ロイターCOLUMN-〔インサイト〕公開会社法論議への期待と不安=野村総研大崎氏
http://jp.reuters.com/article/foreignExchNews/idJPnTK037996420100224
私は,「新たな単行法(文字通りの公開会社法)を制定する」のがよいと考えている。理由は,「会社法」の施行前に書いた次の記事のとおりである。
cf. 平成16年7月18日付「『有限会社』を廃止、株式会社に一本化」
昭和55年10月創刊の「法学教室」創刊号に松田二郎元最高裁判事の手になる随想「群小株式会社の追放~企業倫理確立のために~」がある。折しも、日商岩井事件第1審判決直後であり、松田氏は、企業倫理確立を実現するために、群小株式会社の追放、最低資本金制度の採用、その有限会社への組織変更を強く主張している。平成2年商法改正により最低資本金制度が導入される以前の論稿であり、非常に興味深い。松田氏は、さらに「群小会社の中には法を守らない点で、いわば「無法者」が多く存在し、会社法改正にも事実上殆ど影響を受けない点で「治外法権的」地位にあるものさえ存在している。・・・・若し大小資本の会社が混在する現状を肯定して、安易に個々的、便宜的な、いわば「切り張り的」改正を行うならば、そのことは一見現実に即するに似て、却って株式会社という同一名称の下に、大小雑多のものを混在させて、その混乱の後遺症は根治し難いものとなるであろう。」と述べているが、次なる改正において最低資本額の撤廃、有限会社制度の廃止、及び譲渡制限株式会社における有限会社型機関設計の選択的採用等が導入されようとしている昨今において、傾聴に値する論である。まさに、温故知新というべきか。
http://jp.reuters.com/article/foreignExchNews/idJPnTK037996420100224
私は,「新たな単行法(文字通りの公開会社法)を制定する」のがよいと考えている。理由は,「会社法」の施行前に書いた次の記事のとおりである。
cf. 平成16年7月18日付「『有限会社』を廃止、株式会社に一本化」
昭和55年10月創刊の「法学教室」創刊号に松田二郎元最高裁判事の手になる随想「群小株式会社の追放~企業倫理確立のために~」がある。折しも、日商岩井事件第1審判決直後であり、松田氏は、企業倫理確立を実現するために、群小株式会社の追放、最低資本金制度の採用、その有限会社への組織変更を強く主張している。平成2年商法改正により最低資本金制度が導入される以前の論稿であり、非常に興味深い。松田氏は、さらに「群小会社の中には法を守らない点で、いわば「無法者」が多く存在し、会社法改正にも事実上殆ど影響を受けない点で「治外法権的」地位にあるものさえ存在している。・・・・若し大小資本の会社が混在する現状を肯定して、安易に個々的、便宜的な、いわば「切り張り的」改正を行うならば、そのことは一見現実に即するに似て、却って株式会社という同一名称の下に、大小雑多のものを混在させて、その混乱の後遺症は根治し難いものとなるであろう。」と述べているが、次なる改正において最低資本額の撤廃、有限会社制度の廃止、及び譲渡制限株式会社における有限会社型機関設計の選択的採用等が導入されようとしている昨今において、傾聴に値する論である。まさに、温故知新というべきか。