2015年の国産ワインコンクールは、13回目になり、今年から日本ワインコンクールと名称が新たになりました。
ワイナリ―の参加は99社。日本の約200社のワイナリーのうち、半数が参加しています。
ワイナリーは全国47都道府県にあります。参加したワイナリーは公表されていませんが、入賞一覧からみると、21道府県のワイナリーが入賞しています。
北海道から、熊本、宮崎までのワイナリーが入賞しているので、全国的な規模になっています。
入賞したワイナリーは82社なので、ワイナリーの入賞率は83%。
山梨には、約80社のワイナリーがあり、入賞ワイナリーは35社。
山梨のワイナリーも、約半数の参加です。山梨のワイナリーの入賞占有率は、43%。
入賞したワイナリーの都道府県別では、山梨の35社の他、長野11社、北海道、山形が各5社、岩手、新潟各3社、岡山、島根、広島、宮崎、埼玉が各2社、他10府県が各1社です。
ワインの出品数は752。うち入賞ワインは393なので、ワインの入賞率は53%です。
山梨日日新聞によると、1次審査で半分にする予定だったが、特徴あるワインを奨励賞にして、入賞率が上がったとのことです。
山梨の入賞ワインは、35社193品で、入賞占有率は49%ですが、甲州種ワインの2部門に64品のワインが入賞しているので、甲州種2部門を除くと、129品の入賞で、占有率は40%になります。
ワイナリーの占有率は43%ですが、ワインの入賞占有率は甲州種2部門を除くと、他県に劣っています。
山梨のワイナリーが甲州種を重視していること、また他県が甲州種を軽視していることが判ります。
国際ブドウ・ワイン機構(OIV)には、日本の醸造用葡萄として、甲州種とマスカットベリーA種が登録されています。
日本ワインの特徴として、この2品は大切なものです。
日本ワインコンクールを主催する山梨県は、甲州種を他県で栽培してもらえるように、依頼し続けて下さい。
甲州種という名前が抵抗ある場合、名前を変えても良いのではと思います。
日本の料理にマッチする甲州種は、名前を変えてでも、全国に普及させる意味があると感じます。
外国の葡萄品種も良いですが、究極的には外国ワインと同じ土俵になります。
日本のワインとしてアピールするとき、日本独自の品種が良いはずです。
大手5社と言われるメルシャン、サントリー、マンズ、サッポロ、サントネージュ(アサヒ)の入賞ワインは、86品です。
大手ワイナリーの入賞占有率は22%です。
入賞数トップのワイナリーは、マンズワインの27品(小諸、勝沼の2つのワイナリーの合算)、サントリー23品(登美、塩尻の2つのワイナリーの合算)、メルシャン21品と続きます。
コンクールの表彰式、公開テイスティングの会場では、大手ワイナリーのスタッフの多さに驚き、コンクールに疑問を感じたこともありますが、数字を見ると、大手ワイナリーの寡占状態ではないことが判りました。
大手ワイナリーの他に、山梨県内のワイナリーでは、本坊酒造マルスワイン(石和町)が16品、シャトレーゼ勝沼ワイナリー(勝沼町)が11品、フジッコワイナリー8品(勝沼町)、丸藤葡萄酒工業(勝沼町)6品が健闘しました。
また、江井ヶ嶋酒造シャルマンワインは、ワイナリー創業家の山本さん1人で実質造っていますが、4品入賞しています。
甲州市塩山のキスヴィンワイナリー、須玉町のヴィンテージファームの新しいワイナリーが入賞しているのも嬉しいニュースです。
他県でも、北海道ワイン、高畠ワイン、井筒ワイン、小布施ワイナリー、ヴィラデストワイナリーなどは、毎年多くのワインが入賞しています。
以前、マンズワインの「リュナリス 甲州 バレル・ファーメンテーション」が3年連続金賞受賞をして話題になりましたが、本坊酒造マルスワインの「カベルネ・ベリーA 穂坂収穫」、欧州・国内改良品種ブレンド赤部門で、その部門が出来た2007年から今年まで、7回入賞、うち4回はコストパフォーマンス賞を受賞。山梨のアルプスワイン(一宮町)の「プラチナコレクション マスカットベイリーA」も、2005年の初めての入賞から、金賞2回を含む9回入賞しています。
他県のワインでも、入賞を繰り返しているワインがあると思いますが、把握していないことをお詫びします。
国産ワインコンクールから続くこのコンクールは、日本のワインの品質向上に貢献していると実感します。
地元で酒屋を営むものとして、最近の甲州種ワインの質の向上は、素晴らしいものです。
一方、参加していないワイナリーがたくさんあります。
不参加の理由は様々でしょうが、どんな形でも(例えば審査員として)、参加を呼びかけ続けましょう。