山梨のワインのブログ

山梨の酒屋の4代目が、ワインを中心に、山梨の酒を、愛を込めて書き溜めます。

イケダワイナリー 山梨

2011-05-29 18:13:20 | ワイン四方山話

先日、イケダワイナリーのワインを発注すると、社長自ら配達していただいた。

山梨で酒の小売店を営んでいると、たまにこういう幸運にめぐり合える。

忙しいシーズンは駄目ですが、シーズンオフなどは、結構いろいろなワイナリーの「社長自ら」、「専務自ら」配達してくれることがあり、こちらはいろいろな情報をありがたくいただけます。

県外の小売店の方には、うらやましい事だと思います。県外の皆さんは、わざわざ時間を作って、山梨のワイナリーを回るのに・・・。

イケダワイナリーは、15年前に、勝沼の老舗ワインナリーに勤めていた池田社長が設立したワイナリーです。

最近は、ワイナリーを個人で設立される方がいらっしゃいます(ワイナリーを設立するのは莫大な仕事量なので、その志のある方は本当に尊敬します)が、池田社長が設立された当時は大変珍しいことだったと思います。

イケダワイナリーのワインは大変好評で、720mlサイズのワインの中では弊社の売上のベスト5に入るワイナリーです。

弊社は一升瓶ワインに力を入れているので、イケダワイナリーに一升瓶ワインが無いのは残念ですが。

その成功の鍵を伺ったところ

・葡萄の種類を絞っていること。 白ワインは甲州種のみ。赤はマスカットベリーÅ種、カベルネソービニヨン種、メルロー種の3種類。ロゼに巨峰種。全部で5種類。出来るワインは、6種類。価格帯も2段階。他社と比べて、シンプルです。

・葡萄つくりを、基本的に契約農家にまかせていること。ワイナリーによっては、自社で栽培しているワイナリーもあるが、池田社長は醸造に専念し、社員もいないことが、2000円を越えないワイン価格の設定に直結している。

話を伺っていると、理路整然と解りやすく話してくれる。最も成功している小規模ワイナリーと感じた。

巨峰のロゼワインは、ワイン造りの哲学からは外れるとの事だが、美味しい巨峰を作ってくれる農家があり、綺麗に造ったら、お客様に好評なので、継続しているという。

また、最近まで一緒に仕事をしていたご子息は、現在本人の希望でコンピューターの仕事をしているが、いずれまた一緒に仕事をされるとの事。

また社長に会えることを楽しみにしています。

 

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岩手、宮城、福島の日本酒、ウイスキー、ワイン、ビール

2011-05-22 19:11:51 | お酒の話(ワイン以外)

震災から2カ月余り、話題になることも少なくなってしまいましたが、酒の業界では「東北の酒を飲もう」と地道な活動を続けています。

東北の中でも、被害が大きい岩手、宮城、福島の3県のお酒をご紹介します。

まず、東北と言えば日本酒ですね。美味しい日本酒が出来るには、うまい米と清んだ水。東北はこれからも美味しい日本酒を提供してくれるでしょう。写真左から、あさ開き(岩手)、一ノ蔵(宮城)、大七(福島)です。東北にはたくさんの蔵元があるため、どれを選ぶか迷いましたが、この3点は東北を代表する日本酒です。

写真のウイスキー「宮城峡」は、ニッカウイスキーです。サントリーに続くウイスキーメーカーのニッカウイスキーは、北海道余市と宮城県仙台市に工場があります。水の良いところには素晴らしいウイスキーができます。サントリーが発祥の地、京都の山崎に続き、第2工場を山梨県北杜市白州町に建設したのは、水の品質が決め手でした。ニッカウイスキーの仙台工場も、創業者の竹鶴政孝氏がほれ込んだ水がありました。

写真右のワインは、岩手のエーデルワインの「岩手純情わいん」です。東北のワインの産地といえば山形ですが、岩手にも伝統のワイナリーがあります。白も赤も山梨のワインとはちょっと違います。まず赤ワインですが、原料のキャンベル種は山梨では縁のない葡萄です。主に生食用で、ワインにすると、無添加ワインでおなじみのコンコード種に似た味わいになります。渋みが抑えられ、飲みやすい赤ワインです。白はリースリングなどで造られたワインにリンゴワインがブレンドされています。この発想は山梨のワインメーカーにはありません。リンゴワインのさわやかな酸味と香りが特徴です。

写真左の缶ビールは、岩手の「銀河高原ビール」です。生きたビール酵母入りが特徴で、缶製品をメインにしたため、地ビールメーカー最大手になりました。幾度の会社更生を経ましたが、不屈の精神でビール造りに励んでいます。

 

 

※こちらの記事はVF甲府公認応援雑誌「ファンフォーレ6月号(5月25日発売)」に掲載されます。

http://www.fanforet.com/

 

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「日本のワイン」山本 博 著

2011-05-15 18:36:23 | ワイン四方山話

早川書房から刊行された、ちょっと古い本ですが、「日本のワイン」は凄い。

2003年発行なので、ちょっと情報が古いですが、日本のほとんどのワイナリーに言及しています。

その言及も、ワイナリーの歴史から、ワインの質まで網羅、ワイナリーによってはほめたり、叱咤激励したり。

言及しているすべてのワイナリーを訪れただろうから、その労力、時間、お金、たくさんかかっています。

弁護士でありながら、ワインの知識に深く、日本輸入ワイン協会の会長もされているという。

著者も凄いが、本に出てくる方々も凄い。

本気でワインを作っている方は、人生のすべてをワインに奉げている。

ワインは農業、という基本に、葡萄作りの季節は朝から晩まで、醸造の季節は、そのタイミングを考え抜く。

週40時間労働は、この方々には無意味な言葉。

山本氏が言いたいことは、ワイン作りにごまかしはきかない、という事。

ごまかしていないワイナリーのページは多く、ごまかしているワイナリーの紹介は、直接そうはいっていないが、読んでいて判ります。

そういう点で、おもしろい本です。

日本全体のワイナリーに言及しているので、山梨のワイナリーには細かく触れていないが、そちらは最近発行された「山梨のワイン」で詳しく紹介されています。

また、新しいワイナリーの情報として、小学館の河合香織 著、「ウスケボーイズ」もあります。ここに出てくる人たちも、凄い人生です。

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