活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

加津佐図書館の印刷機も、ドラードも

2006-11-10 18:59:59 | Weblog
 ブログならブログらしくリアルタイムで、というわけでもないのですが、ちょっと横道にそれて、私が昨日、じっくり見てきました展覧会、すなわち、2006年10月21日から12月13日まで開催されている長崎歴史文化博物館開館1周年記念特別展をご紹介することにします。

《ローマを夢みた美少年 天正遣欧使節と天草四郎》
 これが今回の特別展のテーマです。ポスターにもリーフレットにも昨年、ローマで発見された伊東マンショの肖像画とメスキータ神父の肖像画、ともに、1585年に描かれたものが大きく配されていますが、この肖像画の現物展示こそ、今回の「見もの」であり、「売り」と見ました。
 これは使節たちが謁見をはたしたローマ教皇グレゴリウス13世の子孫の家から発見されたと聞きましたが、教皇にも若かりしころ、秘められたロマンがあったのでしょうか。

 使節たちが持ち帰った「活版印刷」がらみでは、いろいろ展示がありますが、加津佐の図書館所蔵のキリシタン版を印刷したブドウ絞り機型印刷機のレプリカ、諫早のところで紹介したドラード像、ただ、二つとも上記の肖像画と違って、想像上の産物というのが、難ではありますが。
 もっとも、めったに拝めない本物もありました。私たちが「スピリツアル修行」と呼んでいる1607年(慶長12)に長崎で印刷されたキリシタン版がそれです。国の重要文化財に指定されていて、長崎大司教区の所蔵になるものです。
 
 また、天理大学図書館所蔵でドラードたちが1590年(天正18)、帰途、マカオで印刷した「天正遣欧使節対話録」も出品されていました。
 キリシタンの世紀やそのあとにつづく禁教の時代、南蛮文化に興味をお持ちの方には、見逃せない展覧会で、構成も順序だててわかりやすいと思いました。
 


 
コメント
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