絶対合格

熱血塾教師35年+教育コメンテーターのオールマイティー井澤が 「受験」、「子育て」の成功法を公開!

これで良いのでしょうか?(No.299)

2014年06月06日 11時35分50秒 | 受験・学校

これで良いのでしょうか?

「勉強しなさい!勉強しなさい!」と言うと反発して、キレて、大声を出して、暴れ、よけいに勉強しなくなるので言わないようにしていました。息子が自分からやる気を出すまでは待ってあげるという忍耐も大切だと思っていました。

  これは、某公立中学校の2年生なのにいまだに九九ができない生徒の母親の発言です。

九九ができないということは、わり算も小数も分数もなにも出来ないということです。

  このお子さんは特別な学級ではなく、普通のクラスにいるとのことなので算数の基礎の基礎が何もできないのに中学校では連立方程式や1次関数の授業を受けているはずです。

 登校拒否ではないのに通知表は「1」ばかり。いくら「人生は学歴がすべてではない。学歴で人を判断してはいけない。」と言っても「九九ができない人」は将来どういう仕事ができるのでしょうか?

 「子供に対して押しつけてはいけない。」「子供が自分からやる気を出すまでは周りの大人達は待ってやるべき。そういう忍耐も必要。」「人は何でも自主的にやったとき、本当に伸びる。だから、子供の自主性を尊重するべき。」「子供の親の所有物ではないから、子供の自由意志を尊重してやりたい。」この発言自体は耳障りがとっても良いし、間違いというわけではありません。

 

かし、その結果、「中2になっても、九九ができない人」ができあがってしまったのです。さらに、自分の思うようにいかないと「すぐにキレて、暴言をはき、暴力をふるう。」そんな中2ができあがってしまったのです。

 なぜでしょうか?

いろいろ聞くと「幼稚園時代からわがままで、自己中心的だったとのこと。」それは幼児としては普通のことで、幼児はみんなわがままだし、自己中です。しかし、そこからどうしつけ、どうもっていくかが親の腕の見せ所なのです。

しかし、幼稚園の先生から問題点を指摘されてもこの母親は「ウチの子は悪くない。友達が悪い。幼稚園の先生が必要以上に悪くとっている。」と思ったようです。その調子で小学校に入学しても母親は自分にとって都合の悪い情報はまったく受け入れず、自分にとって耳障りが良いことばかりを受け入れてきたようです。「人は我慢が大事」ということをまったく教えず、我が子を甘やかせ、溺愛していたようです。

幼稚園や学校のせいにして、転校しても結局同じことです。なぜなら原因は我が子と親自身にあるのですから。

そして、5歳の幼児だったときからはや9年、今は中2になって「普通の高校には進学ができそうもない。」という現実に直面させられているそうです。

私は子供の自主性も大切ですが、人として当たり前なことをしっかり身につけさせた上での自主性尊重だと思います。常識どころかなんにも知識がない幼稚園児や小学生にあるべき姿も教えず自主性を尊重することは「自主性尊重という名の育児放棄=教育放棄」だと考えます。

結局のところ、子供を本当に守れるのは親だけです。世間の無責任な発言や耳障りのいい意見に惑わされず、我が子を「しっかりとした人間力ある人間」にするために親自身も日々学び、子育てをしたいものです。

 

 


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