山梨のワインのブログ

山梨の酒屋の4代目が、ワインを中心に、山梨の酒を、愛を込めて書き溜めます。

一升瓶ワインに注目です。

2009-07-30 18:40:01 | ワイン四方山話
一升瓶ワインは山梨の特産ですが、購入するとき、果たして「美味しいのか」不安になる方、いらっしゃると思います。
 売っている私は、はっきり言います。「美味しいです」。

 ワインは、高級ワインと日常ワインと、大きく2つに分かれます。高級ワインは、「晴れの日」に飲まれる高価格ワイン、日常ワインは毎日飲まれるある程度価格の抑えられているワイン。一升瓶ワインの中身は、日常ワインです。
 
 山梨には80ものワイナリーがあるので、ワイナリーにより品質に差があるのは当然ですが、現在その差が縮まってきています。縮まってきているというより、全体のレベルがどんどん高くなっています。
 
 山梨の白ワインというと、1300年前より栽培されている甲州種ですが、甲州種ワインはすべてのワイナリーで販売しています。そしてこの甲州種には、全ワイナリーが本当に力を入れているワインです。甲州種は、他県ではあまり栽培されていませんが、山梨では官民力を合わせて、より良いワインにしようと取り組んでいます。
 そして、一升瓶の白ワインは、この甲州種が中心です。必ずお客様を満足させてくれます。
 
 難点もいくつかあります。「一升瓶ワインは下品ではないか」という方がいらっしゃるかもいれません。そういう方は、西欧かぶれでしょう。同じ醸造酒に日本酒がありますが、一升瓶の日本酒を下品と思う方は皆無です。ワインと日本酒はアルコール度数も同じ位、むしろ日本酒の方が高いので、一升瓶ワインを購入されることは何の問題もありません。
 海外の原料が入っている一升瓶ワインもあります。山梨は葡萄生産日本一なので、これは解決しなければと思います。葡萄の確保や価格の問題など、クリアしなければならないことは多いですが、全ワイナリーが国産100パーセントに取り組んでいます。ただ、たとえば麦焼酎の原料は、ほとんどが海外のものです。ビールもそうですよね。ワインも、安全で、美味しくて、価格が抑えられていれば問題無し、という意見もあります。現に、海外のワインは、国産ワイン以上に売れています。
 
 最大の問題は、ワイナリー自身の一升瓶ワインへの偏見です。もっと自信をもって一升瓶ワインを販売してください。一升瓶ワインは、甲州種と同じくらい、山梨の特産ですから。

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国産ワインコンテスト

2009-07-04 13:43:39 | ワイン四方山話
6月にメルシャンの2つの赤ワインが、外国のワインコンテストで金賞を受賞しました。
このワイン、過去にも受賞していて、日本のワインのレベルの高さを示しています。ただし、価格は1万円(実勢価格)。うーん。
 
日本でも7月29日から31日に、日本最大のワインコンテスト「ジャパンワインコンペンション」(国産ワインコンクール)が山梨で開催されます。
 
今年で7回目、出品ワインは680、山梨のワイナリーだけでなく全国のワイナリーが出品する、名実ともに日本最大のコンテストです。
 
このコンテストの特徴は、国産の葡萄100%のワイン、葡萄の種類別の審査、部門別(13部門)に順位が付くことなどが挙げられます。山梨の皆様が注目する甲州種(白ワイン)部門(辛口と中口・甘口の2部門)もあります。
 
甲州種部門に出品するのはほとんどが山梨のワイナリー。残念ながら、他県では甲州種ワインはあまり作られていないようです。
 
昨年の甲州種辛口部門第1位は、中央葡萄酒(グレイスワイン、勝沼町)の「甲州2007」。価格は1890円(年号変更)。同じく金賞受賞のメルシャン「勝沼甲州」が1575円(完売)、、フジッコワイナリー「甲州樽発酵」も1890円(完売)、手頃な価格のワインが受賞しています。
 
このコンテストの結果は8月初旬に発表されますが、ワイナリーはもちろん、我々売り手も注目です。なぜなら、入賞ワインは売りやすいからです。
 
ワインは農作物ですから、同じワインでも毎年味が微妙に変わります。また、同じ甲州種ワインでも百種類以上あります。売り手は大変です。そんな状況で、公的機関がワインに順位をつけていただけると、売る方は大変助かります。
 
購入される消費者にも便利ですよね。試飲しなくても、誰かに聞かなくても、美味しいワインが見つかります。
 
ワイナリーも今まで以上に切磋琢磨し、山梨全体で品質向上に努めています。今年の審査結果の発表はもうすぐです。新聞でも発表されますので、注目してください。

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