活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

長崎の教会群こそ早く

2013-09-22 11:32:05 | 活版印刷のふるさと紀行
 最近、私がいちばん残念に思ったニュースは「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」がユネスコに推薦する候補から漏れたことです。なんでも内閣官房の有識者会議が推した「明治日本の産業革命遺産」の方が選ばれてしまったようです。

 私は日本の活版印刷の遺産でもあり聖地でもある長崎に通、い詰めるようになって20年近くたちますが、その間、長崎や熊本の教会をいくつも訪ねております。
キリシタン版が加津佐や天草や長崎で印刷されたころの教会堂はキリシタン弾圧で
ほとんど壊滅させられておりますから、現存の教会群は時代的にはそれより後の時代のものですが、訪ね歩くとこころを揺り動かされます。

 ひっそりと海辺の入り江にたたずむ教会や周辺の風景もさることながら、印刷を取り上げられた信者たちが粗末な紙に稚拙な墨文字で写し取った祈りのことば、あるいは教会の裏手につんであった拷問石、畳敷きの祈りの場、隠れキリシタンの祈りの日々を伝える遺産のかずかずは、訪れる人の心に語りかけ、訴え続けてくれます。なんとか、はやく世界遺産にくわわってほしいものです。それにしても、現政府の意向は 産業革命遺産がモノづくりにつながるところから、、こころよりも優先するところにあるのでしょうか。残念です。
 
 

















コメント
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