山梨のワインのブログ

山梨の酒屋の4代目が、ワインを中心に、山梨の酒を、愛を込めて書き溜めます。

甲州ワイン?

2009-03-30 13:25:06 | ワイン四方山話
甲州ワインには赤が無い、ことを知っていますか?
え、甲州ワインには白も赤もあるじゃあないか、と思う方、半分正解です。

甲州ワイン=山梨産のワイン、同義語になっています。
どこでもそのように使われます。
なぜなら、甲州は甲斐と同じく、山梨の昔の名称だから。
よって山梨特産のワインは、「甲州ワイン」と呼ばれています。
同じく山梨特産の印伝も「甲州印伝」、「甲州街道」「甲州弁」「甲州ほうとう」なども昔の山梨の名称に由来します。

山梨は葡萄の特産地でもあります。
その葡萄の種類に「甲州」があります。
葡萄の種類には甲州の他に、「デラウエア」「巨峰」「マスカット」「ピオーネ」などもありますね。すべて食べて美味しい葡萄です。
食べて美味しい葡萄の種類「甲州」は、なんと1300年前から山梨で作られていました。
まさしく山梨の名を冠する、伝統的葡萄品種です。
そしてこの「甲州」からワインを作ると、白ワインしか出来ないのです。

同じく白ワインの葡萄品種には、デラウエア、甲斐ブラン、シャルドネ、ソービニヨンブラン、セミヨンなどがあります。
赤ワイン葡萄品種には、マスカットベリーA、甲斐ノワール、カベルネソービニヨン、ピノノワールなどがあります。
すべて山梨で作られている葡萄です。

だから、「甲州ワインの赤」、というとちょっと戸惑います。
その甲州ワインが山梨産ワインのことを指しているなら、美味しい赤ワインはたくさんあります。
葡萄の「甲州」種を指していれば、それは間違え。

この問題を解決するために、最近は葡萄品種「甲州」から出来るワインだけは「甲州種ワイン」呼び始めました。
山梨産ワインは「甲州ワイン」、甲州から出来るワインは「甲州種ワイン」です。

山梨に来られたら是非、赤や白の甲州ワイン、または白の甲州種ワインを買ってください。

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ワインの聖地 山梨

2009-03-05 00:16:36 | ワイナリー訪問記
 山梨はワインの生産日本一の県です。
山梨県内には、80社以上のワイナリーがあり、そのうち30社が甲州市勝沼町にあります。
ワイナリーの集中する勝沼町は、日本のワインの25%を生産しています。

 ワイナリーがこれほど集中する地域は、日本では唯一であり、一面葡萄畑の中にワイナリーが点在する風景は、たいへん魅力的です。
 
 同じお酒の特産地では、例えば新潟の日本酒、鹿児島の芋焼酎、沖縄の泡盛などが有名ですが、勝沼町ほどメーカーが集中している地域はありません。
 また、狭いエリアにメーカーが集中する地域としては、奄美諸島の黒糖焼酎、長崎県壱岐島の麦焼酎がありますが、奄美諸島には12社、壱岐島には7社しかなく、この点でも勝沼町は特別な存在と言えるでしょう。
 
国道20号線の南野呂千米寺の交差点を北に曲がり、一つ目の交差点を右折、その辺りは勝沼町に隣接する笛吹市一宮町ですが、そこで車を止め、歩いてください。 
センターラインも引けない狭い道で、のどかで静かな田舎の町並みが広がります。すぐ右側にルミエールがあります。100歩ほど歩くと甲州市勝沼町になります。 
 勝沼町に入ってすぐ右側に伝統的家屋が素晴らしい勝沼醸造があります。小さな交差点を過ぎると、左に岩崎醸造、次の交差点右には歴史ある家屋が印象的な山梨ワイン醸造があり、すぐ左はダイヤモンド酒造。
 
 ここまでの所要時間は徒歩15分。ワイン好きな方には、狂喜乱舞する名の通ったワイナリーの数々。同じ徒歩圏内には、大泉葡萄酒、蒼龍葡萄酒、メルシャン、ちょっと離れたエリアにも麻屋醸造、中央葡萄酒、大和葡萄酒がやはり集まって存在します。
  
 山梨に来られた方にはぜひ勝沼町を見てください。整備された観光地ではないので、駐車場が完備されたり、親切な標識はありませんが、個々のワイナリーは温かく迎えてくれます。
 ワイナリー見学の後は、勝沼町のなかで一際目立つ丘の上の展望風呂「天空の湯」で葡萄畑を見ながら湯に浸っていただけると、最高の休日を過ごせるでしょう。
 
 

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