ルノワール22点、他にコロー、ミレー、マネ、ピサロ、モネなどフランスの名作絵画が73点もクラーク美術館からきています。どれもこれも珠玉の作品ばかりで、本当に素晴らしいです。よく名作ばかりをここまで集められたものです。このコレクションはもともとクラーク夫妻が買い集めた個人のコレクションというのですから驚きます。クラーク氏は莫大な財産を築いたシンガーミシンの創業者の孫とのことです。
ルノワールやミレーの作品についてはいろいろな美術展や美術館でその多くを鑑賞してきて有名どころはほとんど見てきましたが、今回は実物を初めて見る作品が多かったです。それもそのはずで、73作品中59作品が初来日とのことでした。
中でもルノワールの「若い娘の肖像(無邪気な少女)」がよかったです。帽子をかぶった清楚な少女の肖像画で、ちょっと恥ずかしそうに目線をずらして唇に人差し指をあてている表情がいいです。
風景画ではモネの「ジヴェルニーの春」がよかったです。モネと言えば一連の「睡蓮」の作品ですが、この作品はモネの自宅の庭や池ではありません。おそらくモネの自宅近くの雑木林の風景だと思います。春の心地良い風が近景の明るい草原から雑木林を通って軽やかに吹き抜けていくように感じました。
ドガの「稽古場の踊り子たち」もすばらしかったです。バレエを練習している少女たちの絵でリズムをとる音や少女達の会話が聞こえてくるようです。
クラーク展、お薦めですよ。前回シャルダン展を開催した三菱一号館美術館で5/26までやっています。
これは見逃せませんよ。今回はクラーク美術館が安藤忠雄設計によって増改築工事をするので、特別にクラコレの主な作品を世界中で紹介しているだけですから。通常は米国マサチューセッツ州のクラーク美術館に行かないと見られないそうです。