山梨のワインのブログ

山梨の酒屋の4代目が、ワインを中心に、山梨の酒を、愛を込めて書き溜めます。

イケダワインの特別なワイン

2013-04-29 12:07:41 | 新商品インプレッション

勝沼町のイケダワインから、特別な甲州種ワインが発売です。

イケダワインの池田社長は、山梨に縁もゆかりも無い方ですが、山梨のワインに感動し、山梨に転居、勝沼のワイナリーに勤務後、ワイナリーを立ち上げました。

現在、ワイナリーを創業する方はいらっしゃいますが、その当時は、前例も無く、大変だったとのこと。

いまでは、最も成功しているワイナリーでしょう。

イケダワインは家族経営の小規模ワイナリー。

小規模ワイナリーですが、成功している一番の理由は、葡萄栽培を農家にまかせ、醸造に専任しているからと思われます。

醸造に専任することで、葡萄の良さを最大限ワインに表現することのみ、考えています。

よって、イケダワインのラインナップは、安価なのに、レベルの高いワインばかり。

定番のワインのほかに、イケダワインのHPに載らないワインが、年に数アイテム発売されます。

今回は、「グランキュベ甲州」3150円。

豊作だった2012年の甲州種を、樽で発酵、その後瓶熟成し、2013年4月に発売です。

微妙な香りの甲州種に樽を使うと、樽の香りがワインを支配しがちですが、そこが醸造専門の池田社長の腕の見せ所です。

ラベルの甘辛表示はやや辛口ですが、社長は「ほのかな辛口」と表現していました。

1200本の限定です。

今年は、シラーの限定ワインの発売も考えているそうです。

シラーは、毎年ブレンドに使っていますが、今回のシラーは出来が良く、ブレンドではもったいないということで、いま単独で発売することを検討中との事。楽しみです。

ちなみに、山梨特産の一升瓶ワインを作らないか尋ねたところ、「地元の方にはよく聞かれる。作れないことははない。ただし、価格は市場価格より高くなるか、ワンランク下げたレベルのワインになるだろう。」ということで、すぐには実現しないようでした。


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白のぶどう果汁は稀少。

2013-04-27 19:51:45 | 新商品インプレッション

ワインに赤と白があるように、ぶどう果汁にも赤と白があるのは当たり前、と思うのですが、白のぶどう果汁は珍しいのです。

ぶどう果汁というのは、ストレート果汁のこと。

ワイン産地の山梨の特産(ワイン産地ではどこでもありますが)。

ただし、山梨でぶどう果汁というと、ほぼ赤です。

なぜか。

明確な理由はありませんが、いくつか考えられることを挙げます。

・動脈硬化に効果があると言われるポリフェノールは赤の果汁のほうが多いこと。

・赤は甘みも酸味もありジュースとして美味しいが、白は甘さだけが強く、ジュースとして赤ほど魅力的ではない。

・ここ数年、白の原料の甲州種がブームのため、ワインだけに供給され、ジュース用に回らない。

以上、白のぶどう果汁は山梨でほとんど見かけません。

ワイン売り場でぶどう果汁を見かけても、それは濃縮還元のジュースが多いのです。

濃縮還元のぶどう果汁は、市販されている500mlや紙パックの100%ジュースのことで、ぶどう産地のジュースを濃縮還元で作ったら、インチキに近い。

写真のぶどう果汁は、山梨で唯一つ(多分です。隈なく調べたわけではありません)の白のストレート果汁の一升瓶です。

笛吹市一宮町のアルプスワイン製造。

別件でアルプスワインを訪れた時、発見しました。

甲州種とデラウエア種のブレンドです。

一升瓶ワインに特化している弊社では、いつも新たな一升瓶ワインを探し続けていますが、アルプスワインを訪れた時、見かけない一升瓶を発見。よく見ると、それはジュースで、なんと白。絶句です。

売り場の方に「売れる?」と聞いたところ、「常連さんが中心」との事。

赤は、残念ながら、ストレート果汁と濃縮還元のブレンドでした(一部でもストレート果汁を使っていることはアルプスワインの地元に尽くす姿勢がよく判ります)。

初の白のストレート果汁の一升瓶を導入します。

売れるかは、不明です。


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