司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

遺贈による登記の登録免許税の負担者は誰か(3)

2014-10-24 14:39:30 | 不動産登記法その他
 遺言執行者が負担した遺言執行費用については,民法第1012条第2項が同法第650条を準用していることから,遺言執行者は,相続人に対して償還請求をすることができる。

cf. 平成26年8月30日付け「遺贈による登記の登録免許税の負担者は誰か(2)」

 しかし,民法第1021条が遺言執行費用を相続財産の負担としていることから,相続人は,相続人の固有の財産をもって支弁する必要はない。

民法
 (遺言の執行に関する費用の負担)
第1021条 遺言の執行に関する費用は、相続財産の負担とする。ただし、これによって遺留分を減ずることができない。

 すなわち,遺言執行者が各相続人に対して請求することができる額は,遺言執行費用を全相続財産のうち当該相続人が取得する相続財産の割合に比例按分した額であり,かつ,当該相続人が取得した相続財産の額を超えない部分に限られる。

 そして,遺言執行費用によって遺留分を害することはできない(民法第1021条ただし書)ので,相続人は,遺留分額に遺言執行費用を加算した額を保全するまで,贈与及び遺贈を減殺することができると解されている。

 それでは,遺言執行者が,ある相続人に対して,「遺言執行費用を全相続財産のうち当該相続人が取得する相続財産の割合に比例按分した額」を請求することで,当該相続人の遺留分を害することになるときは,そもそも侵害額を請求することができないと考えるべきなのであろうか。

 それとも,遺言執行者は当該額を請求することができるので,それにより遺留分を侵害された結果,当該相続人が遺留分減殺請求権の行使により侵害額を補填することになると考えるべきなのであろうか。

 遺留分を害されることになる相続人が遺留分減殺請求権を行使するか否かによって,比例按分額が異なることからすれば,後者が妥当であろう。比例按分額は,相続人間で調整することになる。
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景品表示法における不当表示に係る課徴金制度の導入

2014-10-24 10:40:55 | 消費者問題
共同通信記事
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20141024000015

 「不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案」が閣議決定。この改正により,課徴金制度が導入される。

cf. 景品表示法における不当表示に係る課徴金制度等に関する専門調査会
http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/kachoukin/index.html
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