座敷ネズミの吉祥寺だより

吉祥寺って、ラッキーでハッピーなお寺ってこと?
中瀬の吉祥寺のあれこれをおしゃべり。

仏壇じまい

2018-07-14 | おしゃべり
例年通り、お盆の準備が整わないまま、
7月お盆に突入しております(汗)。



          



12日の読売新聞の人生案内に
「仏壇じまい」の語を見ました。

「墓じまい」という言葉を 最近 耳にするけれど、
「仏壇じまい」は どううすれば良いか?
との相談でした。



独り暮らしの高齢のお母様が 施設に入所なさり、
家を処分する考えだが、
家にある仏壇や位牌(いはい)を 
どうすれば良いか?

手狭な「我が家」には 実家の仏壇は大きすぎ、
6、7基ある位牌のために
手ごろな大きさの 仏壇の新規購入を考えている。





まず、相談者(60代 男性)のご実家は
これまでは 代々 仏教徒だったようです。

位牌には、60年以上前の祖父母のものも。

でしたら、菩提寺があるはずです。



とても残念です。

この方が 菩提寺にではなくて、
新聞の人生相談に相談なさった事が。

独り暮らしをなさっていたお母様は、
菩提寺との関係を絶っていらっしゃったのでしょうか。

おそらくは、故郷を出て 何年も、何十年も経った相談者が
ご両親から お寺や神社とのお付き合いについて
何も教わらずにきてしまったのでしょう。

家を出て
それなりに忙しく日々を過ごしてきて
気にも留めずに いたのではないでしょうか。

ご両親も 
息子が元気で 忙しく過ごしている事で満足し
生活を頼る事もせず 
家の伝統を伝える事もできず
菩提寺がどこかさえ 教える事なく
ここに至ったのではないでしょうか。



とても残念です。

できたら 少し 菩提寺を頼って欲しかった。

新聞の人生相談ではなく、そして 業者でもなく。



さて、あなたは、菩提寺が どこの何ていうお寺さんか、
忘れていませんよね?





回答者は さすがに 過不足なく 説明して下さっています。

中瀬の吉祥寺においては 
手数料やお布施の金額は 明示できませんが、
仏壇やお位牌を お預かりして 
後日 お魂抜きをしてから お焚き上げしたりしています。

古いお位牌は 「先祖代々」のお位牌ひとつに まとめる事ができます。



「墓じまい」も哀しいですが、
「仏壇じまい」という言葉も哀しいです。

相談者は お位牌を守っていく覚悟をお持ちで、
且つ 勝手な処分は <罰が当たる>とお考えです。

その感覚さえお忘れでなければ、
今後も 何とかなるかもしれません。

ご先祖様を大切にしなければ罰が当たる、のではありません。

ご先祖様を敬い、大切にしていく心構えや 心のゆとりや
心の持ちように芯がある事が、
家族を守っていってくれるのだと思います。

家族の平安や 精神の落ち着きなどに 
繋がるのではないか、と思っています。

(そうだといいなあ、と思っています。)




中瀬の吉祥寺のお檀家さんお中でも、
親達が 中瀬、そして 埼玉を離れて何十年も経って、
子供達が 菩提寺がどこか、菩提寺の宗派が 何か、
わからなくなってしまった方たちがいました。

おそらく、今も何人もいらっしゃるでしょう。

そんな子供達が 
親を見送って 施主になる年代になりました。

忙しい子供に遠慮する親達。

ワガママを通せる子供達(50代、60代、70代)。

寂しいですけれど、現実です。

親が誰かを知っていても
菩提寺がどこかを知らない大人は 日本中に増えています。





新聞の人生相談にお便りを送っていただいた方には
感謝申し上げます。

おかげで私は 回らない頭で 少しだけ考える事ができました。


寺側の人間としては、
もっと布教をしないといけないのではないか、と。

それも、現実に即した 実用的な布教をしていかなければ、と。

難しい事かもしれませんが。



できたら、もう少し お寺を 身近に感じていただけないでしょうか?

寺院の布教は 物足りなさを感じる事が多いです。

直接 聞いてみてはどうでしょう?

菩提寺が分からなければ、
お問い合わせは 近所のお寺さんでかまいません。

電話というものが、或るのです、現代は。

(ネットの情報は すべて正しいと思ってはいけません。)



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