山梨のワインのブログ

山梨の酒屋の4代目が、ワインを中心に、山梨の酒を、愛を込めて書き溜めます。

山梨の日本酒

2011-01-08 12:00:57 | お酒の話(ワイン以外)
 この寒い季節、飲みたくなるのは、日本酒です。普段日本酒を飲まれなくても、この季節は日本酒、という方も多いです。
 
 山梨の日本酒の蔵元は10社です。全国には1700社あるので、山梨は少ないですね。日本酒の生産量は年々減少し続け、最盛期には4000社以上あったそうなので、日本酒メーカーは大変です。
 
 山梨の10社は北から、七賢(山梨銘醸、白州)武の井(高根)、甲斐男山(八巻酒造、高根)、谷桜(大泉)、福徳長(韮崎)、太冠(櫛形)、春のうてん(萬屋醸造、増穂)、腕相撲(御坂)、養老(山梨市)、甲斐の開運(井出醸造、河口湖)です。みなさん、名前は聞いたことがあるかと思います。山梨の地酒をよろしくお願いします。
 
 2月3日の節分に太冠酒造より「一期一酒」720ml1100円が発売されます。このお酒は大変珍しいお酒です。
 
 皆さん、蔵元で日本酒を飲んだことがありますか。蔵開きで飲む、出来立てのお酒は大変美味しいですよね。しかし、同じ銘柄でも市場に出回るお酒には、蔵開きで飲んだあの感動はありません。市場に出回る日本酒は、万が一の事を考慮して、濾過や殺菌がされ、品質が一定に保たれるようにされています。
 
 そこで、蔵元の日本酒の美味しさを味わって欲しいと太冠酒造が、日本酒のタンクに入っているお酒を何もしないで、そのまま瓶詰めしたのがこの一期一酒。無濾過、殺菌無し、アルコール度数も調節しない原酒です。
 
 当然、日持ちしないお酒なので、発売は節分の2月3日の1日だけ。太冠酒造はその日に瓶詰めして、すぐに出荷します。大変な作業になるため、1年に一回だけ。
 
 1年に1度しか味わえない貴重な日本酒。是非お楽しみ下さい。

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価格が上がる720mlワイン

2011-01-05 18:37:02 | ワイン四方山話
 最近、甲州種ワインの価格が上がっていますね。

720ミリサイズで、一昔前まで1000円前後だったのに、今は2000円弱くらい。樽などを使った甲州種ワインは2000円を超えています。

 甲州種や赤の在来品種マスカットベリーA種のワインはまだこれくらいですが、世界共通品種のメルローやシャルドネを日本で栽培、醸造したワインは、3千円から5千円のものもあります。高額ワインは生産量も少ないので、高額ワインほど手に入らない事もあります。
 
 一方、海外のワインの価格は下がっています。チリ産やスペイン産、南アフリカのワインは600円前後で売られています。オーストラリア産ワインは近年劇的に下がりました。千円以下の海外ワインも意外と美味しい。

 山梨のワイン愛飲家は悩むところです。地元のワインも飲みたいが、このご時世、そうは言っていられない。
ただ、山梨のワイナリーが、べらぼーに儲かっている訳ではありません。むしろ、80社ある山梨のワイナリーは、中小企業ばかりなので、なかなか大変です。
 
 しかし、山梨のワインの価格上昇は、質的向上が伴わっています。一昔前の1000円前後の頃の甲州種ワインは、海外のワインに負けていました。現在は、各ワイナリーが新たな製法の導入、葡萄栽培の改良、樽の使用などのあらゆる努力、研究を重ね、海外のワインに匹敵する評価を得ています。
 
 今後はどうなるのか。山梨県が主導している甲州種ワイン輸出プロジェクト(KOJ)が興味深い動きをしています。海外の日本食ブームで、海外でも甲州種ワインの販売チャンスですが、ネックは価格です。現在の甲州種ワインの価格では、KOJの成功は見込めないと感じたワイナリーは、コストの見直しをしています。
 
 コストの見直しで価格が下がり、KOJは成功、日本での販売価格も下がり、愛飲家は嬉しい、という流れになればベストですね。それまでは、お得価格の一升瓶ワインで晩酌しましょう。

写真は、KOJ輸出第1号の、中央葡萄酒(勝沼)の「グレイス甲州」です。

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