山梨のワインのブログ

山梨の酒屋の4代目が、ワインを中心に、山梨の酒を、愛を込めて書き溜めます。

ベルギービールの試飲2

2006-09-18 19:18:01 | 新商品インプレッション
オルヴァル
アルコール6.2度。黒に近い茶色。
瓶型が珍しい。徳利を伸ばしたような茶瓶です。
裏ラベルに「トラピストビール」と表示されています。
これが噂の修道院ビール。修行に励む方々が、活動資金を得るため、修道院の片隅の薄暗い所で、秘伝の指南書に従い、秘蔵のビールを造る・・・。
そんな妄想が浮かんでしましますが、現実は違うそうです。
中世までは、私の妄想も少しは当たっていたようですが、それ以上に、中世の修道院は、技術的に世界の最先端であり、ビールも最も美味しいビールを造っていたそうです。
現在、ベルギーには6箇所の修道院ビールがありますが、修道士が造っているのではなく、普通の人たちが雇用され造っているそうです。

さて、グラスに注ぎます。日本のビールよりきめ細かい泡立ち。
透明な茶色、つまり琥珀色か。さっきまでこの「琥珀色」という文学的表現がのど元まで出ているのに外まで出てこなかった。
不思議な味です。ゴクゴクはのめない。アルコールが高いからか。
酸味があります。リンゴのような爽やかな酸味。でも甘さも感じます。そして全体的にホップの苦味がきいています。

日本のビールのような風呂上りの一杯ではありません。休日の夕方、すこしだけおなかがすいた時に、時間をかけて飲むビール。栄養がありそうです。

こんなビールが世界のビールの原点なのかなと思います。凝縮感があって、ゆっくり飲むビール。時間があるときは是非おすすめ。330mlで600円前後。ちょっと贅沢。

裏ラベルに賞味期限が書いてあるのですが,なんと2011年3月とあります。今が2006年9月なので、なんと4年6ヶ月もあります。タイムラグを考慮すると、5年間ぐらい賞味期限があります。缶詰より長い。

これは常温で活動する酵母が使われていて、瓶内熟成するからだそうです。
瓶内で味が少しずつ変わり、アルコールも少しずつ高くなるそうだ。
このあたりの事は専門ではありません。

賞味期限が5年もあれば、十分非常食になります。
万が一の時は、オルヴァルを持って逃げる。
でも、非難所でのんびりビールは飲めないか。

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ベルギービールの試飲

2006-09-14 16:52:47 | 新商品インプレッション
最近、流行しているベルギービールを試飲してみました。

ベルギーには、約110のビールメーカーがあり、約800のビールが販売されているそうです。ただ、その70%は世界どこでも造られ、飲まれているラガービールであり、特徴ある所謂「ベルギービール」は30%にすぎないそうです。
ベルギービールの特徴はいろんなスタイルのビールがあること。アルコール度数が高かったり、にごっていたり、冷やさなかったり、ビールカクテルだったり。だから、のどの渇きを癒す日本のビールとはかなり違う。

1.ヒューガルデン ホワイト
アルコール4,9度。ベルギービールではシメイと2強と言われるビールです。いい感じです。まず香りかいい。オレンジの香りです。色は日本のビールとおなじ黄金色、ちょっと薄いかな。のどごしも日本のビールと同じように、スムーズに流れます。 
味は、やっぱりオレンジの味。どうしてだろうとラベルを見ると、オレンジの皮とコリアンダーの実が入っていました。

うーん、これは賛否両論だろう。ドイツビールを好きな人なら、ドイツビール純粋令(ビールは大麦、ホップ、水だけで造る。1516年制定。)を盾に「これは邪道だ」と騒ぎ出すだろ。一方、寛容な方なら、こんなビールもあっていいじゃないか、と感じると思う。まさしくビールカクテル。僕にはOK.くせになる味です。

このビールにやきとりは合いません。辛いもの、しょっぱいものもちょっと合わないなあ。チーズは合います。スーパーで売っている6Pチーズで良いです。シチューもいいと思う。ビーフシチューも良いけど、ホワイトシチューのほうがもっと合うような。
次のビールにつづく。

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まるき葡萄酒

2006-09-07 19:14:10 | ワイナリー訪問記
マネージャーの米山です。

明日からデラウエアの仕込みが始まるという7月25日、まるき葡萄酒(山梨県甲州市勝沼町)を訪問してきました。

明治時代に勝沼町が、ワインの勉強のためフランスへ留学させた、二人の青年のうちの一人である土屋憲龍氏が、帰国後に設立に関わったまるき葡萄酒は、勝沼でも最も歴史のあるワイナリーの一つです。
今月行われた「ジャパンワインチャレンジコンテスト」でも、同社の「甲州 古曲」は、銅賞を受賞しており(日本のメーカーで入賞したのは数社のみ)、歴史の長さがしっかり生きているメーカーといえます。

我々の突然の訪問(^^;)も、こころよく受け入れてくださり、まずは一階の工場へ。いきなり目の前に出現したのはワイン貯蔵タンク。

ステンレス全盛のなか、昔ながらのホーロー製が使われていました。写真に写っている方は同社の案内人、望月さん。(愛称「もっち」さん。もっちさんのブログはこちらから)

地下一階の貯蔵庫では、甲州種ワインを一升瓶に詰め、さらにそれを10本入りの木箱にしまって、貯蔵してあります。10本入りの木箱は、酒屋を営む私でも、最近ではあまり見かけなくなりました。

一升瓶のほとんどは透明瓶。透明瓶を使っているのは、茶瓶や緑瓶がなかった昔からの伝統だそうです。地上より5℃ぐらい、温度が低く保たれているそうで、やや肌寒く感じました。


これは、地下2階のワイン貯蔵庫。写真のように、一升瓶が延々と重なっています。最も古いものが1974年の作品で、それ以降、在庫の数は違いますが、すべての年のワインが貯蔵されているそうです。この中のワインが、今年のジャパンワインチャレンジコンテスト、で入賞しました。

ところで、ここに貯蔵されていたワインは、ほとんどが甲州種の白ワインでした。赤ワインは、いったいどこに貯蔵されているのだろう…?

いまでこそ赤ワインもよく飲まれるようになり、同社でも日本固有のマスカットベリーA種や、欧州系のカベルネソーヴィニヨン種を、たくさん自家栽培し、醸造しています。
しかし20年ほど前までは、山梨でワインといえば、甲州種の白ワインのことだったそうです。それも甘口がほとんどで、山梨のワイン造りと日本人の味の好みは、この20年で大きく変わったということでした。

最後に売店で、いよいよ「甲州 古曲」を試飲♪1本2万円のワインですよ。このような機会でもなければ、なかなか試飲できません。

その味は…(;*ρ*)タマラン
コクのあるさわやかな甘口。とてもオールドヴィンテージとは思えないみずみずしさ。うーん、今日はとてもよい日でした。\(^o^)/

親切な対応、素晴らしい品質のワインの数々…。
また来てみたい、そんな「まるき葡萄酒」でした。

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