが出ています。

SSにおける「油外ビジネス」は大きな転換期に入ります。