司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

「Q&A株主資本の実務」

2006-12-11 16:07:53 | 著書・論稿・講演等
共著「Q&A株主資本の実務」(新日本法規)
http://www.sn-hoki.co.jp/kobetsu.cgi?product=0571

 旧「資本の部の実務」の会社法対応改訂版。種類株式、新株予約権、自己株式及び組織再編等に係る株主資本に関して、税務・会計を中心に詳説したものであるが、「会社の計算」の解説書として、お奨めである。

 私も、今回の改訂版では、種類株式の登記に関するQ&Aを4問担当。
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外形標準課税の適用基準見直しが先送り

2006-12-11 15:56:55 | 会社法(改正商法等)
 総務省が実施の方針を固めていた外形標準課税の適用基準見直しが一転、平成20年度税制改正以降に先送りされることになった模様。
 外形標準課税の適用対象は、現在「資本金の額」基準で1億円超の法人とされているが、総務省は、資本金の額の減少による外形標準課税逃れが相次いでいる実態を受けて、法人税法上の「資本金等の額」基準に改正する方針を固めていたのであるが、来年の参議院選挙対策(?)で先送りされるようである。
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発起人による業務執行の決定方法

2006-12-11 13:49:36 | 会社法(改正商法等)
 会社法においては、設立時取締役及び発起人の権限の見直しがなされ、設立中の株式会社における業務執行の決定は、原則として発起人が行うものとされている。そして、その決定方法については、全員の同意を要するとされているものの他は、「設立時役員等の選任は、発起人の議決権の過半数をもって決する」(会社法第40条第1項)とする規定が置かれているのみであり、その他の事項の決定方法が問題となりうる。

 この点に関して、学説は、従来から、発起人組合と構成し、民法第670条第1項を根拠に、発起人の多数決(頭数の過半数の意)で行うと解していた。会社法においても、同様に解しているようである(江頭「株式会社法」73頁ほか)。

 しかし、登記実務においては、「会社の成立前は,定款記載の最小行政区画内における本店の所在場所の決定,支店の所在場所の決定,支配人の選任,株主名簿管理人の決定等は,定款に別段の定めがない限り,発起人の議決権の過半数による」と解されている(通達5頁)。取締役会設置会社でない株式会社における設立時代表取締役の選定を発起人が行う場合も同様である。

 会社法に明文の規定が置かれていないのが不備であるといえるのかもしれないが、資本多数決での経営が基本である株式会社においては、設立中の段階であっても、その業務執行の決定は発起人の議決権の過半数によるべきであり、登記実務の考え方が妥当であると考える。
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