山梨のワインのブログ

山梨の酒屋の4代目が、ワインを中心に、山梨の酒を、愛を込めて書き溜めます。

ベルギービール試飲5

2006-10-31 19:18:49 | 新商品インプレッション
シメイビール

日本ハムが優勝してから、もう5日。今は、脱力感一杯です。
ファン歴20数年。前回の日本シリーズは巨人との後楽園決戦。
それからの20数年は2,3回、優勝争いに絡んだだけで、あとの年は、8月頃になると、来年のペナントレースを考えていたものです。
昨年までは、日ハムファンを隠していました。
まるで、隠れキリシタン。

日ハムファンといえば、白い目で見られました。プロ野球ネタで盛り上がっていても、[で、どこのファン」「日ハム」と答えると、場がしらけるのがわかりました。
今年は言えます。キリスト教解禁です。

名札に日ハムファンと書いていたところ、多くのお客様より、激励の言葉をいただきました。新庄はすごい。
みなさん、新庄のことを言ってくれます。
ぼくも思います。優勝は新庄のおかげです。
しかし、新庄は引退、小笠原もヒルマンもわかりません。
来年から、また静かに応援させていただきます。

そこでシメイビール。
ベルギービールの王道です。
トラピストビール(修道院ビール)の代表的銘柄。ヤンキースや巨人のような存在。
決して日ハムではありません。

誰もが、一度は見たことのあるビールと思います。
レッド(アルコール7%)、ホワイト(同8%)、ブルー(同9%)の3種類があります。
トラピストビールは、修道僧が修道院で造っているビールで、その収益は慈善事業に寄付されています。
ベルギービール何飲もうかと迷ったら、シメイを飲んでください。
ビールを楽しんで、社会貢献もできます。
このビール、ラベルに一応、賞味期限が書いてありますが、本当は賞味期限は無いそうです。
ベルギーがEUに加盟したり、輸出に必要だから明記してあるだけとの事。
ベルギーの有名なパブでは、ビンテージのシメイがメニューに載っているそうです。
まるで、ワインリストのように。

トラピストビールはワインに関係しています。
修道院ではそのはじまりより、ワインを造っていました。いまでも造っています。
中世では、葡萄栽培が中部ヨーロッパまでで、それより北では葡萄が作れませんでした。だから、ワインの代わりにビールを造ったのです。
これがトラピストビールの始まりです。

また、中世ヨーロッパでペストが流行した時、水が飲めないため、ビールが奨励されたという話もあります。
今の私たちが、海外旅行に行って、水は良くないからと言い訳して、ビールをがぶ飲みする事と同じですが、次元は違います。

さて試飲です。
3種類ぜんぶを試飲したいのですが、楽しみは将来にも残しておきたいので、アルコール度数最高のブルーを飲みます。
ベルギービールはそのビール専用のグラスがあるそうですが、ここにはありません。
残念ですが、普通のグラスに注ぎます。

アルコール度数の高いベルギービールはそんなに冷やさなくても良いという事で、飲む少し前に冷蔵庫に入れました。
やっぱり、そんな冷えてはいません。
多分10度はあると思います。
色は、濃い褐色色です。
泡立ちは、冷えてないビールがそうであるように、やわらかい泡立ちです。
香りは、ホップの苦い香りがします。

強烈です。スパイシーです。
甘い味わいもしますが、アルコールの高さから、力強いビールです。
ホップがきいた苦味が全体を支配しています。
僕個人としては、もう少し冷やしたほうが良かった。
味わうビールです。時間をかけてじっくり飲みたいビール。

シメイはビールが主役です。
日本のビールのように、食事の脇役ではありません。
料理を食べて、ビールで流し込むような事は、シメイでしてはいけません。
歯ごたえのあるソーセージとシメイ、これで1時間楽しめます。
日本シリーズの第5戦、ウインタースの、ではなくセギノールのホームランから、大社ジュニアオーナーの胴上げまでのビデオを見ながら、シメイ1本でいけます。



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ベルギービール試飲4

2006-10-09 18:08:35 | 新商品インプレッション
ベルヴュークリーク

当店では「さくらんぼビール」とよんでいます。
そのまんまです。自然発酵ビールに、酸味の強いブラックチェリーの実を入れ、さらに発酵させたビール。
自然発酵ビールとは、ビール製造過程で人工的に酵母を使わず、空気中の自然酵母で発酵させたビール。大昔のビールの造り方なのでしょう。多分。

さくらんぼの味がします。
甘いです。苦味ははありません。
疲れているとき、風呂上り、よく冷やしたベルヴューはおいしいです。

このビールの一番の売りは、グラスに注いだ時に色合いです。
ビールの色は赤、そして泡は白。紅白、めでたいビールです。

このビール、よく売れます。
味的に、女性のお客様が多いのですが、男性の方もよく買われていきます。

このビール、不思議な点が1つ。
缶と瓶が発売されていて、缶は330ミリで368円、瓶は375ミリで630円。
中身は同じです。

これはおかしい。
日本のビールでは、こんなことはありません。
日本のビールでこんな値段設定したら、お客様は黙っていないでしょう。
僕だったら、お客様相談室に電話します。

これは外国ビールなので、僕はお客様相談室に電話しません。
ただ、いろいろ推測できます。
瓶は正規輸入代理店の商品、缶は並行輸入業者です。
また、瓶はコルク栓(普通のワインのコルク栓ではなく、コルクが瓶の上部に飛び出ていて手で開けられるシャンパンのコルク栓)で、ちょっとカッコイイ。缶は普通です。

売れ行きは半々です。
ただ、瓶を買われるお客様に缶製品を説明させていただくと、「缶もあるの」と驚かれることが多いです。缶は珍しいらしい。

もっと売れてもいいかな、と思います。
紅白の見事なコントラストや、シャンパンのような瓶型は、お祝いの場面によくあいます。


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ベルギービール試飲3

2006-10-07 18:53:15 | 新商品インプレッション
アダムとイブ

思い出深いビールです。
約10年前、たくさん借金をして、新しい店をオープンさせた時。
以前の店より、5倍ほど売り場が大きく、当然商品数も多くなりました。
そこで商品知識もないまま、直感でたくさんの商品を仕入れたのでした。
今思い返すと、大変恐ろしい・・・。

その直感商品の1つがこのアダムとイブでした。
仕入れた理由はラベルの奇抜さでした。
一般に売り出されている商品のラベルに、男女の裸体が・・・。

あの当時は若かった。芸術も判らず、ベルギービールの味も知らず。
ぼちぼち売れました。買ったのは、ほとんど僕の友達ですが。
売り切ってからは、仕入れませんでした。
売れるとは思えない味でした。
あの頃は、日本のビールが一番うまいと思っていました。

そして10年後。
世界のいろいろなビールを売ろうと決まり、部下に候補を幾つか探してきてもらいました。その中になつかしいアダムとイブが入っていました。
久しぶりに飲みました。
昔とは違った味です。
多分味は変わっていないと思いますが、僕の舌が変わりました。
いろいろなビールを飲んで、ベルギービールも知って、このビールを飲んでも納得です。
褐色の色、アルコールは8,5度ととても高い。
そしてコリアンダーとオレンジの香り。
アルコールが高いのでシャープな味わい。ただしぐびぐびは飲めません。

ここまで読むと、アレ、と思われる方もいるでしょう。
ベルギービールで最も売れている「ヒューガルテンホワイト」のことではないかと。
そうです。ヒューガルテンと同じ醸造所なのです。2つのビールとも、コリアンダーとオレンジの皮が使われています。大きく違うのは、色合いとアルコール度数。
ヒューガルテンホワイトは名前の通り、淡い黄金色。アルコールは約5度。一方、アダムとイブは、黒ビールにも似た味わい、アルコールはおおよそ倍。日本人にはヒューガルテンのほうが馴染みやすいです。でも、慣れるとアダムとイブはくせになります。別名、禁断の果実。その名の通りでした。

実はこのビールは売っていません。今回のラインナップからは落ちました。
ヒューガルテンホワイトともう1つ、ヒューガルテングランクリュとダブるのです。価格もその2つと比べ、100円ほど高い。
でもいつの日か、また売りたいビールです。

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